CFDとFXの違いを8つの観点で比較!投資初心者にはどっちが向いているか解説
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投資商品として、CFDとFXは非常に似ています。
はたして自分にはどちらの方が向いているのか、投資初心者は気になるところでしょう。
結論から言うと、どちらが初心者におすすめかは一概に断言できません。
強いて言うのであれば、CFDとFXは投資対象やレバレッジに違いがあるため、投資スタイルによって選ぶのも1つとして選択肢として良いでしょう。
- CFDに向いている人:幅広い投資対象の中で分散投資をしたい(投資について幅広く学べる)
- FXに向いている人:リスクを見込んで、短期売買でリターンを得たい(長期運用スタイルもある)
もちろん、この情報だけだと「よく違いがわからない...」と感じるかもしれないので、この記事でCFDとFXの違いを理解した上で、どちらが自分に向いているか考えてみましょう。
この記事では、CFDとFXの共通点、違う部分、そして「CFDをやるならどんな銘柄がいいのか」まで解説しています。
FXとCFDが気になっている人は、ぜひ最後まで読んで「自分なりの選択」を見つけ出してください。
この記事でわかること
- CFD・FXは、「差金決済」の投資商品で共通点が多い
- どちらも少額から取引可能
- FXは各国の通貨が投資対象になるが、CFDの対象は非常に多い
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CFDとFXの違いとは?どちらも差金決済だが投資対象が異なる
CFDとは「Contract for Difference」のそれぞれ頭文字を並べたもので、これを直訳すると「差金決済取引」となります。
市場で取引されているさまざまな金融資産や指数などを参照原資産として、それぞれの価格とCFDの価格が連動する仕組みになっています。
CFDは現物の受け渡しを行うことはなく、買いもしくは売りからのエントリーをしてポジションを保有し、決済をした際の差額のみをやり取りするため、差金決済もしくは差金決済取引と呼ばれています。
例えば日経平均株価のCFDを売買する場合、2万5,000円の時に買いポジションを建てて2万7,000円の時に決済をすると差金決済が行われ、投資家にとっては2,000円のプラスとなります。
FXも外貨の現物をやり取りするわけではなく、外貨レートを参照原資産とする通貨ペアを売買するため、CFDの一種といえます。
それでは、このCFDについて、FXとの違いを交えつつ投資対象や取引時間などについての基礎知識を解説していきましょう。
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投資対象
CFDはさまざまな証券会社が取り扱っており、世界中のあらゆる金融資産や指数などが投資対象となっています。それに対してFXが投資対象としているのは、世界各国の通貨です。この点は、FXとCFDの大きな違いです。
CFDの投資対象としてよくあるのは、日本を含む世界各国の株価指数や金、原油、小麦といった商品やその先物、外国株などです。
取引時間
FXは平日のほぼ24時間取引が可能であることが特徴のひとつです。これに対して、FXと同じ仕組みをもつCFDはどうなのでしょうか。
ある証券会社がCFDのことを「投資のコンビニ」と表現しているように、CFDも平日のほぼ24時間いつでも取引が可能です。
例えば、株価指数であれば証券取引所の取引時間しか価格が動くことはありませんが、CFDであれば証券会社が提供している取引時間であればいつでも価格が動いており、取引も可能です。
CFDの取引サービスを提供している証券会社のほとんどが平日の24時間取引を実現しているので、FXと同様に「CFDはほぼ24時間取引可能」と認識して問題ありません。
レバレッジ
現物の取引ではないので、CFDにはFXと同様に「レバレッジ」の概念があります。
ただし国内のFX会社すべてが最大レバレッジを25倍としているのに対して、CFDは投資対象によって最大レバレッジが異なります。
例えばある証券会社では株価指数CFDの最大レバレッジが10倍、商品CFDの最大レバレッジが20倍といった具合です。
証券会社によっても最大レバレッジは異なるので、FXのようにどの業者を利用しても同じではないところに注意してください。
売買と決済の方法
FXでは新規エントリーをしてポジションを建て、それを反対売買によって決済して1つの取引を終了します。
CFDもこれと全く同じ仕組みになっており、FXと同様に買いだけでなく売りからも同条件でエントリーが可能です。
そして保有しているポジションを反対売買によって決済して、1つの取引が終わります。
反対売買による決済は利益確定もしくは損切りのために行われるため、この考え方もFXと全く同じです。
スワップポイント
FXにはスワップポイントの仕組みがあります。
スワップポイントとは
- 通貨ペアを組んでいる2つの通貨間で金利に差がある場合、その金利差を調整するためのものです。
金利が低い通貨を売って高金利通貨を買うポジションを保有すると日々のスワップポイントを受け取ることができるのは、FX特有のメリットです。
CFDにスワップポイントの概念はありませんが、参照原資産の種類によっては配当を受け取れるものがあります。
例えば日経平均株価のCFDの買いポジションに対して配当金を受け取れる証券会社もあるので、この点についてはCFDの種類によってさまざまです。
ただし、株価指数CFDの場合は配当が出る銘柄であっても買いポジションのみで、FXのように売りポジションでスワップポイントを受け取れる場合があるといったことはありません。
必要資金
CFDとFXには、レバレッジの概念があります。
FXの最大レバレッジは25倍で、CFDでは投資対象によって異なるものの5倍から20倍程度のレバレッジをきかせることができます。
必要な証拠金は最大レバレッジ倍率によって異なるため、FXとCFDの主な必要資金を一覧にすると、以下のようになります。
なお、FXの必要資金は1,000通貨取引の場合、CFDの最大レバレッジはGMOクリック証券の条件を引用しています。FX、CFDともに2023年4月20日時点のレートを各種レートを参照し、概算として必要資金を算出しています。
(FX)米ドル/円 | 25倍 |
5,000円程度 |
---|---|---|
(FX)豪ドル/円 | 25倍 |
3,600円程度 |
(FX)ユーロ/ドル | 25倍 |
6,000円程度 |
(CFD)日経平均株価 | 10倍 |
28,000円程度 |
(CFD)WTI原油 | 20倍 |
5,000円程度 |
(CFD)金(ゴールド) | 20倍 |
1万3,000円程度 |
レバレッジをきかせることにより、FX、CFDどちらも少額から取引ができることがわかります。
税金
FXとCFDは仕組みが同じ金融商品なので、税金の取り扱いも共通しています。
FXの場合は取引による差益とスワップポイントの合計、CFDの場合は差益と配当収入などの合計が「先物取引にかかる雑所得等の金額」と見なされます。
申告分離課税に分類されるため所得税のように税率の累進性はなく、課税対象となる場合は一律で20.315%の税率です。
給与年収が2,000万円以下の人、つまり標準的な年収クラスの人がFXやCFDで利益を得た場合、それが年間20万円を超えると課税対象になります。
トレードスタイル
FXにはスキャルピングやデイトレードといった短期売買をはじめ、ポジション保有期間が長くなるスイングトレードなどさまざまなトレードスタイルがありますが、これはCFDも同じです。
証券会社が禁止していなければ、スキャルピング(超短期取引)によって小刻みに利益を積み重ねるといったトレードも有効です。
ただしFXの場合はスワップポイントの蓄積を狙うポジショントレードも有効な手法のひとつですが、CFDでは毎日スワップポイントが付与されるといったことがないため、ポジショントレードについてはFX特有のものといえるでしょう。
CFDをやるならどの銘柄がおすすめ?
世界中のあらゆるものを投資対象とすることができるのが、CFDの大きな特徴です。それでは実際にどんな銘柄があって、どの銘柄に投資するのがおすすめなのでしょうか。
CFDの中でも多くの証券会社で取り扱いのある人気ジャンルとして株価指数CFDとコモディティ(商品)のCFDから、有望なものをピックアップして解説します。
日経平均CFD(日経225)
日経平均CFDは、東京証券取引所の日経平均株価を参照原資産としています。
証券会社によって「日本225」「日経225」など名称は微妙に異なりますが、これらはいずれも日経平均株価と連動しています。
日本経済の動向を反映しやすい株価指数が参照原資産なので、日本人投資家からのなじみも深い銘柄です。
米国ナスダック100
米国ニューヨークのナスダック市場の株価指数であるナスダック100を参照原資産としています。
CFDの銘柄名は「米国NQ100」となっている場合が多いですが、ナスダック市場にはハイテク企業が多く上場しているため、それにちなんで「米国テク株100」という銘柄名にしている証券会社もあります。
GAFAMをはじめとする米国の優良IT企業が多く上場しているため成長力が高く、ナスダック市場全体の成長力に期待する投資に有効な銘柄といえます。
米国NYダウ30
米国ニューヨーク市場を代表する株価指数であるダウ平均株価を参照原資産としています。銘柄名は「米国30」「ウォール街」などが用いられています。
米国の株式市場だけでなく米国経済の動向を反映する株価指数として日本でも頻繁に報道されているため、米国の株価指数に投資する場合には選択しやすいでしょう。
WTI原油
WTI原油先物とは、米国ニューヨークのマーカンタイル取引所で取引されている西テキサス地方の中質原油の先物価格です。
世界各地にある原油価格のひとつですが、取引量と市場参加者の多さゆえに世界的な原油価格の指標として用いられています。
CFDではこのWTI原油先物を参照原資産とする銘柄が取引されており、ほとんどの証券会社での銘柄名は「WTI原油」です。
金スポット
金(ゴールド)の価格を参照原資産とするCFDです。
一般的に金は株価と逆相関の関係にあるといわれており、景気後退などによって株価が下落すると金価格が上昇します。
また、戦争など地政学リスクが高まったり、大手金融機関の破綻などが起きて先行きの不安が高まると安全資産である金に投資マネーが流れやすくなるため、金スポットのCFDの価格も上昇します。
CFDやFXを始めるのにおすすめの会社
FXとCFDはとても似ている部分が多いため、この両方を取り扱っている証券会社があります。ここではその中からおすすめの4社をピックアップして、FXとCFDのサービス概要や特徴を紹介します。
GMO外貨
社名に「外貨」とあることからFX専業の会社であるようなイメージを与えがちですが、2023年4月からCFDの取引サービスが始まり注目を集めています。
CFDでは日本や米国の主要な株価指数に加えて金と銀のスポット、天然ガス、原油など商品のCFDもラインナップされています。
FXの取り扱い通貨ペア数は24種類で、1,000通貨からの取引が可能です。
GMOクリック証券
国内の証券会社ではCFDにかなり力を入れている証券会社です。FXとCFD以外にも多彩な投資商品を取り扱っており、スケールメリットがあることも特徴のひとつ。
FXの取扱通貨ペア数は20種類で業界内の標準的な水準ですが、スワップポイントやスプレッドといったスペックは業界最高水準となる通貨ペアが多く、取引条件の魅力が目を引きます。
CFDについては力を入れている証券会社らしく、日米だけでなく世界各国の株価指数やETF(上場投資信託)やREIT(不動産投資信託)、原油や貴金属、資源に加えて大豆やコーンといった食糧の商品CFDもラインナップされています。
さらにユニークなのは、別名「恐怖指数」とも呼ばれるVIX指数と連動する珍しいCFDもあります。
GMOクリック証券でCFDがしたい人は下記の記事も参考にしてみてください。
楽天証券
ネット証券大手であり、「楽天経済圏」の一角として高い知名度を誇る楽天証券。FXやCFD以外にも、実に多彩な取り扱い商品があります。FX、CFDともに取引に応じて「楽天経済圏」で使用できるポイントが貯まるのも強みです。
FXの取扱通貨ペア数は28種類と業界内でも多い部類に入り、大手ITグループの証券会社だけあって取引ツールの使い勝手や完成度にも定評があります。
CFDの取り扱い銘柄は豊富で、日米だけでなく主要国の株価指数、商品CFDではコーヒーや粗糖、ココアなどの取り扱いも。
また、FXとCFDの両方に共通してMt4(Meta Trader 4)による自動売買が可能であることは、国内の証券会社では珍しい特徴です。
CFDとFXに関するよくある質問
オプション取引とCFDの違いは?
オプション取引とは、あらかじめ決められた期日に取り決めたとおりの条件で対象商品を受け渡しする「権利」を売買する取引のことです。
これに対してCFDでは現物の受け渡しをせず、あくまでも参照原資産と価格が連動するCFD銘柄を差金決済する取引です。
日経225オプションであれば、指定の期日に指定の価格で日経平均株価指数を買う、もしくは売る権利が売買されます。これに対して日経225CFDは権利ではなく指数そのもの(厳密には指数と連動するCFD)を売買します。
レバレッジをかけることができる点や売りからのエントリーも可能であることなどは、両者に共通する特徴です。しかしながら、取引時間が平日のほぼ24時間であること、オプションのように期日がなく投資家の任意で持ち続けられることなどを考慮すると、CFDのほうに利便性や優位性があるといえるでしょう。
cfdはやめとけとよく言われる理由は?
ネット上の記事や動画などには、「CFDはやめとけ」という趣旨の情報が散見されます。
「やめとけ」と述べている理由として考えられるのは、10倍や20倍といったレバレッジをきかせることができるためにハイリスク投資になりやすく、強制ロスカットもあり得ることなどでしょう。
しかしこれはFXも同様で、無謀なハイレバレッジ取引には高いリスクが付きまといます。FXと同様に資金管理の徹底や損切り注文をしっかり入れておくことで管理できるリスクなので、CFDそのものが危険であるわけではありません。
FX、CFDともに資金管理と損切りの徹底によって適切なリスク管理をすれば、レバレッジを味方につけて投資効率を高め、より多くの利益を目指すことができます。
エンジニアやWeb制作などIT系の職種を経験した後にFXと出会う。初心者として少額取引を実践しながらファンダメンタルやテクニカル分析を学び、現在は自動売買を中心に運用中。FXだけでなく日米のETFや現物株、商品などの投資に進出し、長期的な視野に立った資産運用のノウハウを伝える記事制作に取り組む。初心者向けの資産運用アドバイスにも注力し、安心の老後を迎えるために必要なマネーリテラシー向上の必要性を発信中。
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記事の編集責任者
FINANCIAL JOURNAL編集長
齋藤直人
編集者歴20年以上。主に紙媒体で編集経験を積み、趣味系雑誌4誌の編集長を歴任。
雑誌の特集記事だけでなく、企業とのタイアップ企画、地域活性化事業への参画など、コンテンツ制作力を活かして幅広いフィールドで活躍。国会議員、企業の重役、スポーツ選手、芸能人などジャンルを問わず幅広いインタビュー経験を持つ。
FXトレーダー歴も5年以上あり、好きなトレードスタイルはスイングトレード。これまでの最大勝ち幅は1500pips
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