株で失敗してしまう初心者の特徴とは?編集部員の実体験をもとに原因・対策を解説

株失敗のアイキャッチ

※本記事は、提携する企業のPR情報が含まれます。 掲載するサービス及び掲載位置に広告収益が影響を与える可能性はありますが、サービスの評価や内容等は当サイトが独自に記載しています。

株式投資に踏み出すためにぜひ知っておきたいのが「失敗談」です。

どんな失敗があるのか、どうしたら避けられるのか

投資を始めるうえで、これらを知ることは非常に有意義です。この記事では、株の初心者にありがちな失敗例を、編集部スタッフの例も交えて具体的に紹介します。

失敗から導き出された対策とは?

  • 利益は少しずつ増やしていく
  • 投資に慣れるまでは少額投資
  • 大切なお金を使って取引しない
  • SNSや他のトレーダーなどの情報を鵜呑みにしない
  • 株式投資の知識や経験を身につける

目次

編集部スタッフの実体験!株で実際にあった失敗例

株式投資は全員がいつも利益を出せるわけではなく、損失はつきものです。この項目では、株式投資歴10年の筆者が体験した失敗例を紹介していきます。

投資ライター北原が経験した3つの失敗

  1. 自分を過信して信用取引をし、予想に反して大きな損失
  2. YouTuberが購入している銘柄を購入したら下落して損失
  3. 話題の株を楽観的な見通しで購入したら値下がり

株式投資ではどのような失敗があるのかを確認しつつ、失敗を未然に防ぐ方法を探していきましょう。

著者:北原拓実(投資ライター)

大学卒業後、業界新聞社2社を経てFX専門誌「FX攻略.com」編集部へ。同誌休刊後にフリーライターへと転身し、現在はFX系雑誌『外国為替』を中心に投資関連の記事を執筆中

失敗談その1:自分を過信して信用取引をし、予想に反して大きな損失

北原さんのイラスト

投資ライター:北原

株式投資を始めた直後は余剰資金で取引していて、ある程度の利益を出していました。トータルだと、100万円くらいのプラスだったと思います。

それで「自分は株式投資でもっと勝てる」と自分の運用に根拠のない自信を持ち、運用にも慣れてきたため、もっと大きな資金を使えば大きな利益を出せるのではと思い、信用取引を始めました。

ある大手企業の株式を3倍のレバレッジをかけて購入しましたが、実は買ったところが高値でした。いわゆる「高値掴み」をしてしまい、想定とは逆に株価は下落を続けました。

株価が下落するチャート

最初のうちは「また戻るだろう」と気楽に構えていましたが、株価が下がっていくにつれて「このまま戻らないのではないか」「早く損切りした方がいいかも」と不安感がどんどん出てきて、我慢できずに損切りをしました。

損切りをした瞬間は「大きな金額でやらなければ良かった」と後悔したと同時に、「これで含み損を見なくてすむ」と少し安堵感もあったことも覚えています。

北原さんのイラスト

投資ライター:北原

結果的に大きな損失を出してしまいましたが、投資は身の丈にあった金額でやるのが大切だということを知れたので、高い勉強代だったと思います。

信用取引とは?

証券会社に保証金を預けることで、保証金の約3.3倍までの金額を取引できるようにする方法。信用取引をするためには専用の信用取引口座を開設する必要があり、証券会社による審査も行われる

失敗の原因

株式投資を含む全ての投資における大前提は、「必ず利益を出せるわけではない」ということです。

初心者でも利益を出せる時があれば、プロでも損失を出す時はあります。

勝ち続けると「自分は投資の天才だ」と錯覚し、慢心してしまうこともあると思いますが、根拠ない自信で投資を続けると、いつか負けるタイミングが来て大きな痛手を被ってしまいます。

特に、信用取引だと資金の最大で3.3倍までの投資が可能です。例えば、投資資金が100万円なら330万円分の投資ができるということです。

大きなお金を動かせるため少額でも大きな利益を期待できますが、その分、損失も大きくなってしまうことを忘れてはいけません。

投資はあくまでも余剰資金かつ、謙虚に運用していくことが重要です。

失敗談その2:YouTuberが購入している銘柄を購入したら下落して損失

北原さんのイラスト

投資ライター:北原

私は投資の勉強をするために投資系YouTuberの動画や配信を見ています。

投資系YouTuberの中には自身のポートフォリオを公開している人もいて、私がよく見ているYouTuberもポートフォリオを公開しています。

その銘柄を購入すれば私も利益を出せるのではないかと思い、ある会社の株をろくに調べもせず、深く考えずに購入しました。

しかし、購入後から株価はどんどん下がっていき、現在はどうすることもできずに塩漬けにして上がるのを待っている状況です。

全く上がる気配がなく、YouTuberを信用して買うんじゃなかったと後悔している最中です。

失敗の原因

昨今は投資系YouTuberやインフルエンサーなど、SNS上で投資についての情報発信を行う人が増えています。

しかし、SNS上で情報発信をしている人が全て正しいことを言っているわけではありません

間違っている情報を流している人もいますし、自分が保有している銘柄を他人に買わせ、株価が上昇したら売ろうと考えている人もいます(風説の流布に該当する可能性あり)

「有名な人が言っていたから」とか「SNSで話題になっていたから」といった、人の意見だけで投資をするのは止めた方が無難です。

もし、SNSで見た銘柄が気になるのであれば、企業分析やチャート分析をしっかりと行うことが大切。「これは上がりそうだ」と自分自身で判断して、初めて購入を検討するのが良いと思います。

失敗談その3:話題の株を楽観的な見通しで購入したら値下がり

北原さんのイラスト

投資ライター:北原

バイオ関連銘柄がまだ話題だった2015年くらいに、あるバイオベンチャーの株を購入しました。

チャートを見ても比較的割安感があり、「もし新薬の開発があったら今よりも大きく上昇するだろう」と考え、業績はあまり良さそうとは思わなかった銘柄でしたが、投資しました。

しかし、思惑とは反対に、投資直後から株価はみるみる下落していきました。「すぐに戻るだろうし、新薬のニュースがあれば上がる」と塩漬けにしました。

しかし、いざ新薬についてのニュースが出ても株価は上がらず下落の一途…。

それから3年が経過し、購入時の株価から300円くらい下がりました。上昇する気配はなく、アベノミクスで他の株価も上がっているということもあり、他の銘柄に投資をしようと損切りを決意しました。

バイオ関連株の株価チャート

2024年1月現在、その銘柄の株価は、私が購入した2015年から600円くらい下落しています。損切りして良かったと思うと同時に、話題性や楽観的要素で購入してはいけないと思いました。

現在は反省し、バイオ関連には手を出していません。

失敗の原因

失敗の要因は銘柄のリスクを考えずに「楽観的な考え」で投資したこと。このようなやり方には大きなリスクがあります。

特に、バイオ銘柄は新薬などの開発成功といった要因で株価が大きく上昇する可能性もあります。その一方で、研究の失敗や不認可などのマイナス要因で大きく下落することもあります。

また、バイオ関連はベンチャー企業も多く、倒産の可能性もあり、大手企業でも研究費の増大によって決算が悪化するケースもあります。

大化けする可能性もあれば、大負けする可能性もあるハイリスクハイリターンな銘柄です。

そんな銘柄を「これから上がるだろう」というリスクを無視した楽観的な考えで購入するのはギャンブル的な投資であり、遅かれ早かれ手痛い失敗をしてしまうでしょう。

株で失敗する原因は大きく分けると3つ

失敗パターンの見出し画像

株式投資で失敗する原因はさまざまですが、失敗にはいくつかの典型的なパターンがあります。

ここでは株式投資初心者にありがちな、株式投資の失敗に繋がるパターンを3つ紹介していきます。

①自分の想定に固執しすぎて、想定とは逆に動いた時の想定をしていない

投資において、当初の想定と大きく外れてしまうことはありがちです。

例えば、直近安値まで下がったから上昇していくだろうと考えて買ったものの、反転せずにそのまま下落していくことはよくあります。

そのため、予想と反対に動いた場合を想定しておくことが重要です。

上記の場合だと、「反転せずに〇〇円まで下がったら損切りをする」、「長期スパンで考えたら上昇する可能性が高いので下がっても保有を続ける」などのシナリオが考えられます。

反対に動いたときの想定をしていないと…

単純に「直近安値まで下がったから上昇していくだろう」とだけ考えて投資をしてしまうと、そのまま下落していった場合に狼狽してしまい、何の考えもなく、「そのうち戻るだろう」と塩漬けにして何年も放置する場合や、あわてて損切りしたら直後に反転して後悔したというケースはありがちです。

相場の動きを完璧に予測することは誰にもできません。だからこそ、自分の想定とは反対に動いた時にどのように行動するのかを想定しておくことが大切です。

②アナリストやSNSなどの情報を鵜呑みにしてしまう

アナリストやSNSの情報通りに投資してしまうのも失敗するパターンです。

相場の未来は誰にも分かりません。何十年も株式投資をしている投資家や、何十年も相場を見続けているアナリストでも明日の相場がどう動くかを完璧に予想するのは不可能です。

そもそも、情報自体が間違っている場合や、悪意を持って情報を発信している可能性もあります。

情報の鵜呑みにメリットなし!

言わずもがな、投資はすべて自己責任です。他人の情報を鵜呑みにして取引してしまうと、言っていることと全く違った結果になった時に、激しく後悔することになるかもしれません。

また他人の情報だけを取引の材料にしていると、自分で分析することがないため、投資スキルや知識が身につきません。

他人の情報はあくまでも参考程度、判断材料の一つ程度として、どのように投資をしていくのかは自分自身で情報を取捨選択し、分析しながら決めていくことが重要です。

③信用取引をして元本以上に損をしてしまう

株式投資をするからには「早く儲けたい」と考え、資金以上の取引ができる信用取引で行う人もいるかと思います。これも失敗しやすい要因の一つです。

繰り返しますが、投資は必ず勝てるわけではありません。特に投資初心者の場合は経験や知識が少ないため、失敗しやすい状況です。

儲けたいという気持ちはわかるけれど…

儲けたいという欲望から許容以上の資金で投資を始めてしまうと、負けた時の損失やメンタル面へのダメージが大きくなりすぎてしまい、株式投資を続けられなくなってしまう可能性があります。

投資は「最悪の場合、失っても構わない」という余剰資金で行うのが基本です。

そうでないと負けたときに生活に支障が出てしまいますし、メンタル面へのダメージも計り知れません。

大きな金額でギャンブル的な取引をするよりも、小さい金額でコツコツと利益を積み重ねていく。安定して資金を増やしたいのであれば、この姿勢を心がけることが大切です。

株で失敗してしまう「初心者あるある」7選

株式投資で失敗する人にはある程度の共通した特徴があり、その特徴を知っておけば失敗を回避しやすくなります。

ここでは、失敗しやすい人の特徴を紹介していきます。

こういう傾向がある人は注意!

  1. 損切りができず、塩漬けにしてしまう
  2. 株価の底値や天井値を意識しすぎる
  3. 話題の株に高値で飛びつく
  4. 情報に振り回される
  5. 安い株を無条件に買ってしまう
  6. 損失を取り戻そうと熱くなる
  7. すぐに儲けようと許容以上の資金で取引する

1.損切りができず、塩漬けにしてしまう

株価が下落し塩漬け状態になる画像

投資先の株価が必ず上昇するわけではなく、買った直後に下落して含み損を抱えることはよくあります。

ありがちなのが、株価が購入時よりも下落して含み損となったときに「いつか戻るだろう」と保有し続ける、いわゆる「塩漬け株」にすることです。

確かに、下落していた株価が戻る場合もありますが、絶対に戻る保証はどこにもありません。戻るとしてもいつ戻るかも分からず、場合によっては5年や10年、さらにはもっと長い年月が必要になる可能性もあります。

塩漬けにしている間は、その株式を購入した資金を動かすことができないため資金効率が下がり、もっと良い株式を買えるチャンスを逃してしまうかもしれません。

損切りの判断は経験者でも難しいですが、損失を出すのを嫌がって損切りを決断できない人は「株で失敗しやすい人」だと考えられます。

2.株価の底値や天井値を意識しすぎる

底値と天井値のチャート

株式投資の基本は「安い時に買って、高い時に売る」です。しかし、この基本に囚われすぎてしまうと失敗してしまいます。

将来的な株価の動きは誰にも分かりません。今の株価が底なのか、天井なのかは誰にも分からないということです。

そのため、底値だと思って買ったらそのまま下落して含み損を抱えてしまった、天井だと思って様子見していたら上昇を続けてしまい買っておけば良かったと後悔したというケースはありがちです。

底値や天井値を狙う取引のリスク

底値や天井値を狙う姿勢も大切ですが、底値や天井値を狙う取引はいわゆる逆張りになるのでリスクもあります。

「そろそろ底値(天井値)だろう」と考えて買ったら(売ったら)、下落(上昇)を続けてしまう場合はよくあります。

反対に「まだ底値(天井値)ではないかもしれないから底値(天井値)に達するまで待とう」と考えてしまうと、全然底値(天井値)に達せずに取引のチャンスを失うことにも繋がります。

「絶対に底値(天井値)で取引したい」と考えるのではなく、「今がだいたい底値圏だろう」、「今がだいたい高値圏だろう」と考えることが大切。あくまでも取引の際の目安の一つとしておく方がいいでしょう。

3.話題の株に高値で飛びつく

国内株式ニュースの画像

新商品の発表、旬の話題に関連する事業を行っている企業、M&A、業績上振れなどで話題となり、株価が大きく上昇する企業もあります。

しかし、それに飛び乗ってしまうと、痛い目を見る可能性もあります。

「話題になっている」ことの意味

そもそも、話題になっているということは他の投資家も知っているということです。

つまり、他の投資家はすでに買っていて、株価が上がったところで利益確定で売ってしまい、株価が下落していくというケースもあります。

昨今はYouTubeやSNSでさまざまな人が情報発信をしており、拡散する時間も非常に早くなっている時代です。最先端だと思っていた情報は、実はもう周回遅れだったという場合もありえます。

大きな話題になっていてもむやみに飛びつくのではなく、まずは落ち着いて分析から始める方が良いと思います。

4.情報に振り回される

スマホやパソコンのイラスト

今は投資における情報があふれている時代です。

書店には投資関連の本が並び、証券会社の公式ホームページではアナリストのレポートを読め、個人トレーダーがブログやSNSで情報発信をしており、YouTubeでは投資に関する動画を無料で視聴可能です。

初心者にありがちなのが、これらの情報に振り回されてしまうことです。例えば、「これをすれば儲かりやすい」と書かれてある本を買い漁る、有名なインフルエンサーの動画を鵜呑みするなどです。

情報を集めやすいのはメリットですが、考え方やトレード方針をコロコロと変え続けたり、「あの有名な人がお勧めした銘柄だ」と鵜呑みにしてしまうと、上手くいかない可能性が高いです。

基本的に投資は自己責任であるため、「自分で考えて自分で決める」ことが後悔しないために大切です。

5.安い株を無条件に買ってしまう

安い株価の画像

株価は千差万別です。購入金額が100万円を超える銘柄もあれば、株価が100円未満となっているため数千円で100株を買えてしまう銘柄もあります。

株価が安い銘柄を「安いから少額でも投資しやすい」「たくさん買えるからチャンスがあるかも」と考える人もいるかと思います。しかし、株価が安いのにはそれなりの理由があるものです。

株価が安くなることの意味

株価が安い理由はいろいろありますが、基本的に業績が良くない企業は株価が低調になりやすい傾向があります。

そのため、株価が下がっている株式を「安いから」「これから上がるかもしれない」と言って安易に飛びつくと、実は業績が悪化し続けている企業で、どんどん下がっていくという場合があります。

また、企業業績は安定しているものの成熟している業種の企業も株価が安くなりやすい傾向があります。これは、市場が成熟しているため、今後の成長が期待しにくいという面があるからです。

つまり、新製品の開発といった材料がない限り、将来の株価は伸びにくいということです。

ただし、株価が安い銘柄が全て悪いとは限りません。

優良であるものの何らかの事情で一時的に株価が下がっている銘柄もあれば、今は株価が低くても将来的な値上がりが期待できる「お宝」が眠っていることもあります。

株式を購入する際は、企業や業種などをよく確認、分析することが大切です。

6.損失を取り戻そうと熱くなる

株式投資において損失はつきものですが、「損失を取り戻そう」と考えすぎると、より損失が拡大してしまう可能性があります。

投資における損失は大きなストレスであり、「早く損失を取り戻したい」と思うのは当然です。

しかし、相場は必ずしも思惑通りにいくわけではありません。特に「損失を取り戻したい」と思っている時は焦っているため、冷静な判断ができずに自分にとって都合の良いシナリオを作ってしまいがちです。

投資で成功するポイントは、つねに平常心を保つこと。損失が出てカッとなってしまうタイプの人はいったん取引を止めて相場から離れ、冷静になるのを待つのがセオリーです。

7.すぐに儲けようと許容以上の資金で取引する

投資をする動機はたくさんありますが、ほとんどの人は「利益を出したい」「儲けたい」と思って始めるのではないでしょうか。

しかし絶対にしてはいけないのは「すぐに利益を出したい」「すぐに儲けたい」と考えて、許容以上のお金、または失ってはいけないお金(生活費など)を使うことです。

例えば、全財産が1000万円だとして、この1000万円全額を投資したと考えます。含み益が出ている状況なら問題ないかもしれませんが、もし含み損になった場合は冷静に投資を継続できるでしょうか。

「自分の財産がどこまで少なくなっていくのか…」、「半分になったら生活がままならなくなる」といった不安な気持ちに押しつぶされて、おそらく冷静な判断ができなくなってしまうでしょう。

もし、ローンの支払いや子どもの学費など、生活に支障が出るお金の場合、より不安が大きくなります。

「すぐに利益を出したい」という気持ちが大きすぎて、自身のリスク許容度を超えて資産運用をはじめてしまう人は、その行動が近道なように見えて実際は遠回りであることを知っておいてください。

初心者が株で失敗しないための5つの方法

ここまでは株式投資の失敗談や失敗しやすい人について解説してきました。これから株式投資を始めようと考えている人も、すでに投資を始めている人にも当てはまりそうな項目はあるのではないでしょうか。

ここからは失敗する確率をできるだけ少なくするための対策方法を解説していきます。

対策方法は、つまり失敗談の裏返しです。ぜひ株式投資の参考にしてください。

株の失敗を防ぐための対策

  1. 利益は少しずつ増やしていく
  2. 投資に慣れるまでは少額投資
  3. 大切なお金を使って取引しない
  4. SNSや他のトレーダーなどの情報を鵜呑みにしない
  5. 株式投資の知識や経験を身につける

1.利益は少しずつ増やしていく

「すぐに利益を出したい」、「倍にしたい」と考えてしまうと、無理な取引や強引な取引に走りがちになり、結果として大きな損失を出してしまいやすくなります。

基本的に株式投資は、無理なく少しずつ利益を積み重ねていくのが基本。一攫千金を目指すことは、失敗につながる原因の一つといえます。

2.投資に慣れるまでは少額投資

少額取引の画像

投資に慣れるまでは最低単元の100株や200株の少額投資をしていきましょう。少額取引だと利益は少なくなりますが、損失も小さくなるので、初心者にはお勧めです。

例えば、購入時の株価から100円下落した場合、100株取引だと1万円の損失です。これが1000株だと10万円、1万株なら100万円の損失になります。

初心者のうちは、損失のダメージが少ない少額取引で経験を積んでいきましょう。

3.大切なお金を使って取引しない

すでに触れているとおりですが、生活費やローンの返済金、家賃や学費のように「大切なお金」「いつか使う予定のあるお金」を投資に使うのは絶対に止めましょう。

そもそも投資は利益が保証されたものではありませんし、失ってはいけないお金を使うと、冷静な取引もできません。必要なお金を失ってしまった場合、人生を狂わせてしまいます。

基本的に投資は、当面使う予定のないお金(余剰資金)を使うことが大切です。

言うまでもないことですが、投資をするために借金をするのもNGです。

4.SNSや他のトレーダーなどの情報を鵜呑みにしない

これもすでに触れているとおりですが、X(旧Twitter)やYouTubeなどで発信されている「他人の情報」は無条件に信用しないようにしましょう。

内容が間違っていることもありますし、その人の予想通りに相場が絶対に動くわけでもありません。SNSの情報は参考情報の一つと考え、それを基に自分なりに分析し、利益を取れそうと思えたら始めて投資に移りましょう。

「他人の情報」を鵜呑みにしたトレードが失敗したときほど、悔しいものはありません。すべての投資は自己責任が原則であり、他人の情報で損失を出してしまっても誰も補償してくれません。すべて自分で判断し、自分で決めることが重要です。

5.株式投資の知識や経験を身につける

当たり前ですが、相場の知識を身に付けることはとても重要です。例えば、金利が低下したら株価がどのように動くのか、企業の決算状況はどう見るのかなどを知っておくと、利益を出せるチャンスも広がります。

また、知識だけでなく、実践経験を積み重ねていくことも大切です。相場の動きは複雑で、本で書かれていることと実際の相場では全く違う動きをすることもあります。

また、「このパターンが出たら上昇する」と頭では分かっていても、実際の取引では損失が怖くて購入できなかったというケースもよくあります。

知識を身につけ、そして身につけた知識を実践で試していきながら経験を積み重ねていくことが、株式投資を上達していくための王道と言えます。

株式投資は他の投資と比べてリスクや損失額が高い?

他の金融商品と比較した場合、株式投資は比較的大きなリターンを期待できますが、その分リスクも大きい商品です。

そこで、株式投資と比較されやすい金融商品と比較し、リスクがどのくらいなのかを見ていきます。

株と債券で比較

債権の商品リスト

(参考:楽天証券

株式投資と債券投資を比較した場合、債券投資の方が圧倒的にリスクが低いといえます。

債券とは、借用証書のようなものです。国や地方公共団体、会社などが資金を調達するときに発行され、投資家はお金を貸す代わりに債券を受け取ります。債券を保有している間は、利息を受け取れます。

債券投資と株式投資の大きな違いは、債券投資は原則として満期日に投資した資金が全額返還されます。

例えば、10万円分の債券を購入した場合、最終的には10万は返還されます。

一方で、株式投資は株価の下落により、購入時の金額を下回る「元本割れ」の可能性があります。

つまり、債券投資と比較した場合、債券投資の方が低リスクの金融商品です。

ただし、債券の発行体が倒産してしまった場合はお金は返ってきません。また、債券は途中で売却することも可能で、購入時よりも債券価格が低下した場合に売却した場合は元本割れになります。

また、債券投資は受け取れる利息の割合が決まっていますが、株式投資は利益の割合が決まっておらず、10倍以上になる可能性もあります。

株式投資の方が高いリターンを狙えます。

株と投資信託で比較

投資信託のリスト

(参考:楽天証券

投資信託とは、複数の投資家から集めた資金を一つにまとめ、そのお金で株式や債券などを運用し、運用で得たお金を投資家に分配する金融商品です。運用はファンドマネージャーと呼ばれる専門家が行います。

株式に投資を行うという点では個別株投資に似ている面がありますが、投資信託は一つの銘柄に投資するというわけではなく、複数の銘柄や金融商品に分散投資を行います。

投資信託によっては日本株だけでなく、米国株や中国株、東南アジアなどに分散投資を行います。

自動的に分散投資をしてくれると考えると、個別株よりも低リスクの金融商品だと思われます。

なお、投資信託は数千以上の多くの種類があり、どの銘柄が良いか悩んでしまうかもしれません。

投資信託のおすすめ商品・証券会社とは?投資初心者向けの選び方も解説」では、おすすめの投資信託をいくつか選んで紹介しています。どのような投資信託があるのかを知れるので、投資信託に興味がある人はぜひ参考にしてみてください。

株とFXで比較

FXの画像

(参考:GMOクリック証券

FXは外国為替証拠金取引で、円や米ドル、ユーロなど、ある国の通貨を別の国の通貨と交換し、差額を得る取引です。例えば、米ドル/円が100円の時に円から米ドルに替え、120円になった時に米ドルから円に替えると差額の20円が利益になります。

これが為替差益が出る基本的な仕組みですが、FXは「証拠金取引」なので、実際に通貨を保有することはありません

株式投資とFXを比較した場合、大きな違いはFXは「レバレッジをかけて取引できる」「売りから入れる」の2点があります。

レバレッジとは?

資金以上のお金をかけて取引ができる制度です。FXは最大で25倍なので、100万円だと2500万円分の取引が可能です。

株式投資だとレバレッジは信用取引のみ3.3倍までかけられます。現物取引ではレバレッジは不可能です。レバレッジをかけられる分、FXは株式投資よりも資金効率のよい投資といえます。

あわせて読みたい
FXのレバレッジとは?何倍がいい?基礎知識と低リスク運用術を紹介
FXのレバレッジとは?何倍がいい?基礎知識と低リスク運用術を紹介
レバレッジとは、実際に入金した資金よりも多くの取引ができる仕組みのことで、日本では最大25倍までの取引が可能です。 この記事では、「どうしてそんなことができる

…続きを読む

「売りから入れる」とは?

下落しそうな局面だと、買いではなく売りをすれば利益になります。つまりFXは上昇局面でも下落局面でも利益を狙えるのです。

ちなみに株式投資の場合、売りから入れるのは信用取引のみで、誰もができるトレード方法ではありません。

以上の要素を見るとFXのメリットが際立つように感じられますが、FXは基本的にレバレッジをかけて取引をするため、債券や投資信託よりもリスクは大きいです。

高すぎるレバレッジでトレードをしてしまうと、思惑とは反対の方向にわずかに進んだだけで追証になり、トレードを続けられなくなる場合もあります。

現物株式は追証になる可能性はないため、株式投資と比較しても、FXの方がリスクが大きい金融商品といえるでしょう。

なお、ここではFXをハイリスクハイリターンな商品として紹介しましたが、詳しくいうとFXは「ローリスクローリターンな投資にすることも可能」であり、リスクは投資家しだいという部分もあります。

ちなみに、FXに関する基礎知識やFX特有の失敗例については別の記事(FXにおける失敗とは?初心者の誤解と失敗パターンの例と対策を解説)で詳しく説明しています。

FXにも興味がある人は参考にしてみてください。株の失敗と共通点が多いこともわかるでしょう。

執筆者

大学卒業後、業界新聞社2社を経験。業界紙記者の過酷さ、ライティングや取材の楽しさ、そして斜陽産業の先行きの暗さを学ぶ。

その後、投資関係のコンテンツに携わって投資スキルを高めようと決意し、FXの専門誌「FX攻略.com」の編集者としてFX業界に潜り込む。

FX攻略.com』の休刊後、勤め人からフリーライターに転身。

現在はFX系の雑誌『外国為替』を中心に、投資関連の記事・執筆に従事中。

もっと見る 閉じる

記事の編集責任者

齋藤直人

FINANCIAL JOURNAL編集長

齋藤直人

編集者歴20年以上。主に紙媒体で編集経験を積み、趣味系雑誌4誌の編集長を歴任。

雑誌の特集記事だけでなく、企業とのタイアップ企画、地域活性化事業への参画など、コンテンツ制作力を活かして幅広いフィールドで活躍。国会議員、企業の重役、スポーツ選手、芸能人などジャンルを問わず幅広いインタビュー経験を持つ。

FXトレーダー歴も5年以上あり、好きなトレードスタイルはスイングトレード。これまでの最大勝ち幅は1500pips

もっと見る 閉じる

関連記事

時間アイコン 23.08.23

日本株の買い方を初心者向けに解説!コツやおすすめの銘柄も紹介

no-image

時間アイコン 23.10.27

証券会社おすすめ10社比較!株初心者が会社選びで失敗しないコツは?

no-image

時間アイコン 23.12.15

株アプリおすすめ7選|初心者からベテランまで幅広いニーズに応える高機能アプリとは?

株アプリのアイキャッチ画像

時間アイコン 23.10.27

株式投資を1000円からできる!PayPay証券アプリの使い方

paypal

時間アイコン 24.02.14

株のローソク足とは?種類と見方・チャート分析の基礎を解説

no-image

TOP