FXのスキャルピングとは?取引手法や向いている人の特徴・やり方を解説

スキャルピングの手法のコツを解説

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FXでは、もっとも短期で取引をするスタイルを「スキャルピング」といいます。

スキャルピングの難易度や、取引の成功角度を上げるためにはチャートと向きあう一定の時間が必要な取引スタイルで中級者から上級者向けとなっています。

スキャルピングの特徴と向いている人

FXのスキャルピングとは?

  • スキャルピングは、新規エントリーから決済まで数分程度の超短期トレード
  • 1日に何十回もの取引を繰り返して、小さな利益を積み重ねていく手法
  • 実はチャートに向き合うための十分な時間が必要
齋藤直人

実際にスキャルピングやってみた!
FINANCE JOURNAL編集長・齋藤の感想

基本的に僕はスイングトレードが好きなのですが、狭い値幅でのレンジ相場が続きそうなときはスキャルピングをすることもあります。

ただ、スキャルピングの感想を一言で言うなら「やはり中~上級者向け!」という感じ。ついギャンブル的に熱くなってしまうトレード手法でもあるので、FXに必要なメンタルが備わっている必要があると思います。

また、ファイナンスジャーナル編集部では「FXトレーダー3,000人」にアンケート調査を実施しメインの取引スタイルを調査しました。スキャルピング結果は約16%(474/3,000人)ほどで裁量取引の中では最も低い結果でした。

メインとしている取引スタイルは何かのアンケート結果

調査結果PDF:FXトレーダー3,000人調査結果

この記事では、スキャルピングを詳しく解説するとともに「どんな人に向いているのか」「向いていないとしたら、他にはどんな取引方法があるのか」などを紹介します。 スキャルピングに興味を持っている初心者はぜひ参考にしてください。

目次

FXのスキャルピングとは?ポジション保有期間による4つの取引スタイルを解説

FXの裁量トレードの手法まとめ

FXには主に、4つの取引スタイルがあります。本記事で解説するスキャルピングを含めて、以下の4つです。

  • スキャルピング
  • デイトレード(デイトレ)
  • スイングトレード
  • ポジショントレード

それぞれポジションを保有する時間や目指す利益などの考え方が異なるので、4つあるFXの取引スタイルについて1つずつ解説します。

スキャルピング:数分レベルで取引を繰り返す超短期トレード

スキャルピングの特徴

4つあるFXの取引スタイルの中では最もポジションの保有時間が短く、小刻みに利益を取っていくのがスキャルピングです。おおむねポジションを保有するのは数分程度ですが、短い場合だとポジションを建ててから数秒で決済することもあります。

FXでは値動きの最小単位をpipsといいますが、スキャルピングで狙うのは3pipsや5pipsといったわずかな利幅です。超短期トレードなので1日のうちにチャンスがあれば何度も取引を行うのが普通で、スキャルピングを得意とする投資家の中には1日に数十回のトレードをする人も珍しくありません。

超短期トレードなので、使用するチャートは一般的に1分足から5分足、15分足などです。

デイトレード:ポジション保有は数時間~半日ほどで、翌日に持ち越さず決済

デイトレードの特徴

スキャルピングの次にポジションの保有時間が短いのが、デイトレードです。デイ(Day)という名称のとおり、その日のうちに取引を終了するのが特徴です。そのためポジションの保有時間は数時間から半日程度です。

FXは朝の7時(欧米がサマータイムの期間は6時)から翌朝の7時(同じくサマータイム期間は6時)までが「1日」なので、この24時間の間にポジションを決済するのがデイトレードです。

ポジションの保有時間がスキャルピングより少し長いので、狙う利幅もやや大きくなります。明確な定義はありませんが、デイトレードでは10pipsから30pips程度を狙うのが一般的です。その日のうちにトレードを終了するので、1日あたりのトレード回数は1回もしくは数回以内です。

スキャルピングほど短期トレードではないので、多くのデイトレーダーは5分足から1時間足、4時間足などのチャートを使用しています。

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スイングトレード:数日~数週間ほどポジションを持ち続ける取引スタイル

スイングトレードの特徴

上記のスキャルピングとデイトレードはその日のうちにトレードを終了するのが基本ですが、このスイングトレードからはオーバーナイトといってポジションを翌日以降に持ち越してから決済するのが特徴です。ポジションを保有するのはおおむね数日から、長い場合は数週間に及ぶこともあります。

狙う利幅は50pips以上で、中期的な戦略に基づいてじっくりと利益を狙います。今ではFXの手数料がとても安くなっているのでスキャルピングやデイトレードも機能しやすいですが、かつて手数料が今ほど安くなかった当時はほとんどの投資家がスイングトレードを主体にFX取引をしていました。

スイングトレードの際に多くの投資家が使用するチャートは、1時間足から日足、週足などです。

ポジショントレード(長期トレード):数カ月~数年単位で運用するスタイル

ポジショントレードの特徴

4つあるFXの取引スタイルで最も長くポジションを保有するのが、ポジショントレードです。ポジション保有期間は数カ月から数年単位に及びます。FXは長期的なレートを予測するのが難しいとされているため、ポジショントレードでは値動きによる利幅だけでなく、スワップポイントを狙うこともあります。

スワップポイントとは2つの通貨間にある金利差を調整するために受け渡しされるもので、低金利通貨を売って高金利通貨を買うポジションを保有すると毎日一定のスワップポイントを受け取ることができます。

例えば2022年に相次ぐ利上げによって高金利となった米ドルを買って日本円を売るポジション(米ドル/円の買いポジション)を保有すると、1日あたり50円から60円のスワップポイントが付与されます。

この仕組みを利用して「毎日金利を受け取れる外貨預金」に近いイメージでポジションを保有する人もいますが、これもポジショントレードに含まれます。

値動きによる利益を狙う場合は、少なくとも日足以上、それよりも長い週足や月足といったチャートを用いるのが一般的です。

なお、FXの取引スタイルを含めたFXの始め方について知りたい方は以下の記事をご覧ください。

>>FXの始め方は?初心者向けにトレードの基礎知識からやり方を解説!

スキャルピングの手法のコツを紹介

スキャルピングの具体的な手法は投資家によってさまざまですが、多くの手法に共通する「基本」があります。

ここでは、スキャルピングをマスターする上でとても重要な基本を4つの項目に整理して解説します。

スキャルピングのコツ4つ

  • ①向いている通貨ペアは米ドル/円など主要通貨ペア
  • ②時間足は1分足や5分足メインだが上位足も要チェック
  • ③テクニカル的には移動平均線やオシレーター、直近の高値安値などを押さえる
  • ④向いている時間帯は夕方~深夜にかけて

①向いている通貨ペアは米ドル/円など主要通貨ペア

FXで取引できる通貨ペアにはたくさんの種類がありますが、基本的にスキャルピング向きなのは米ドル/円やユーロ/ドル、ユーロ/円、ポンド/円などといったメジャー通貨同士のペア。これらは、流動性が高い(市場参加者が多く取引されやすい)からです。

メジャー通貨ペアのリスト

流動性の高い通貨ペアは突発的な要因や想定外の要因などによって相場が大きく動いてしまうことが少なく、スキャルピング向きといえるでしょう。

また、流動性が高いことに加えて、長期的にレンジを形成している通貨ペアも狙い目です。同じ地域にある通貨ペアで似た値動きをする通貨同士だとレンジ内の値動きをしやすく、後述する高値や安値からの逆張りによるスキャルピングも機能しやすくなります。

具体的には、ユーロ/英ポンド、米ドル/カナダドル、豪ドル/NZドルなどです。これらの通貨は地域が同じであることから似た値動きをすることが多く、安定したレート変動の中でわずかな値動きを狙うスキャルピングに適しています。

②時間足は1分足や5分足メインだが上位足も要チェック

FXのチャートはトレードの時間軸に合わせるのが基本です。スキャルピングは数秒から数分でトレードを終了するので、主に使用するのは1分足や5分足といった短期チャートです。

1分足チャート

しかしこれだけだと目先の値動きしか追うことができないので、スキャルピングではさらに上位の足も同時にチェックするのが基本とされています。1時間足や日足を見ると今日、明日、というレベルで相場が上か下のどちらに向かっているかを掴むことができます。

上位足で大まかな流れを掴んだ上でスキャルピングをすることで、上目線なのか、下目線なのかを意識しながらのトレードができるようになります。

③テクニカル的には移動平均線やオシレーター、直近の高値安値など

より実践的なスキャルピング手法として、ここでは移動平均線とオシレーター、直近の高値・安値を使ったテクニックについて解説します。

もちろんテクニカル分析の方法は無数にあり、これらはあくまでも一例に過ぎませんが、まずは基礎知識として押さえておきましょう。

①移動平均線

移動平均線

移動平均線を使ったスキャルピングは、最もポピュラーな手法です。1分足もしくは5分足で5MAと25MAを表示して、5MAが25MAの上にある時は売り目線、下にある時は買い目線でウォッチします。

25MAの上にある時に5MAが上から下に突き抜ける形になれば(デッドクロス)、売りエントリー。逆に25MAの下から5MAが上に突き抜ける動きになれば(ゴールデンクロス)、買いエントリーです。

そしてエントリー後は5pips程度の利益を狙って決済をします。

②オシレーター

オシレーター

オシレーターとは、相場の過熱感を知るために用いられるチャートのこと。MACDやRSI、スローストキャスティクスなどが有名です。

これらのオシレーター系チャートは「上に近づけば買われすぎ、下に近づけば売られすぎ」を示しているため、1分足や5分足のオシレーター系チャートを見ながら上に近づけば売り、下に近づけば買いのエントリーを検討できます。

③直近の高値・安値

直近の高値と安値

直近の高値や安値も、スキャルピングに役立ちます。直近の高値に近づいてくると多くの投資家はそれを意識して逆張りが検討されやすくなり、直近の高値もしくは安値で相場が反転する確率が高くなります。

これをスキャルピングに活かす場合、1時間足や日足など上位足を表示させて高値や安値に接近していることを確認して逆張りエントリーをして、相場が少しでも反転すれば決済をして利益を取るテクニックが有効です。

④向いている時間帯は夕方~深夜にかけて

スキャルピングはトレードの回数を重ねることで利益が大きくなるので、レートがよく動いて何度もトレードチャンスがある時間帯が適しています。

1日の中でスキャルピングに適しているのは、日本時間の16時頃から深夜の2時頃までです。この時間帯には欧州時間のスタートや米国時間のスタートなどイベントがあるためレートが動きやすく、さらに22時台から深夜の2時頃までは欧州と米国の両方が動いているため流動性も高く、スキャルピングをしやすい環境が整います。

日中時間に仕事をしている人がFXのスキャルピングをするとなると相場に向き合っていられるのは夕方以降のみになると思いますが、ちょうどその時間帯がスキャルピングに適しているので、その意味では始めやすい環境といっていいでしょう。

スキャルピングをする際の注意点

ここでは、スキャルピングをする際に知っておくべき2つの注意点について解説します。

スキャルピングをすることによって口座が凍結されてしまったり、思わぬコストで利益を上げにくくなってしまうことがあるので注意が必要です。

  • 非公認の会社では口座凍結の可能性
  • 取引頻度が多い=スプレッドの影響度が大きいので注意

非公認の会社では口座凍結の可能性

スキャルピングでまず注意したいのは、すべてのFX会社がスキャルピングを公認しているわけではない点です。

スキャルピングでは売買注文を頻繁に出すためFX会社の取引システムに負担が掛かりやすく、カバー先といってインターバンク市場に参加している金融機関に注文を流すのが間に合わず、FX会社が損をしてしまう恐れがあるというのが主な理由です。

このような理由でスキャルピングを禁止しているFX会社でスキャルピングと見なされるようなトレードを繰り返していると、口座を凍結される可能性があります。

どの程度の頻度で注文を出し続けるとスキャルピングと見なされるのかについてはFX会社によってさまざまですが、一般的には1分未満の売買を繰り返していると該当すると見なされるFX会社が多いようです。

スキャルピングによって口座が凍結されると、新たな注文を出せなくなります。凍結が解除されると再び注文を出せるようになりますが、いつ解除されるのかについては明らかにされていないので、すぐにFX取引をしたい場合は別のFX口座を利用するしかありません。

取引頻度が多い=スプレッドの影響度が大きいので注意

仮にスキャルピングが公認されているFX会社であっても、次に注意したいのがスプレッドです。スプレッドは実質的なFX取引の手数料なので、スプレッドが広い(手数料が高い)と毎回のコストが大きくなります。

具体的な例で解説しましょう。米ドル/円のスプレッドが以下のように設定されている2社があるとします。

FX会社
Bid
(売りレート)
Ask
(買いレート)
スプレッド
A社 130.100 130.102 0.2銭
B社 130.100 130.200 10銭

違いが分かりやすくなるように極端な例にしました。この場合、A社とB社には0.2銭と10銭、つまり50倍ものコスト差があります。スキャルピングを繰り返すほどこの差が積み重なっていくので、スキャルピング目的でFX会社の口座を選ぶ際にはスプレッドが狭いことをしっかりチェックしてください。

また、スプレッドは市場の流動性によって変動します。ご自身がスキャルピングをする時間帯に最も狭いスプレッドを提示しているFX会社を選ぶようにしましょう。

スプレッドが低いおすすめ会社を知りたい方は、以下の記事をご参照ください。

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スキャルピングに向いている人の4つの条件

スキャルピングをしているトレーダーは多くいますが、トレーダー全般で見ると少々特殊な取引スタイルでもあります。以下のチェックリストにあるように「FXをするための時間を多く取れること」や「素早い操作ができること」などが条件になるので、すべての人におすすめできるわけではありません。

その点を踏まえて、自分がスキャルピングに向いているかどうかを以下のチェックリストで自己診断してみてください。当てはまる項目が多いほど、スキャルピングに向いていると判定できます。

  • ①日々、FXをやるためのまとまった時間が取れる
  • ②反射神経や、とっさの判断力には自信がある方だ
  • ③パソコン、モニター、スマホなどIT環境は充実している方だ
  • ④テクニカル分析のスキルやFXの経験値がある
「あてはまるかも」と思った人におすすめ
スキャルピング向きのFX会社
スキャルピング公認。取り扱い通貨ペア数も業界最多レベル
スキャルピング公認。約定率は99%以上*

*FXプライム byGMOによる調査

「自分にはあてはまらないな」と思った人におすすめ
初心者向きの総合力が高いFX会社
1,000通貨から取引でき少額トレードが可能。初心者向けの勉強コンテンツも豊富
FX取引高世界第一位*の実力。多くのユーザーが利用。
*ファイナンス・マグネイト社調べ2020年1月~2021年12月

①日々、FXをやるためのまとまった時間が取れる

超短期トレードであるスキャルピングは1回あたりのポジション保有時間が短い一方で、それを何度も繰り返すことで小刻みに利益を積み上げていく方法論です。

そのためスキャルピングトレードをしている時間は、じっくりとチャートを見続けながら、リアルタイムで発注をする必要があります。つまり、スキャルピングにはチャートに向き合う十分な時間が必要になります。

スキャルピングを得意とする投資家の多くは、得意とする通貨ペアとその通貨ペアのレートがよく動く時間帯を定めています。

例えば欧州時間が始まる時間帯にユーロ円やポンド円のスキャルピングを得意とする人であれば、日本時間の16時半から19時くらいまでをトレード時間に充て、その数時間に10回、20回といったスキャルピングトレードを繰り返します。

3大マーケットの時間帯

②反射神経や、とっさの判断力には自信がある方だ

平日は24時間常に変動しているレートのわずかな値幅を狙うのがスキャルピングなので、エントリー(ポジションを建てること)と決済のタイミングが少しずれただけでも利益を取れなかったり、最悪の場合は損を出してしまうこともあります。

刻一刻と動いているレートの中から適切なエントリーポイントで注文を出すには瞬時に判断できる決断力と、その決断を注文に反映するための反射神経が求められます。

実際にスキャルピングをやってみると分かりますが、タイミングが1秒ずれただけでも思い通りのレートでエントリーできないので、反射神経に加えて集中力も求められるでしょう。

パソコンの場合であればマウスクリック、スマホであれば画面のタップで注文を出しますが(下の画像を参照)、その操作を瞬時に行うことができる「慣れ」も重要です。

スマホのスピード注文の画面

③パソコン、モニター、スマホなどIT環境は充実している方だ

瞬時に売買の判断をして注文に反映する必要があるスキャルピングでは、その売買行動を正確に反映できるIT環境も重要です。

低スペックのパソコンだと取引ツールの動作が重くなってしまい、「ここだ!」というタイミングでマウスクリックをしても実際に発注されたのは数秒後だった、となると意図したレートで注文できずチャンスを逃してしまいかねません。

また1つの画面でチャートと売買画面をいちいち切り替えていると、切り替え操作をしている間にレートが動いてしまって売買のチャンスを逃すこともあります。

FXの専業トレーダーが、複数のチャート画面を同時に表示させている光景を見たことがある人もいるかもしれません。これはIT環境を充実させることで売買のチャンスを逃さないため、という理由もあります。

パソコン周りの機材の写真

スキャルピングでは投資家自身にスピード感が求められるのと同様に、「武器」であるIT環境にもスピード感が求められます。

④テクニカル分析のスキルやFXの経験値がある

多くの場合、スキャルピングの売買判断はテクニカル分析が根拠となります。そのため、スキャルピングを得意とする投資家はチャートを注視しながら素早く売買注文を出し、決済するという動作を繰り返します。

FXでテクニカル分析が重要であることは広く知られていますが、スキャルピングでは瞬時にテクニカル分析を行い、それを売買注文に反映する必要があります。

そのためにはテクニカル分析の手法を確立し、それを反映するために取引ツールの操作に慣れていることも重要でしょう。

瞬時に売買判断をして、注文に反映する。うまくいった時もそうでない時も瞬時に決済の判断をして利益確定、もしくは損切りをする。これをうまくこなすには、FX取引における一定以上の経験値が必要といっていいでしょう。

FINANCE JOURNAL編集長のリアルなスキャルピング体験談

スキャルピングとはどんな取引なのかは、ここまでの解説で「知識としては理解できる」はずです。一方で「実際の体験談」が知りたいという人も多いのではないでしょうか。

そこで、当メディアの編集長でもある齋藤の体験談を紹介します。

齋藤直人

FINANCE JOURNAL編集長・齋藤

記事の冒頭にも書いたとおり、僕は基本的にスイングトレードが好きなのですが、相場の状況によってはスキャルピングをすることもあります。

スキャルピングのトータル損益はかろうじてプラスなのですが、チャートに向き合う時間と精神的な疲労度を考えると「割に合っていない感」があるのも正直なところ。

やはりスキャルピングは「万人におすすめ」といったトレード手法ではないので、僕の体験談を参考に、自分に合っているかどうかイメージしてもらえれば幸いです。

朝の通勤時間(東京時間)でやってみた

日本時間の朝8時から、いわゆる「東京時間」が始まった直後にスキャルピングをすることもあります。

東京時間とは?

    日本時間の朝8時~17時を指すことが多く、主に日本、中国、オーストラリア、シンガポールなどの市場参加者が取引を行う。

    特に朝9時55分に発表される「仲値」にかけては実需などの取引が活発になる傾向がある。

僕にとってこの時間帯は通勤中となり電車の中にいるため、当然ながらスマホでトレードをすることになります。

基本的には売りでも買いでも流れに乗ってエントリーし、含み益が出たら欲張らずにさっさと利確するという手法で、たまたまこの日(下の画像)はプラスの収益にすることができています。

朝の時間帯のスキャルピング取引履歴

ただ「通勤時間にスマホを凝視し続ける」ことにより、想像以上に疲れることもわかりました。

一般的に多くの人は、通勤時間にSNSを見たり音楽を聴いたり、あるいはちょっと居眠りしたりという過ごし方をしていることでしょう。しかしスキャルピングをするなら、スマホに1分足チャートを表示し、ボタンをタップするタイミングを見計らい、気を張り詰めている必要があります。

これが楽しいと感じる人であればいいのですが、気疲れしたくない人や、通勤中に仕事の準備をしている人などは、この時間帯のスキャルピングは向いていないでしょう

帰宅後の時間帯(ロンドン~ニューヨーク時間)でやってみた

では、夜(帰宅後)にスキャルピングをするのはどうなのでしょうか。

これも実際にやってみたことはあるのですが、通勤時に比べれば腰を据えて取り組むことができるものの「やめどき」がわからずつい熱くなってしまうところがありました。

トレードは、勝ったり負けたりの繰り返しです。スキャルピングは良くも悪くも短時間で結果が出るので、負けると「次こそは!」と思ってしまいがち。「負けた分を取り返さないと眠れない」と、熱くなりやすいのです。

ちなみに下の画像ではたまたまプラスの結果で終えられていますが、熱くなってその日の損益がマイナスになることも少なくありません

夜の時間帯のスキャルピング取引履歴

スキャルピングは、自分の感情を切り離して機械的なトレードができる、強いメンタルが必要だと感じました。

スキャルピングを公認しているおすすめのFX会社

スキャルピングを公認しているFX会社の中で、おすすめの2社を紹介します。これらのFX会社はスキャルピングOKであることに加えてスプレッドも狭く取引コストが安いので、スキャルピングを続けるごとにその価値は大きくなります。

ヒロセ通商

ヒロセ通商は規約上で「スキャルピング可能」としており、スキャルピングに役立つクイック注文機能を取引ツールに実装しています。また、スプレッドは業界で最も狭い水準を維持しているので、公認された環境下で低コストのスキャルピングが可能です。

取扱通貨ペア数がとても多く、スキャルピングをしやすいメジャーな通貨ペアはほぼすべてが取引可能です。カバー先が多いことから約定機能も高く、希望通りのレートで約定させる力が高いのもスキャルピング派には欠かせない性能です。

ほとんどのFX会社では最も短い時間足が1分足ですが、ヒロセ通商の「LION FX」には10秒足という、さらに超短期トレードをするスキャルピングにも対応しています

JFX

JFX

JFXはヒロセ通商の子会社ということもあって、サービス的にも似通っている部分があります。

ヒロセ通商と同様に、公式サイト上で「スキャルピングOK」を明言しているため、秒単位の短期売買なども気兼ねなくできます。取引ツールもスキャルピングを考慮した使い勝手が追求されています。

通貨ペア数はヒロセ通商の方が多いものの、JFXではMT4が使えるというメリットもあるので(ただし分析専用)、MT4を使ってみたい人にも向いています。

スキャルピングとは違う手法の方がいいかも…?と思った人におすすめな取引スタイル

ここまでスキャルピングの解説をお読みになって、どう感じたでしょうか。「やっぱり難しそう」「自分には無理っぽい」と思った人も多いのではないでしょうか。

確かにスキャルピングは難易度の高い取引スタイルなので、初心者がいきなりスキャルピングで利益を上げるのは難しいかもしれません。

しかし、FXの取引スタイルはスキャルピングだけではありません。

冒頭で解説したように4つの取引スタイルがあり、そこから好きなもの、自分に合ったものを選べるのもFXの魅力です。

スキャルピングのように長時間相場に向き合う時間がなくても、デイトレードなら「すき間時間」に取引が可能です。

数日以上ポジションを保有するスイングトレードであればスキャルピングよりも大きな利益を狙いやすいですし、スワップポイントを貯める目的でポジショントレードをするのもいいでしょう。

少額から始められるのも初心者にとって大きな魅力なので、まずは少額からFXの世界を体験してみてはいかがでしょうか。

スキャルピングに関するまとめ

  • スキャルピングは、まとまった時間やIT環境、FX経験などが求められる取引スタイル
  • スキャルピングをするなら、スキャルピングを公認しているFX会社(ヒロセ通商、FXプライムby GMOなど)を選んだ方が安心)
  • FXの取引スタイルはスキャルピング以外にもデイトレード・スイングトレード・ポジショントレードがあるので、向いていない人はそれらを検討する

エンジニアやWeb制作などIT系の職種を経験した後にFXと出会う。初心者として少額取引を実践しながらファンダメンタルやテクニカル分析を学び、現在は自動売買を中心に運用中。FXだけでなく日米のETFや現物株、商品などの投資に進出し、長期的な視野に立った資産運用のノウハウを伝える記事制作に取り組む。初心者向けの資産運用アドバイスにも注力し、安心の老後を迎えるために必要なマネーリテラシー向上の必要性を発信中。

鹿内武蔵

FX雑誌『外国為替』編集長・株式会社tcl代表取締役

鹿内武蔵

2022年創刊のFX雑誌『外国為替』編集長。

FX編集者歴は長く、2008年より『FX攻略.com』元副編集長として、取材・編集・執筆に携わる。多くの勝ち組トレーダーや証券会社を取材してきた経験を活かし、FXが国民的投資になることを目標に、FX、投資ライターとして活動中。

株式会社tcl代表として各種メディアで執筆しているほか、自身もトレーダーとしてFXの運用も行っている。好きなテクニカル分析はボリンジャーバンド。

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記事の編集責任者

齋藤直人

FINANCIAL JOURNAL編集長

齋藤直人

編集者歴20年以上。主に紙媒体で編集経験を積み、趣味系雑誌4誌の編集長を歴任。

雑誌の特集記事だけでなく、企業とのタイアップ企画、地域活性化事業への参画など、コンテンツ制作力を活かして幅広いフィールドで活躍。国会議員、企業の重役、スポーツ選手、芸能人などジャンルを問わず幅広いインタビュー経験を持つ。

FXトレーダー歴も5年以上あり、好きなトレードスタイルはスイングトレード。これまでの最大勝ち幅は1500pips

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