FXのスワップポイントとは?金利差調整で毎日利益が発生する仕組みやおすすめ通貨ペアを解説
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FXで利益を出す方法は2つあり、1つは「売買の価格差」が利益になるというもの。
もう1つが「スワップポイント」です。
うまくやれば小さな利益をコツコツ積み重ねることができるため、日本では人気の運用方法です。
この記事では「スワップポイントとは何か」について初心者向けに詳しく解説します。
スワップポイントとは?
- FXでポジションを保有した状態で日をまたぐと、受け取り(もしくは支払い)が発生する金利差調整分のこと。
- うまく運用すれば、小さな利益を日々積み重ねていくことが可
この記事でわかること
FXはスワップポイント以外にも見たほうがいい項目があります。
多くの項目から自分に合ったFX口座を見つけるのは大変なので、トレーダー3,000人に独自アンケート!初心者におすすめのFX口座比較ランキングも参考にしてみてください。
目次
FXのスワップポイントとは?初心者向けに解説!
FXのスワップポイントとは、2か国の通貨の間に金利差が生じている場合に、その差額を調整する額のことです。
例えば、2023年5月時点でトルコの政策金利は8.5%で、日本では-0.1%のマイナス金利が維持されています。つまり、両国の間には金利差があります。
この金利差に相当する金額のことをスワップポイントと一般的に呼んでおり、保有するポジションによって受け取ることが可能です。
スワップポイントの受け取りと支払いの仕組み
スワップポイントは、ポジションを保有して翌営業日を迎える度に、その日数に応じた金額を受け取る、または支払うことになります。
スワップポイントの受け取り | 金利が低い国の通貨を売り、金利が高い国の通貨を買っている場合 (上の例でいえばトルコリラ/円の買い) |
---|---|
スワップポイントの支払い (マイナススワップ) |
金利が高い国の通貨を売り、金利が低い国の通貨を買っている場合 (上の例でいえばトルコリラ/円の売り) |
2023年5月現在、マイナス金利を導入しているのは日本くらいなので、基本的には日本円の絡んだ通貨ペア(米ドル/円、ユーロ/円、ポンド/円など)の買いポジションを保有しているとスワップポイントを受け取ることができます。
通貨ペアや会社毎にスワップポイントが違う理由
通貨ペア毎でのスワップポイントの違いは各国の政策金利がバラバラのためです。
また、政策金利の変更がなければ常に同じというわけではなく、付与される数値も日々変わってきます。スワップポイントの付与額は短期金利の動きがベースとなっていますが、相場の変動も影響を与えます。それにより、日々付与される額が変わってきます。
スワップポイントは会社毎に差分があるので注意
*トルコリラ/円で10万通貨を保有した場合。
FXのスワップポイントは会社毎に付与額が違います。これは、各社の方針の違いによるものです。基本的にスワップポイント運用は数ヶ月〜数年単位の長期運用になります。会社によっては最大1年間で10万円も受け取れる金額に差分があるので注意しましょう。
スワップポイントの魅力、メリットとは?
スワップポイントの魅力は、大きく分けて以下の2点です。
- 着実に利益を積み重ねることができる
- 毎日のように相場をチェックする必要がない
どちらかといえば、長い目でどっしり構えて運用したい人にとっての魅力といえるでしょう。それぞれ詳しく解説していきます。
着実に利益を積み重ねていくことができる
保有しているポジションに含み益が出ていようが、含み損が出ていようが、スワップポイントは為替相場の動きに関係なく付与されるので毎日着実に利益を積み重ねられるのがメリットです。
さらに、ポジションを数カ月~数年単位で保有することで、ある程度まとまった利益を狙うこともできます。
引用:みんなのFX-みんなのFXのスワップカレンダー表の「買」のところが、買いポジションを保有していたときにもらえる金額。「売」のところが、売りポジションを保有していたときに支払わなければならない金額です。
ちなみに2023年5月8日の受け取り額のデータは、米ドル/円(USDJPY)195円、ユーロ/円(EURJPY)150円、南アフリカランド/円(ZARJPY)14.1円、トルコリラ/円(TRYJPY)28円…といった感じ。
買いポジションを持った状態で日をまたぐと、基本的にこれを毎日受け取ることができます。
「長期的に運用した場合、最終的にどのくらいの利益になるのか」についても、「みんなのFX」ではスワップシミュレーションというツールを提供しています。
この棒グラフは「トルコリラを1万通貨保有し、1日に28円のスワップポイントがつく場合」の試算です。
仮にこの数値がずっと変わらない場合、1ヶ月で840円、1年で1万220円、5年で5万1,100円…といった利益が出る想定です。もしも35年ポジションを持ち続けた場合、35万円以上の利益となります。
もちろんこれはあくまでも試算であり、確実にこうなるというわけではありません。ただ「1年後、5年後、10年度にはどのくらいの利益になるのか」というイメージをつかむことはできるので、興味のある人はこういったツールを活用してみるといいでしょう。
毎日のように相場をチェックする必要がない
世間では「FXトレーダー」というと、パソコンのモニターを何枚も設置して、何時間もチャートを見続けてトレードを繰り返す…といったイメージが根強くあります。
しかし、そういったトレードスタイルはあくまでもFXの一部。スワップポイント狙いの長期運用であれば、一度ポジションを持った後は特にすることはありません。
相場のチェックやスワップポイントの付与額のチェックは定期的にしておいた方がいいですが、基本的には放置したまま、日々スワップポイントを積み重ねていくという運用になります。
「忙しくてFXをする時間が取れない」という人にもできるトレード手法です。
FXのスワップポイントデメリットとは?リスクや注意点を解説
日々着実に利益を積み重ねることができるスワップポイントですがデメリットも存在します。大きく分けると、以下の4点です。
- 受け取りと逆のポジションを持つと支払いになる
- 短期的に大きな利益を出すことはできない
- 相場下落による為替差損リスクがある
- 金利変動リスクがある
受け取りと逆のポジションを持つと支払いになる
冒頭でも解説しているとおり、スワップポイントは支払いになる場合もあります。金利の高い通貨と低い通貨のペアで売りポジションを持つと、日をまたぐたびに、金利差を支払わなければなりません。
例えば、米ドル/円・ユーロ/円・南アフリカランド/円・トルコリラ/円…など、日本円が絡んだ通貨ペアの売りポジションは、ほぼ支払いになると考えていいでしょう(2023年5月現在)。
スワップポイントは日をまたぐタイミングで発生するので、日をまたがずに決済するのであれば受け取りも支払いも発生しません。しかし、売りポジションを長く保有するトレードをする場合は、日々スワップポイントを支払い続けることになるので注意が必要です。
短期的に大きな利益を出すことはできない
スワップポイントとして得られるのは、あくまでも「金利差調整分」です。
上で紹介しているとおり、みんなのFXで南アフリカランド/円を1万通貨保有した場合、1日あたりのスワップポイントは、14.1円(2023年5月8日時点)。10万通貨保有しても、141円です。
これを数カ月~数年(場合によっては数十年)運用してコツコツと積み重ねていくのが基本的な戦略となるので、短期間に大きな利益を出すのには向いていません。
相場下落による為替差損のリスクがある
相場下落とは
ポジションを買い建てした価格よりも値下がりしてしまい、為替差損が発生すること
新規エントリー時から価格が下がって、含み損が生じている状態で決済すれば、当然ながらその損失は確定します。スワップポイント分の利益は得ることができますが、為替差損から逃れることはできません。
もちろん含み益が発生していたとしたら、スワップポイントの利益と為替差益の両方を得ることができますが、「差益」になるか「差損」になるかは、相場の値動き次第です。
特に新興国は、政治的にも経済的にも安定性を欠くことから、時に暴落とも呼べる値動きをすることがあります。買いポジションを保有中に暴落してしまうと、その分を含み損として抱えることになったり、耐えられるだけの証拠金がなければ強制ロスカットに追い込まれる可能性もあります。
トルコリラ円月足
スワップポイント狙いとして人気のトルコリラ円は、長期チャートを見れば分かる通り、右肩下がりの推移をしています。
トルコリラ円でスワップポイント運用をする場合は、値下がりし続けているものを買い持ちする行為であるということを、しっかりと認識する必要があります。
値下がりも想定しつつ、長期保有によってそれ以上のスワップポイントを貯めようというのが、基本戦略になります。
金利低下リスクがある
新興国通貨は高金利で、高いスワップポイントが設定されていることが魅力ですが、それが将来も継続するわけではありません。政策金利が引き下げられたり、それに伴ってスワップポイントの金額が縮小したりする可能性が十二分にあります。
<政策金利の変動>
2019年前半 | 2020年9月 | 2021年5月 | 2023年10月 | |
---|---|---|---|---|
トルコ | 24.00% | 10.25% | 19.00% | 35.00% |
メキシコ | 8.25% | 4.25% | 4.00% | 11.25% |
南アフリカ | 6.75% | 3.50% | 3.50% | 8.25% |
上記の表の通り、2020年年初からの新型コロナウイルス流行による世界的な景気の停滞期により、段階的に利下げが行われ、同年9月には大幅な利下げになりました。この利下げの影響により、スワップポイントも縮小している傾向があります。
こういった政策金利の変動により、これまで受け取りだったスワップポイントが、支払いに転じる可能性もあります。
スワップポイント狙いの運用で人気・おすすめの通貨ペアは?
スワップポイント狙いで人気なのは、やはり高金利通貨と日本円を掛け合わせた通貨ペア。具体的には、トルコリラ/円、メキシコペソ/円、南アフリカランド/円の3つです。
一般的な日本人にとってはあまり馴染みのない通貨かもしれませんが、FXトレーダーの間では高金利通貨として有名で、根強い人気があります。
スワップポイントは冒頭でも解説している通り、通貨ペアによっても、FX会社によっても異なります。
スワップポイント狙いの長期運用をするのなら、スワップポイントが少しでも多く付与される会社を選んだ方がいいでしょう。
各社のスワップポイントを比較したい人は、別の記事(FXのスワップポイントが高い会社10口座比較!リスクを踏まえた運用のコツとは?)もご覧ください。
ここでは、スワップポイント投資に向いているトルコリラ/円、メキシコペソ/円、南アフリカランド/円の現在の相場状況と運用戦略を解説します。
トルコリラ/円
2015年から右肩下がりを続け、安値を更新する流れ(下降トレンド)が継続しています。2023年7月現在、トルコリラ/円は史上最安値の5円台で推移。2013年は50円台で推移していたため、この約10年間で価格は10分の1になったという計算です。
注目すべきポイントは、トルコは2023年6月22日に開かれた政策決定会合で、政策金利を8.5%から15%まで大幅に引き上げた点です。政策金利が上がったにもかかわらず、トルコリラ/円の売りの勢いは止まることがなく、6円台から5円台まで下落しています。
ここからさらに下落する可能性もあり、買いで保有するのはリスクが高いと言えます。
一方で、5円台という価格を考慮すると、他の高金利通貨ペアよりも必要証拠金が少なくすむという見方も。為替差損を出す覚悟で購入するのも一つの戦略と考えられます。
例えば、10万通貨を購入する場合に必要な資金は約50万円です。レバレッジ2倍で購入する場合の必要証拠金は約25万円。もし資金30万円で買いポジションを10万通貨分保有した場合、単純計算で2〜3円の下落に耐えられます。
価格が反発すれば大きな値上がり益も期待できるため、博打的な要素が非常に大きくなりますが、損失覚悟で保有し、スワップポイントを得ながら値上がりするのをじっと待つというのも選択肢としてはあるかもしれません。
いずれにせよ、現在のトルコリラ/円を買いで保有するのは非常にリスクが高いということを肝に銘じ、買いで保有する場合はリスク管理をしっかりと行いましょう。
詳細を知りたい方はトルコリラのスワップポイントを比較している記事をご覧ください。
メキシコペソ/円
2020年3月のコロナショック時に約4.2円という史上最安値を記録しましたが、2020年5月以降は右肩上がりに上昇を続け、2023年7月現在は8円台で推移しています。
8円台は2014年につけた、リーマンショック後の最高値と同水準であり、現在のメキシコペソ/円は買いの勢いが強い状況です。
その理由としてはメキシコの政策金利の上昇が考えられます。2023年7月現在のメキシコの政策金利は11.25%で、1年前の2022年7月時の7.75%よりも大幅に上昇しています。
現在のメキシコペソ/円は高値圏と考えられますが、トレンドフォローという形で買い保有するのもありだと思われます。もちろん、下落した場合の損切りの逆指値を設定しておくことは重要です。
少ないlot数で試し玉をして、調整が入った時に買い増ししていくという戦略も考えられます。
詳細を知りたい方はメキシコペソのスワップポイントを比較している記事をご覧ください。
南アフリカランド/円
2020年3月のコロナショック時に史上最安値の5.7円台を記録しましたが、2023年7月現在は7円台で推移しており、コロナショック前の水準まで価格を戻しています。
2022年からの価格推移を見ると、上限は8.5円〜下限は7円のレンジで推移しています。
レンジ下限の7円まで下落したところを待って買うのが基本的なシナリオだと考えられます。現在の価格で購入するなら、少ないlot数でエントリーし、価格が下がった時に買い増ししていくという戦略も考えられます。
ただし、直近の推移を見ると、8.5円台で上ヒゲが続いているため、レンジ上限は堅そうです。
(高金利通貨ペアの全般に言えますが)注意点はインフレ率が高くなりやすく、長期的には下落しやすい傾向にあるということです。
南アフリカランド/円でスワップポイント狙いの投資をする場合も、下落した時の想定に基づいたリスク管理を行い、無理のないポジション量を保有する必要があります。
詳細を知りたい方は南アフリカランド/円のスワップポイントを比較している記事をご覧ください。
FXトレーダー3,000人調査!スワップポイント狙いのトレーダーはどれくらいいる?
このランキングはトレーダー3,000人にアンケート調査を行ったもので、その他にもさまざまな質問をしています。概要は以下に記載しているので、興味がある人はぜひ調査結果のpdfもご覧ください。
調査対象:現在FXの取引を行っている男女3,000人(男性77.4%女性22.6%・平均年齢47.05歳)
調査地域:全国
調査主体:ファイナンスジャーナル編集部
調査委託先:株式会社ディーアンドエム
調査期間:2023年5月
PDF:FXトレーダー3,000人調査結果
FXトレーダーの約18%がスワップポイント運用をしている
3,000人調査の結果、約18%のトレーダーがポジショントレード(スワップトレード運用)をしているという結果になりました。
FXのトレード手法は、ポジションの保有期間で大きく分けると「スキャルピング・デイトレード・スイングトレード・ポジショントレード(スワップトレード)」の4つに分けられます。
もっとも多いのはデイトレードの25.8%で、その次にスイングトレードの24.1%という順番でしたが、ポジショントレードも17.9%となかなかのボリューム。
数でいうと、3,000人中536人が「ポジショントレードがメイン」と回答しました。
2023年現在、日本は低金利政策を続けているため、日本円と外貨のペアで買いポジションを保有していればほぼスワップポイントを受け取ることができます。
スワップポイント運用は依然として人気があることがうかがえます。
記事の編集責任者
FINANCIAL JOURNAL編集長
齋藤直人
編集者歴20年以上。主に紙媒体で編集経験を積み、趣味系雑誌4誌の編集長を歴任。
雑誌の特集記事だけでなく、企業とのタイアップ企画、地域活性化事業への参画など、コンテンツ制作力を活かして幅広いフィールドで活躍。国会議員、企業の重役、スポーツ選手、芸能人などジャンルを問わず幅広いインタビュー経験を持つ。
FXトレーダー歴も5年以上あり、好きなトレードスタイルはスイングトレード。これまでの最大勝ち幅は1500pips
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