FXで通貨強弱を活かしたトレード手法とは?見る方法・分析の仕方・注意点も解説
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相場の状況を確認するためのツールに「通貨強弱」というものがあります。
通貨強弱を活かすことで、狙い目の通貨ペアはどれか、どのような予想を立てるか、そんな戦略が立てやすくなります。
この記事では、通貨強弱の基本的な使い方について総合的に解説します。
この記事でわかること
- 通貨強弱を活用すると、狙い目の通貨ペアを見つけたり、戦略を立てたりしやすい
- 通貨強弱を自社ツール内で提供しているのは、みんなのFX・LIGHT FX・FXTF・OANDA JAPANなど
- 通貨強弱は便利なツールではあるけれど、あくまでも「情報の一つ」として活用することが大切
目次
通貨強弱とはどんなツール?
通貨強弱とは名前の通り、通貨ごとの強さと弱さを表すツールです。
これは通貨強弱の画像です。グラフが上にある通貨ほど強く、グラフが下にある通貨ほど弱いと見ます。
例えば、この画像だとグラフが一番上昇している米ドルが表示されている通貨の中で1番強く、2番目にユーロ、そしてポンドの順に強いと判断します。
反対にトルコリラはグラフが大きく下落しているので表示されている通貨の中で一番弱く、次にグラフが下にある豪ドル、そして円という順番で弱いということです。
通貨強弱を見れば現在の相場において、どの通貨が強く、どの通貨が弱いのかを判断できるので、相場の流れやトレンドが発生している通貨ペアの分析が可能です。
また、新規エントリーやエグジット(決済)の判断にも使うこともでき、相場分析において非常に役立つツールです。
そもそも通貨の強さと弱さとは
強い通貨とは買われている通貨を意味し、弱い通貨は売られている通貨を示しています。
FXで取引する通貨ペアは2つの通貨から成り立っています。例えば、米ドル/円なら米ドルと円、ポンド/円ならポンドと円です。
通貨ペアの上昇や下落には、通貨の強さや弱さが大きく関わります。なぜなら、強い通貨は買われているので価値が上がり、弱い通貨は売られているので価値が下がるからです。
例えば、米ドル/円の場合、米ドルが強いと「米ドルが買われている=ドル高傾向」になるので、上昇しやすくなります。反対に、円が強いと「円が買われている=円高傾向」になるので、米ドル/円は下落しやすくなります。
一方で、通貨は弱くなることもあります。例えば、米ドル/円の場合、「米ドルが弱くなる=米ドルが売られている」ためドル安傾向になり、米ドル/円は下落します。反対に、「円が弱くなる=円が売られている」ので円安傾向となり、米ドル/円は上昇します。
つまり、通貨ごとの強弱を見ることで、買われている通貨と売られている通貨を判断できるということです。
2か国の通貨を取引するFXにおいて、通貨の強弱は非常に重要な要素です。
強い通貨と弱い通貨の考え方
強い通貨 | 買われている通貨 |
---|---|
弱い通貨 | 売られている通貨 |
通貨強弱で分かること
通貨強弱を使うことによって、主に以下の3点を分析できます。
特に、どの通貨が買われていて、どの通貨が売られているのかを分析できるので、銘柄選びの参考になります。
①どの通貨が買われていて、どの通貨が売られているのか
通貨強弱では、どの通貨が強く、どの通貨が弱いのかを分析できます。
例えば、これは2023年6月21日21時50分時点の通貨強弱ですが、トルコリラが強く、豪ドルが弱くなっています。つまり、トルコリラが買われていて、豪ドルが売られていると判断できます。
上の画像は2023年6月21日のトルコリラ/円の1時間チャートですが、21日は上昇傾向です。
強い通貨と弱い通貨で構成された通貨ペアはトレンドが発生しやすい傾向にあります。
通貨強弱を使って強い通貨と弱い通貨が分かれば、トレンドが出ていそうな通貨ペアを探すのに役立つでしょう。
②ボラティリティを分析できる
通貨強弱は基本的に通貨の過去の変動率を基にデータを算出しています。簡単なイメージとしては、一定期間に通貨が上下のどちらかに動いたかで強いか弱いかを判断しているということです。
例えば、ドルが絡む通貨ペアが全体的にドル高傾向にあるならドルが強い、円が絡む通貨ペアが全体的に円安傾向にあるなら円が弱いということです。
つまり、通貨強弱チャートの上に大きく動いている通貨ほど買われている勢いが強く、下に大きく動いている通貨ほど売られている勢いが強いため、それだけボラティリティが大きいと考えられます。
一番強い通貨と一番弱い通貨が組み合っている通貨ペアほどトレンドになりやすいと判断できます。
③時間足ごとに強弱が異なる
通貨強弱は時間足ごとに強い通貨や弱い通貨が違ってきます。
例えば、上の画像はFXTFのMT4で米ドル/円の日足チャートに通貨強弱を表示させています。通貨強弱を見ると、豪ドルやカナダドルが強く、円が弱くなっています。
一方で、こちらは同じFXTFのMT4で米ドル/円の1時間足チャートです。通貨強弱を見ると、日足とは逆に円が上昇しており、豪ドルは下落しています。
基本的に、上位足(時間の長い足)の方が長期における通貨の強さと弱さを表しています。
例えば、上位足は米ドルが強くて円が弱く、下位足では円が強くて米ドルが弱い場合、将来的には米ドルの方が強くなると判断して、米ドル/円を買い目線で見ておくような、マルチタイムフレーム分析も可能です。
通貨強弱を見る方法
ここまでは通貨強弱の基本的な事柄を解説してきました。
通貨強弱は、チャートで買われている通貨と売られている通貨を分析できるため、視覚的に分かりやすいことが理解できたはずです。
一方で、「通貨強弱を使いたいけど、どこで使えるの?」と悩む人もいるのではないでしょうか。ここからは、通貨強弱を見る方法を紹介していきます。
FX会社で提供されている通貨強弱を見る
通貨強弱を見るためには、まず「提供しているFX会社」を利用する方法があります。
例えば、みんなのFXとLIGHT FXは「通貨強弱」を提供しています。1週間や1か月などの期間の切り替えもできるので、長期で通貨の強さと弱さがどのように推移しているのかも分析できます。
また、みんなのFXとLIGHT FXでは強い通貨ペア順にランキング形式で表示している「通貨ペアランキング」に切り替えもできます。どの通貨が一番強くて、一番弱いのかが一目で分かります。
みんなのFXやLIGHT FXのスマホアプリでも表示できるため、非常に使い勝手が良いツールです。
ただし、みんなのFXとLIGHT FXが提供している「通貨強弱」を利用するにはログインする必要があり、口座開設が必須です。
一方、OANDA証券も通貨強弱を見られるツール「通貨の強弱チャート」を提供しています。こちらは口座開設をしなくても利用できます。
MT4やMT5でカスタムインジケーターを使う
ただし、デフォルトでは搭載していないため、FX会社や個人サイトなどでカスタムインジケーターをダウンロードして、MT4やMT5にインストールする必要があります。
MT4やMT5の「マーケット」からもダウンロードが可能です。例えば、「Absolute currency strength」という通貨強弱のカスタムインジケーターをダウンロードできます。
- MT4→https://www.mql5.com/ja/market/product/32746?source=External
- MT5→https://www.mql5.com/ja/market/product/32697?source=External
ただし、MT4やMT5をPCにインストールしていないとダウンロードできません。また、MQL5に登録も必要です。
MT4やMT5を提供しているFX会社の中にも、通貨強弱を表示できるオリジナルインジケーターを提供している会社があります。
OANDA証券では「OANDA Lab」から通貨強弱のインジケーターをダウンロードできます。
- MT4→https://www.oanda.jp/lab-education/oanda_lab/mt4_indicator/currencypowermt4/
- MT5→https://www.oanda.jp/lab-education/oanda_lab/mt5_indicator/currency_power/
FXTFでもMT4用の通貨強弱を表示できるオリジナルインジケーター「FXTF_Symbol_Kyojaku」を表示可能です。
FXTFが提供するMT4にデフォルトで搭載されているので、インストールする必要がなく、ナビゲーターからチャートにドラッグ&ドロップすると使えます。
Tradingviewで見る
世界中に利用者のいるチャート分析ソフト「Tradingview」でも通貨強弱を表示できます。
チャート画面の上部メニューにある「インジケーター」を選択し、検索欄に通貨強弱を表す「Currency Strength」と入力すると、いくつかの通貨強弱のインジケーターが表示されるので、クリックするとチャートに表示されます。
気に入った通貨強弱があれば、星マークをクリックしてお気に入りに追加しておくと、お気に入り欄からすぐに表示できるようになります。
また、「ヒートマップ」でも現在の通貨ペアの相対的な強さと弱さを判断できます。
「ヒートマップ」はTradingviewのホーム画面上部の「マーケット」→「FX」→「ヒートマップ」で表示可能です。
一般サイトで提供されている通貨強弱を見る
通貨強弱を提供している一般サイトもあります。
例えば、Fx-laboというサイトの「Currency Strength(https://fx-labo.app/strength/?t=today)」で通貨強弱を表示可能。
また、Currency Strength Chart(https://currency-strength.com/en/)というサイトでも通貨強弱を見ることが可能です。
これらは登録やアプリのインストールなどは必要なく無料で見られるので、気軽にチェックしたい人には便利でしょう。
相場分析への活かし方
通貨強弱はそれほどマニアックなツールではなく、さまざまな方法で見られることがわかったのではないでしょうか。
次は通貨強弱をトレードにどのように活かせば良いかを紹介していきます。
通貨ペアの相対的な需給を見る
記事冒頭で解説しているとおり、現在の為替相場はどの通貨が買われていて、どの通貨が売られているのかという環境分析に使えます。
例えば、これは2023年6月20日の22時50分時点の通貨強弱です。
これを見ると、大きく上昇しているトルコリラや円が強く、大きく下落している豪ドルやNZドルが弱いと判断できます。つまり、円クロスの通貨ペアなら豪ドル/円やNZドル/円の売り目線が有効だと判断できます。
これは2023年6月20日23時における豪ドル/円の15分足チャートですが、大きく下落しています。
このように、現在の相場における強い通貨と弱い通貨を判断できるため、買い目線が有利な通貨ペア、売り目線が有効な通貨ペアを選びやすくなるメリットがあります。
順張りの判断方法の一つとして使う
通貨強弱は「買われている通貨、売られている通貨」を判断できるため、トレンドフォローの分析にも利用できます。
例えば、米ドル/円をトレードする場合、米ドルが強く、円が弱い場合は米ドルが買われ、円が売られている相場なので、米ドル/円は上昇トレンドになりやすいと分析でき、米ドル/円の買い目線が有効になります。
反対に、米ドルが弱く、円が強い場合は米ドルが売られ、円が買われている相場と判断できるため、米ドル/円の売り目線が有効になります。
特に、強弱の差が大きい通貨で構成された通貨ペアほど、強いトレンドが出ている可能性も高くなります。
他のインジケーターと合わせると確度が高くなる
通貨強弱は現在の相場における強い通貨と弱い通貨を判断するのに役立つツールですが、実際に通貨強弱だけでトレードするのは難しいというのも事実。
なぜなら、通貨強弱は相場の大まかな流れは判断できますが、明確なエントリーポイントやエグジットポイントは示していないからです。
そのため、他のテクニカル指標と組み合わせてより確度を高めるのが望ましいでしょう。
例えば、日足の通貨強弱で強い通貨の方向に買い目線で、実際のエントリーポイントはボリンジャーバンドのバンドウォークが発生時や、RSIで売られすぎの20~30%以下になったタイミングで買いエントリーする形の方が確度が高まると思われます。
通貨強弱を自社ツール内で提供しているFX会社
ここからは、自社ツール内で通貨強弱を提供しているFX会社を紹介していきます。ここでは以下の4社について、通貨強弱以外のサービスも含めて総合的に解説します。
みんなのFX
みんなのFXの特徴
- スプレッドやスワップポイントが魅力的
- 自動売買を提供している
- Tradingviewのチャートを使える
みんなのFXはトレイダーズ証券が提供するFX取引サービス。
業界最狭水準のスプレッドや、高水準のスワップポイント、Tradingviewのチャートと切り替えも可能な高機能な取引ツールといったスペックの高さが多くのトレーダーから人気を集めています。
自動売買の運用も可能で、暗号通貨、バイナリーオプションの取引もできる点も魅力的です。
PC版通貨強弱
スマホアプリ版通貨強弱
みんなのFXの通貨強弱はPC版取引ツール、スマホアプリの両方で利用できます。グラフと国旗で強弱が表されるため視覚的に判断しやすく、使いやすい点が大きなメリット。
また、ランキング形式で通貨の強弱を表す「通貨ペアランキング」もあります。
公式サイトLIGHT FX
LIGHT FXの特徴
- スプレッドやスワップポイントが魅力的
- 裁量トレードに特化したシンプルなサービス
- 約定力が高い
LIGHT FXもトレイダーズ証券が提供するFX取引サービスですが、自動売買やバイナリーオプションなどは提供しておらず、裁量トレードに特化しているのが特徴。
みんなのFXと同じく業界最狭水準のスプレッドや、高水準のスワップポイント、高機能な取引ツールといったスペックの高さがメリットです。
約定力も高く、自社調査では99.9%の約定力を実現しています。1000通貨取引も可能で、初心者から上級者までが満足できるFX会社です。
PC版通貨強弱
スマホアプリ版通貨強弱
LIGHT FXの通貨強弱もみんなのFXと同じく、PC版取引ツール、スマホアプリの両方で表示可能。視覚的に現在の通貨の強さと弱さを判断しやすく、1年間や10年間の通貨強弱チャートの表示も可能です。
もちろん、「通貨ペアランキング」が使えるメリットもあります。
公式サイトFXTF
FXTFの特徴
- 米ドル/円のスプレッド0.1銭をはじめ、スプレッドが最狭水準
- MT4が使える
- 1000通貨取引が可能
FXTFは外資系のゴールデンウェイ・ジャパンが提供するFX取引サービスです。
特徴は「日本No.1最狭スプレッド挑戦計画」と題して、米ドル/円の0.1銭をはじめ、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円、ユーロ/米ドルで業界最狭水準のスプレッド提示を実現している点。また、MT4を使える数少ないFX会社の1社です。
FXTFの通貨強弱ツール「FXTF_Symbol_Kyojaku」はMT4で使えるFXTFオリジナルインジケーターです。FXTFのMT4にデフォルトで搭載しているため、インストールする手間がなく、すぐに使うことができます。
OANDA JAPAN
OANDA JAPANの特徴
- MT4やMT5を提供している
- 68種類以上の通貨ペアや株価指数CFD、商品CFDなどの取引が可能
- 分析ツールや情報ツールが豊富
OANDA証券は米国やカナダなどの世界各国に拠点を置くOANDA Global Corporationの日本法人。MT4やMT5を提供しており、取引できる通貨ペア数も豊富です。
最大の特徴は、情報ツールや分析ツール、教育コンテンツが豊富な点。「OANDAラボ」では通貨強弱やポジション比率など、トレードの強い味方になってくれるツールが用意されています。
OANDA証券が提供する通貨強弱はさまざまです。誰でも見られる「通貨の強弱チャート」や、MT4やMT5で表示可能な通貨強弱ツールもダウンロードできます。自身が使いやすい通貨強弱を使える点は大きな魅力です。
通貨強弱を使う上での注意点
ここからは通貨強弱を使う場合の注意点を説明していきます。
通貨強弱は便利なツールではありますが、どんなツールであれ「過信しすぎるのは危険」ということはしっかりと把握しておきましょう。
通貨強弱だけでのエントリーは危険
通貨強弱は相場全体における通貨の強さと弱さを分析できるツールですが、チャート上で具体的なエントリーポイントや利確ポイントを探すのは難しい面があります。
また、通貨強弱だけを見てエントリーしてしまうと、一時的に反対方向に動いた時にロスカットになってしまう可能性もあります。
通貨強弱で相場の流れを見つつ、移動平均線やRSIのようなトレンド系やオシレーター系のテクニカル指標でエントリーや利確のポイントを探していく方が確度が上がるので、おすすめです。
今の強弱がずっと続くわけではない
通貨強弱はあくまで過去の値動きをベースに現在の通貨の強弱を表しており、将来の強さや弱さを表しているわけではありません。
例えば、現在は米ドルが他の主要通貨の中で一番強くても、1時間後には米ドルが主要通貨の中で一番弱くなっている可能性もあります。
特に米雇用統計やCPIなどの経済指標が発表されると、結果によって関連する通貨が買われやすくなったり、売られやすくなるので、通貨強弱も大きく変動しやすくなります。
現在の強い通貨や弱い通貨がいつまでも続くわけではないことを理解しておきましょう。
通貨強弱を使えば必ず勝てるわけではない
強い通貨を買えば必ず勝てる、または弱い通貨を売れば必ず勝てるわけではありません。
今は強い通貨、弱い通貨でも、すぐに強弱が変わってしまうことは多々ありますし、一時的に大きく上昇、または下落することもあります。
通貨強弱はあくまで相場分析のツールの一つであり、聖杯(FX業界用語で必勝法のようなもの)ではありません。
初心者はついそういった「聖杯探し」をしてしまいがちですが、そもそもFXをはじめとする投資全般において、必ず勝てるツールなどはないことを理解しておきましょう。
通貨強弱を使うときに向いているトレードスタイル
通貨強弱を活用したトレード方法を、デイトレードとスイングトレードに分けてそれぞれ紹介していきます。
特に、中長期における通貨の強さと弱さを分析できる点はトレンドフォローにおいて役立ちます。
デイトレード
まずは長期における通貨の強弱を確認します(以下、画像はみんなのFXのツールより)。
このときの通貨強弱を見ると、現在はメキシコペソが一番強く、次いでポンドとユーロが強い相場です。
反対に弱い通貨はトルコリラと円です。これによって、ユーロ/円やポンド/円の買い目線が有効と考えられます。
実際のポンド/円の日足チャートですが、直近は上昇トレンドが発生しています。そこで、このトレンドに乗っていく順張りの作戦が立てられます。
上は、2023年6月22日現在における通貨強弱です。6月22日だけの通貨強弱を見ると、ポンドと円が絡み合っている箇所が多く、現在はポンドは円よりも弱くなっています。
これはポンド/円の1時間足チャートですが、2023年6月22日は一定の高値と安値で推移しているレンジ相場になっています。通貨強弱ではポンドと円の強弱はあまり差がありませんでした。
ただ、長期の通貨強弱ではポンドが強く円が弱いため「将来的にはポンドが強く、円が弱くなる可能性があるので、押し目を狙って買い目線でエントリーする」という作戦が立てられるというわけです。
ただし、現在の強い通貨、弱い通貨がずっと続くわけではないので、万が一に備えて逆指値による損切りは設定しておきましょう。
スイングトレード
長期の通貨強弱を見て、各通貨の強弱を確認し、強い通貨と弱い通貨で構成された通貨ペアの順張りが有効です(以下、画像はみんなのFXのツールより)。
上の画像は、2022年6月から2023年6月現在の過去1年間における通貨の強弱の推移です。
これを見ると、直近はメキシコペソが非常に強く、次いでポンドとユーロの欧州系通貨が強い状態です。反対に、トルコリラが2022年後半から大きく下落しており、円も直近は弱くなっています。
この通貨強弱を参考にすると、ユーロ/円やポンド/円を買い目線が有効と考えられます。
上は実際のユーロ/円の日足チャートです。通貨強弱と比較してみると、円が弱くなり、ユーロが強くなった2023年3月くらいからユーロ/円は上昇しています。
2022年12月から2023年3月にかけてのユーロ/円はレンジ相場でしたが、通貨強弱で同じ時期を確認すると、円とユーロが絡み合っています。
つまり、どちらかが明確に強い、弱いが出ていない時はレンジ相場とも判断できます。
こちらはポンド/円の日足チャートですが、ユーロ/円と同じく通貨強弱の円とポンドが離れている2023年4月から上昇トレンドになっています。
このように、通貨強弱チャートで上下に広がっている通貨同士で構成された通貨ペアはトレンドが発生している可能性があります。通貨強弱で強い通貨と弱い通貨を分析して、トレンドフォローをする方法が有効と考えられます。
明確なエントリーポイントやエグジットポイントについては、他のテクニカル指標を使って判断しましょう。
なお、現在の強い通貨、弱い通貨がずっと続くわけではありません。特に要人発言や指標発表の結果によって、買われる通貨や売られる通貨が変化しやすくなるので、逆指値による損切り設定をしておいた方が無難です。
通貨強弱についてよくある質問
通貨強弱において、よくある疑問点や質問をまとめました。参考にして、通貨強弱をトレードに活かしましょう。
通貨強弱の基本的な見方を教えてください
通貨強弱チャートが上昇している通貨は強い=買われている、反対に通貨強弱チャートが下落している通貨は弱い=売られていると判断します。
通貨強弱のメリットとは?
トレンドが発生する可能性がある通貨ペアを見つけやすくなります。
例えば、米ドルが強く、円が弱い場合だと、ドルが買われていて、円が売られているので米ドル/円は上昇トレンドが発生しやすいと考えられます。
MT4やMT5でも通貨強弱を使えますか?
使えます。ただし、デフォルトでは搭載されていないため、カスタムインジケーターをインストールする必要があります。
通貨強弱はFX会社や個人サイトからダウンロード可能です。なお、FXTFのMT4はあらかじめインストールされています。
通貨強弱は無料で使えるのでしょうか
無料で使える通貨強弱もあります。また、MT4やMT5のインジケーターを無料で配布しているFX会社や個人サイトもあります。
この記事のまとめ
- 通貨強弱は、買われている通貨・売られている通貨が視覚的にわかるツール
- 強い通貨と弱い通貨のペアを狙っていく作戦が立てられる
- 自社ツールの中で提供しているFX会社もあるし、一般サイトでも確認が可能
- 参考情報のひとつとして使うことが大切
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記事の編集責任者
FINANCIAL JOURNAL編集長
齋藤直人
編集者歴20年以上。主に紙媒体で編集経験を積み、趣味系雑誌4誌の編集長を歴任。
雑誌の特集記事だけでなく、企業とのタイアップ企画、地域活性化事業への参画など、コンテンツ制作力を活かして幅広いフィールドで活躍。国会議員、企業の重役、スポーツ選手、芸能人などジャンルを問わず幅広いインタビュー経験を持つ。
FXトレーダー歴も5年以上あり、好きなトレードスタイルはスイングトレード。これまでの最大勝ち幅は1500pips
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