FXと株の違いを10項目から比較!メリット・デメリットからどっちが向いてるか診断
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投資を始めてみたいと考えている人の中には、「株とFXで迷っている」という人も多いのではないでしょうか。
どちらにもメリットデメリットがありますが、「初心者でも始められる」という点では共通しています。そのため、結論としては「ライフスタイルや好みで選ぶ」ということになるでしょう。
FXの特徴
- レバレッジという仕組みがあり、資金効率を高めることができる
- 売りからでも普通に取引できる
- 基本的に平日は24時間いつでも取引できる
FXが向いている人
- 少額取引をしたい人、1日のすき間時間で取引がしたい人
株の特徴
- 企業に投資するので選択肢が非常に多い
- 配当金や株主優待なども期待できる
- 現物株であれば、含み損を抱えても強制ロスカットはない
株が向いている人
- これから成長する企業を見出したい、応援したい人
目次
FXと株はここが違う|8つのポイントから考える
FXと株はどちらも個人投資家に人気の投資商品です。手軽に始められる点では共通していますが、FXと株にはさまざまな違いがあります。
これから投資を始めたいと考えている人に向けて、最初にFXと株の違いについて8つの項目で比較をしつつ両者の違いを解説します。
FX | 株 | |
---|---|---|
①投資対象 | 通貨 | 企業 |
②投資対象の数 | 数十種類 | 数千種類 |
③キャピタルゲイン | 買いも売りも可能 | 基本的に買いのみ |
④インカムゲイン | スワップポイント | 配当金 |
⑤取引時間 | 平日24時間 | 9:00~11:30 12:30~15:00 |
⑥必要資金 | 5,000円〜5万円 | 1万円〜10万円 |
⑦レバレッジ | 最大25倍 | 最大3.3倍 (信用取引) |
⑧値動き | 値幅小 | 値幅大 |
⑨税金 | すべて雑所得 | 譲渡所得(売買益) 配当所得(配当金) |
⓾相場変動要因 | 金融政策 経済指標 |
企業の業績 |
投資対象
FXと株とでは、投資の対象が異なります。FXは世界各国の通貨が投資対象であるのに対して、株の投資対象は企業です。
株式投資では基本的に企業が発行している現物株の取引をしますが、FXでは差金決済取引といって通貨の現物をやり取りするわけではなく、通貨ペアと呼ばれる派生的な商品を売買し、その差額で決済をします。
株の場合は希望すれば購入した株券を自分の手元で保管することもできますが、FXでは通貨の現物を取引しているわけではありません。ポジションと呼ばれる「未決済の持ち高(建玉)」を保有しているだけなので、通貨の現物を手にすることはありません。
ポジションは通貨の現物ではないため、最終的には決済をして利益もしくは損失を確定して取引を終了します。
投資対象の数
米ドル・ユーロのような世界の通貨は数十種類に対して、当然ですが株式投資は企業が投資対象のためバリエーションがFXよりも幅広いです。
投資対象の数が多いことは
- 良く捉えれば「色々な企業に投資できる楽しみがある」
- 悪く捉えれば「対象が多すぎて選びづらい」
...と、どちらとも捉えられます。
FXの場合はメジャー通貨ドル円で運用しているトレーダーがほとんどなので、そういう意味ではFXの方がシンプルです。
利益の出し方(キャピタルゲイン)
キャピタルゲインとは、新規エントリー時と決済時の価格差によって得られる利益のことです。
株であれば安い時に買った株が値上がりし、それを売れば利益確定となります。この差額は、株によって得られるキャピタルゲインです。
FXも同様に安い時にポジションを建て、高くなった時に売ればキャピタルゲインを獲得できます。ただしFXの場合は売りからも同条件でエントリーできるため、高い時に売って安くなった時に買い戻してもキャピタルゲインを獲得できます。
同様の取引は株の信用取引でも可能ですが、信用取引の場合は別のコストや条件があるため、FXのように買いと売りの両方が同条件ではありません。
利益の出し方(インカムゲイン)
インカムゲインとは、金融資産を保有しているだけで得られる収入のことです。最も分かりやすいのは、不動産の家賃収入でしょう。株とFXにも、それぞれインカムゲインがあります。
株には、配当金があります。企業は利益を出資者である株主に配当金の形で分配するため、株を保有していると定期的に配当金を受け取ることができます。
FXには、スワップポイントと呼ばれるインカムゲインがあります。金利の低い通貨を売って金利の高い通貨を買うポジションを保有すると金利差を調整するために、スワップポイントが付与されます。
日本株の場合、株の配当は年に1回もしくは2回であることがほとんどですが、FXのスワップポイントは毎日発生します。土曜日や日曜日は休日なのでスワップポイントの受け渡しはありませんが、その分を水曜日など平日に付与するため、1週間の中で3日分のスワップポイントが発生する日があります。
取引できる時間
株は証券取引所で取引するため、取引できるのは証券取引が動いている時間帯に限られます。東証の場合は9時から11時30分、12時30分から15時まで。
これに対して、FXは平日の24時間いつでも取引が可能。FXの取引対象である外国為替市場は世界中にあり、時差の関係で常にどこかの市場で取引が行われています。そのため、FXは日本からであっても24時間いつでも取引ができるのです。
取引に必要な資金の目安
現物株は多くの銘柄が100株単位で取引されているため、例えば株価が100円の銘柄であれば最低限必要な資金は1万円です。株価が1,000円の場合は、10万円となります。
対してFXには、レバレッジの概念があります。レバレッジとは少ない資金で大きな金額の運用ができる仕組みのことで、FXでは最大で25倍までのレバレッジをきかせられます。
米ドル/円のレートが140円の時に1,000通貨のポジションを建てる場合、必要な資金は14万円ですが、25倍のレバレッジをきかせると5,600円の証拠金で取引可能です。
ただしこれは証拠金であり、株のように現物を保有するための全資金ではありません。株の場合は全資金を投じているので、株価が下落してもそのまま持ち続けることができます。
一方のFXでは含み損が大きくなって証拠金が一定の水準を下回ると強制的にポジションが決済され(強制ロスカット)、損失が確定してしまう恐れがあります。
先ほどの条件で米ドル/円のポジションを保有する場合、少なくとも3万円程度の資金を用意して余裕を持たせ、不意のロスカットを防ぐべきでしょう。
そのため現実的な最低資金となると、株の場合は株価にもよりますが1万円から10万円程度。FXの場合は会社によって最小取引単位が異なりますが、1,000通貨なら3万円程度を想定しておいた方がいいでしょう。
レバレッジ
先ほど解説したように、FXでは最大25倍までのレバレッジをきかせることができます。
一方の株にも、レバレッジをきかせることができる信用取引の仕組みがあります。信用取引では最大3.3倍までのレバレッジをきかせた取引が可能ですが、買いの場合は信用金利、売りの場合は貸株料といったコストが発生します。
FXのレバレッジではコストが発生しないため、株のレバレッジはFXほど身近なものではないといえます。
値動き
一般的なイメージとして株とFXを比較すると、FXの方がハイリスクハイリターンであると感じている人は多いかもしれません。しかし、実際の値動きを見ると株の方が値動きの幅が大きい傾向があります。
例えば、ファストファッション大手のファーストリテイリング(9983)は、上場当時の株価が2,000円台でした。2022年9月には8万円台の株価を付けているので、その差は約30倍です。
FXで米ドル/円のレートが100円から3,000円になることは考えにくいので、単純に両者を比較しても株の方が大きな値動きが起きやすいことがお分かりいただけると思います。
税金
株とFXを税金面で比較すると、異なる点がいくつかあります。ここでは一覧表を用いて解説します。
株 | FX | |
---|---|---|
所得区分 | 売買益は譲渡所得 配当は配当所得 |
すべて雑所得 |
課税方法 | 売買益は申告分離課税 配当は源泉分離課税 |
すべて申告分離課税 |
税率 | 20.315% | 20.315% |
確定申告について | 売買益は確定申告によって納税 配当は源泉徴収で天引き |
確定申告によって納税 |
相場変動要因
金融政策に関しては、FXと株ともに相場への影響は大きいですが、企業の業績などは株式投資特有の指標です。
FXの場合、ドル円で運用するトレーダーが多いため、米国が発表する経済指標には多くのトレーダーが注目を集めるのが特徴です。
FX・株のメリット/デメリットを比較
株のメリット
株とFXの違いを比較するのにあたって、まずは株のメリットとデメリットについて解説したいと思います。まずメリットについては、主に以下の3点が考えられます。
①銘柄数が豊富で選択肢が多い
東証には2022年9月時点で約3,800の上場銘柄があります。FXの投資対象である通貨と比べると圧倒的に種類が多く、株にはとても広い投資の選択肢があります。
②株主優待がある
上場銘柄のすべてではありませんが、株主優待といって株主に特典を設けている銘柄があります。株主優待を実施している銘柄の株を保有していると、自社製品の詰め合わせやサービスの優待利用券、さらには金券類などがもらえます。
株主優待は日本独自のユニークな制度で、桐谷広人さんという株主優待で獲得した商品やサービスで生活をしていることで知られる有名な投資家もいます。
③現物株の場合、ロスカットがない
現物株に投資している場合、レバレッジをきかせていないため、どれだけ株価が下がっても証券会社によって強制的にロスカットされることはありません。
いわゆる「塩漬け」をして、持ち続けて株価の回復を待つ選択肢が残されているのは、現物株ならではのメリットです。
株のデメリット
株はFXにはない魅力がありますが、一方でもちろんデメリットもあります。具体的には、以下の3点が考えられます。
①選択肢が多すぎて投資対象を見つけにくい
銘柄数がとても多いことを株のメリットとして挙げましたが、逆に多すぎて絞り切れないと感じる投資家も多く、人によっては選択肢が多すぎることがデメリットになります。
株式投資に慣れている投資家であっても、自分の知識や経験だけで投資するべき銘柄を絞り込むのは難しく、専用のスクリーニングツールなどを利用しています。
②FXと比べると必要資金が多い
先ほど解説したように、FXと比べると株は投資に必要な資金が大きくなりがちです。少額から始めたい人にとっては資金的なハードルが高くなりますし、損失を出した時のダメージがFXよりも大きくなる可能性があります。
③最悪の場合「紙切れ」になるリスクがある
万が一、保有している銘柄の企業が倒産してしまうと、株券は紙切れ同然の価値になってしまいます。FXではあまり意識されないリスクですが、「最悪の場合は保有資産が無価値になるリスク」がゼロではないことは、株特有のデメリットです。
FXのメリット
株に続いて、FXのメリットとデメリットについても解説しましょう。FXのメリットは以下の3点が考えられます。
①レバレッジをきかせて少額から取引ができる
レバレッジをきかせられるのは、FXの大きな特徴です。最大25倍まで投資効率を高められるので、例えば米ドル/円で1,000通貨分のポジションを建てるのに最低限必要な資金は5,600円(1ドル140円の場合)。
最小取引単位が1通貨の会社もあり、その場合は小銭程度の資金で取引できます。
お小遣い程度の少額から始めることができるのは、特に初心者にとって大きなメリットといえるでしょう。
②取引できる時間が長い
FXは平日のほぼ24時間いつでも取引が可能。取引できる時間が長いので、例えば「寝る前のちょっとした時間に取引する」といったことも可能です。
③買いと売りが同条件
買いからのエントリーと売りからのエントリーが同条件なので、相場が下落局面であってもエントリーしやすいのもFXの特徴です。上昇局面だけでなく、下落局面でも利益を出せる可能性が高くなります。
FXのデメリット
ここまでの解説では「株では〇〇ができないけれど、FXなら可能」といった内容が多かったため、FXの方が総合的に優れているようなイメージを持った人もいるかもしれません。
しかし、当然ながらFXにもデメリットはあります。以下の要素を把握して、自分にはどちらが向いているのかを考えましょう。
①レバレッジを高くしすぎるとハイリスクになる
レバレッジをきかせられることはFXのメリットですが、その一方でレバレッジを高くしすぎると資金的な余裕が少なくなり、強制ロスカットになるリスクを高めてしまいます。
つまり、資金効率を高められる一方、資金を減らすスピードも上げてしまう可能性があるということです。
②最悪の場合、証拠金以上の損失が発生することも
FXの強制ロスカットという仕組みは、ほとんどの場合「証拠金が手元に残る状態」で決済されます。つまり、入金した証拠金以上の損失を被ることはほとんどないのですが「絶対にない」わけではありません。
強制ロスカットが間に合わないほど相場が急変動した場合は、証拠金以上の損失が発生する可能性があります。非常にまれなケースとはいえ、こういったリスクを含んでいることは知っておく必要があるでしょう。
FXと株の始め方
株とFXにはさまざまな違いがあることはすでに解説したとおりですが、投資を始める方法に関してはほぼ同じです。
株とFX、それぞれの取引サービスを提供している会社に口座開設を申し込み、開設された口座に入金をすれば取引が可能になります。
ちなみに、FXの口座開設に関する解説は以下の記事で詳しく解説しているので、気になる人はそちらもご覧ください。
FXの口座開設は簡単?審査時に必要な書類と初心者が知るべき注意点FXと株の違いについてよくある質問
FXと株、初心者に向いているのはどっちですか?
どちらも初心者でも始めることができるので、この記事で解説したメリットデメリットから判断してみるといいでしょう。株のバーチャル取引アプリや、FXのデモトレードであれば資金を使わずに疑似体験できるので、まずはそこから始めてみることをおすすめします。
FXと株の違いはどこですか?
FXは売りからでも取引できる・24時間取引できる・株よりも少額で取引できる…といったメリットがありますが、株には投資対象が多いことや、現物であることのメリットがあります。
どちらにも一長一短があるため、自分のライフスタイルや投資スタイルに合ったものを選ぶことが大切です。
FXと株を始めるための具体的な手続きは?
これに関しては、どちらもさほど違いはありません。サービスを取り扱っている会社で口座を開設し、入金することで取引が可能になります。口座開設のために必要な手続きも大きな違いはなく、本人確認書類やマイナンバー確認書類の提出が必要になります。
この記事のまとめ
- 株は企業に投資し、基本的には現物の取引。FXよりも値動きの幅は大きい
- FXは通貨に投資するが現物の取引ではなく、レバレッジを効かせた取引が可能
- 取引時間の長さや少額取引の面ではFXにメリットがある
- 投資先の選択肢の多さや株主優待の面では株にメリットがある
- どちらも一長一短なので、投資スタイルに合ったものを選ぶことが大切
エンジニアやWeb制作などIT系の職種を経験した後にFXと出会う。初心者として少額取引を実践しながらファンダメンタルやテクニカル分析を学び、現在は自動売買を中心に運用中。FXだけでなく日米のETFや現物株、商品などの投資に進出し、長期的な視野に立った資産運用のノウハウを伝える記事制作に取り組む。初心者向けの資産運用アドバイスにも注力し、安心の老後を迎えるために必要なマネーリテラシー向上の必要性を発信中。
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記事の編集責任者
FINANCIAL JOURNAL編集長
齋藤直人
編集者歴20年以上。主に紙媒体で編集経験を積み、趣味系雑誌4誌の編集長を歴任。
雑誌の特集記事だけでなく、企業とのタイアップ企画、地域活性化事業への参画など、コンテンツ制作力を活かして幅広いフィールドで活躍。国会議員、企業の重役、スポーツ選手、芸能人などジャンルを問わず幅広いインタビュー経験を持つ。
FXトレーダー歴も5年以上あり、好きなトレードスタイルはスイングトレード。これまでの最大勝ち幅は1500pips
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