FXのNDD方式とは?DD方式との違いやメリット・デメリットについて解説

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FX取引には、トレーダーが出した注文がそのままインターバンクに行くのか(NDD方式)、それともFX会社を挟むのか(DD方式)という違いがあります。

DD方式はトレーダーに不利なのでは…?」などと気になっている人も多いのではないでしょうか。

この記事では、NDD方式とDD方式の基礎知識、双方のメリットデメリット、「結局どちらを選ぶべき?」といった疑問について解説します。

NDD方式のメリットとデメリット

メリット

  • 注文が直接インターバンクに流れるので、透明性が高い・FX会社との利益相反がないため疑心暗鬼にならずに済む・スキャルピングや自動売買がしやすい

デメリット

  • スプレッドが広く、スワップポイントが少ない

この記事でわかること

  • 公式サイトではっきりNDD方式と明示している会社は、外為ファイネスト、Plus500JP証券、ThinkMarketsなどと少ない(NDD方式を採用している国内FX会社3選
  • どちらを選ぶべきかは、上記のメリットデメリットで判断する。また両方の口座を開設して使い分けるのも有効

目次

NDD方式を採用している国内FX会社3+1選

最初にNDD方式を採用している国内のFX会社を3社と、実質的にNDD方式といえる「くりっく365」について紹介します。

実は国内のFX会社の多くはDD方式なのかNDD方式なのかを明示していないところが多く、またNDD方式だといわれていても定義があいまいな部分があるため、ここでは公式サイトでNDD方式であることが明記されているFX会社のみ紹介します。

また、海外のFX会社の多くはNDD方式を採用していますが、安全性が低く推奨できないため、ここではピックアップしていません。

NDD方式の国内FX会社3+1の比較表

FX会社
取引所名
取扱通貨ペア数 デモ口座の有無 最小取引単位 MT4、MT5への対応 自動売買 スキャルピングの可否
外為ファイネスト 30種類 1,000通貨
Plus500JP証券 29種類 1,000通貨
ThinkMarkets 81種類 1,000通貨
くりっく365 25種類 FX会社による 1万通貨 FX会社による FX会社による FX会社による

外為ファイネスト

外為ファイネストのHP画像

外為ファイネストの特徴

  • EAの制限がなく自由度の高いMT4/MT5口座
  • もちろんスキャルピング型のEAもOK
  • 約定力が高く自動売買でも人気の口座
  • 取引数量に応じて毎月プレゼントキャンペーンがある

外為ファイネストの親会社は、香港の金融グループであるハンテックホールディングスです。つまり外資系FX会社ですが、国内に拠点があって金融庁に登録をしているので、国内と同等のFX会社と見なして問題ありません。

NDD方式であることを明記しており、それゆえの約定力の高さには定評があります。
また、MT4やMT5にも力を入れており、使用するEA(エキスパートアドバイザー=自動売買プログラム)の制限はありません。

自動売買派、スキャルピング派の投資家にも最適なスペックです。

Plus500JP証券

Plus500JP証券のHP画像

Plus500JP証券の特徴

  • 世界的な取引ツール、MT4でNDD方式の取引ができる
  • 選べる3つの取引単位
  • MT4でCFDの取引もできる
  • さまざまなデバイスで取引環境が充実

Plus500JP証券は国内資本の証券会社で、FXだけでなくCFDの取引も取り扱っています。MT4による自動売買にも対応していますが、FXだけでなくCFDの取引も可能であることも特徴の1つです。

NDD方式のメリットである約定力の高さをいかし、MT4で本格的なスキャルピング取引をしたい投資家にとっても使いやすい口座といえます。

最小取引単位は1,000通貨ですが、それ以外に5,000通貨、1万通貨のコースがあります。

ThinkMarkets

ThinkMarketsのHP画像

ThinkMarketsの特徴

  • とても珍しいFXのサブスクリプションで一部通貨ペアのスプレッドがゼロ
  • 78通貨ペアでNDD方式を採用
  • 珍しい通貨ペアも取り扱っている
  • 125種類以上のテクニカルインジケーターを利用可能

ThinkMarketsは、英国ロンドンとオーストラリアのメルボルンに本拠地がある、外資系金融ブローカーです。日本法人は金融庁に登録されているため、国内FX会社と同等の位置づけです。

ThinkMarketsの最大の特徴は、サブスクリプションの手数料体系。月額料金を支払うと対象通貨ペアのスプレッドがゼロになるため、頻繁に取引をする人、スキャルピング派にはとても有利です。

月額料金の異なる3つのコースが用意されており、3,000円と5,000円のコースがNDD対象になっています。取り扱い通貨ペア数も多いため、他社では見られないような珍しい通貨ペアの取引も可能です。

番外編 くりっく365

くりっく365のHP画像

「くりっく365」の特徴

  • 日本初の取引所FX
  • FX会社16社で取引可能(2023年5月時点)
  • 高い透明性と流動性
  • スワップポイントの受取と支払が同額

「くりっく365」は、日本で初めての取引所FXです。東京金融取引所が上場したサービスで、個人投資家向けの「くりっく365」と大口投資家向けの「くりっく365ラージ」があります。

2023年5月時点で国内のFX会社16社が取り扱っており、共通の取引所を利用できます。株式取引のために証券取引所を利用するのと同じイメージです。

流動性が高く希望するレートで約定しやすいほか、スワップポイントの受取と支払が同額であるなど、透明性の高さも魅力。

NDD方式とは?DD方式との違い

NDD(No Dealing Desk)方式とDD(Dealing Desk)方式の違いを知るためには、「FX会社が投資家の売買注文をどう約定させているのか」を知る必要があります。

FX会社は投資家の注文をカバー先である金融機関に流すことで、自社のリスクヘッジをしています。具体的には、投資家から受け付けた売買注文と同様の注文を銀行などの金融機関に出します(カバー取引)。

しかしFX会社によっては、すべての注文をカバー先に流しているとは限らず、自社が相手となって相対取引をしていることもあります。

また、FX会社によっては自社内で投資家から売りと買いの注文をマッチングさせ、そのマッチングから漏れた分をカバー先に流すこともあります。

このように自社内の注文をマッチングさせる取引を、マリー取引といいます。

相対取引、マリー取引ともにFX会社が投資家の注文をカバー先に流すかどうかを判断しているので、これらはDD方式に分類されます。

DD方式は投資家とFX会社との相対取引になるため、投資家とFX会社の間に「勝ち」と「負け」が生じます。

これに対して、NDD方式はFX会社が介入せず、投資家からの注文をそのままインターバンク市場などに流します。

とてもシンプルな構図ですが、このNDD方式を図式化すると以下のようになります。

相対取引と違ってFX会社に「勝ち」や「負け」はないため、実質的な手数料であるスプレッドが収益の柱になります。

FX会社の取引システム(およびビジネスモデル)はさまざまです。一般社団法人金融先物取引業協会はこれらの分類を一覧表にしているので、こちらも参考にしてください。

一般社団法人金融先物取引業協会のHP画像 引用元:「店頭FXの配信レートについて」(一般社団法人金融先物取引業協会)

なお、冒頭でも述べたように国内FX会社の多くは約定システムの詳細を開示していないことが多く、定義にあいまいな部分もあるため、この一覧表のどれにも属さないFX会社もあります。

NDD方式には2種類ある

NDD方式には、大きく分けて2つの種類があります。

1つはSTP方式、もう1つはECN方式です。どちらもNDD方式なのでFX会社が介入することはありませんが、注文をどこに流すかによって違いがあります。

FX会社は注文を仲介するだけのSTP方式

「投資家の注文をFX会社は流すだけ」という概念が当てはまるのが、STP(Straight Through Processing)方式です。

投資家からの売買注文を受け取ったFX会社は、それをインターバンク市場に流します。その作業はすべて自動的かつ機械的に行われるため、FX会社は取引に介入しません。

NDD方式を採用している多くのFX会社は、このSTP方式に分類されます。

FX会社が注文を電子取引所に流すECN方式

ECN(Electronic Communications Network)方式もNDD方式の一種です。

「Electronic Communications Network」は電子取引所という意味で、このECN方式は投資家から受け取った売買注文をインターバンク市場ではなく、電子取引所に流します。

FX会社の介入はなく、また売買注文は複数のFX会社が利用している共通の取引所へ流されるため、実質的にインターバンク市場に流しているのと同等の効果が得られます。

そのため、ECN方式も実質的なNDD方式であり、日本では先ほど解説した「くりっく365」が該当します。

NDD方式のメリット

NDD方式のFX会社には、主に上記4つのメリットがあります。それぞれ1つずつ解説しておきましょう。

特にNDD方式のFX口座に関心がある人が気になる、利益相反や透明性についても詳しく解説します。

①市場価格で取引できて透明性が高い

FX会社が取引の相手になることがなく、単に売買注文を仲介しているだけなのがNDD方式です。これにより、実質的にインターバンク市場に向けて取引をしているのと同等の効果が得られます。

相対取引だと投資家の負けがFX会社の利益になるため、利益が相反します。このことから「FX会社が恣意的な操作をしているのではないか?」と疑心暗鬼になってしまう人もいるでしょう。

NDD方式だとその余地がないため、透明性が高いことはメリットといえます。

ただし、NDD方式の透明性の高さとFXの勝敗に直接の相関性はありません。DD方式であってもトレードスキルが高ければ勝ち続けることもできますし、NDD方式だからといって勝ちやすいわけではありません。

後述しますがDD方式を採用していることによって得られるメリットもあるので、透明性だけでFX会社を選ぶのは早計です。

②FX会社と利益相反がない

前項の延長線上にあるメリットです。NDD方式ではスプレッドがFX会社にとって収入の柱になるため、勝ち負けに関係なく投資家が取引をすればするほどFX会社の利益は大きくなります。

スキャルピングを容認しているNDD方式のFX会社が多いのもそのためで、短期売買を頻繁にする人はFX会社にとっては上顧客となります。

約定するほどFX会社の利益になるので約定拒否も起きにくいと考えられるため、投資家にとって安心材料の1つになるでしょう。

③スキャルピングに適している

当記事で紹介しているNDD方式のFX会社は、いずれもスキャルピングを禁止していません。前項の解説のように、取引回数が多いほどFX会社が儲かるというのも理由の1つでしょう。

また、NDD方式は自社内で注文をどう処理するかを判断する必要がないため短時間に多くの注文を出してもシステムに負荷が掛かりにくく、約定力も高くなります。

意図したレートで約定することはスキャルピングに必須の性能なので、NDD方式はスキャルピング派の投資家にとって有利といえます。

ただし、DD方式のFX会社はスプレッドの狭さが魅力です。それと比べるとNDD方式はスプレッドが広めなので、スプレッドだけを比較するとDD方式のほうが有利とも考えられます。

しかしそれには「FX会社がスキャルピングを禁止していないこと」「意図したレートでしっかり約定できること」などの条件が付きます。

④自動売買をしやすい

NDD方式はスキャルピングとの親和性が高いため、自動売買に適している面があります。

というのも、自動売買のEAによってはスキャルピングによって利益を狙うものもあるため、こうしたEAの運用をするにはスキャルピングが禁止されていないことが条件になるからです。

スキャルピング系の自動売買を検討している人は、実質的にNDD方式のFX会社から口座を選ぶことになる可能性が高いでしょう。

NDD方式のデメリット、注意点

メリットの次に、NDD方式のデメリットや注意点についても解説します。これらはそのままDD方式のメリットと言い換えることもできるので、DD方式との比較にも役立ててください。

①DD方式と比べるとスプレッドが広い

全体的に、NDD方式はDD方式と比べるとスプレッドが広い傾向にあります。その理由は、NDD方式のFX会社の収入源はスプレッド収入など取引に伴う手数料だけだからです。

DD方式のFX会社は相対取引での利益も含めた収益構造になっているため、FX会社の戦略として敢えて狭いスプレッドを提示できるようになります。

わかりやすく言えば、インターバンク市場でのスプレッドではなく、自社による「持ち出し」をして狭いスプレッドを提示しているわけです。

スプレッドの狭さはFXの損益分岐点にも影響することなので、スプレッドの狭さにこだわるのであればDD方式が適しています。

②DD方式と比べるとスワップポイントが少ない

スプレッドと同様のことが、スワップポイントにもいえます。DD方式のFX会社は戦略上、特定の通貨ペアの受取スワップポイントを多くするなどのサービスが可能です。

これに対してNDD方式のFX会社はスワップポイントについても介入をしないため、DD方式と比べると少なく感じる通貨ペアもあるでしょう。

高金利通貨の長期運用などでは差が大きくなるため、DD方式、NDD方式という比較だけでなくFX会社のスワップポイントに対する戦略を見極めることが重要です。

NDD方式のFX会社の選び方と注意点

NDD方式のFX会社で取引をしたいという人に向けて、FX会社を選ぶポイントや注意点を解説します。

NDD方式で取引できるといっても、だからといって何でもいいというわけではないので、これらのポイントをしっかりと踏まえた上で比較検討をしましょう。

国内のFX会社であること

国内はDD方式のFX会社が多く、海外はNDD方式のFX会社が多いというのは、全体的な傾向です。「それなら海外のFX会社から選んだ方が選択肢が多いじゃないか」と考えるかもしれませんが、それはおすすめしません。

日本語でサービスを提供しても、海外のFX会社は日本国内に拠点や法人がなく、ネットを介して海外と取引ができるようになっていることが多々あります。

つまり日本の金融当局の規制対象ではないため、トラブルも頻発しているのです。

入金はできても出金に応じてもらえない、出金のためのコストが高い、出金に時間を要するなど、国内のFX会社では聞いたことがないようなトラブルが起きています。

さらに日本に営業の実体がないので、経営破綻やFX会社の戦略で日本から「撤退」してしまうと、そのままお金が返ってこないこともあります。

この記事では、親会社が海外の会社である「外資系」も紹介していますが、これは日本に法人や拠点があって金融庁に登録しているため、国内FX会社と見なして問題ありません。

金融庁が公開している登録業者のリストがあるので、外資系のFX会社など判断に迷った場合はこのリストに社名があるかどうかもチェックしてみてください。

金融商品取引業者登録一覧(金融庁)

こちらのページにある「金融商品取引業者」が、最新のリストです。

自動売買、スキャルピングなどの可否

NDD方式のFX会社はスキャルピングを容認しているところが多いですが、スキャルピングを主に行いたい人は、事前に確認しておくべきでしょう。

というのも、NDD方式だからといってすべてのFX会社がスキャルピングを容認してるとは限らないからです。

スキャルピング系の自動売買を検討している場合も、同様です。

取引ツールの種類

FX会社には独自の取引ツールを用意しているところや、MT4やMT5といった汎用ツールを採用しているところがあります。

自動売買を検討しているのであれば、そのためのプラットフォームが必要なのでMT4やMT5対応が必須になるでしょう。そうでない場合であっても、MT4やMT5は世界標準のFX取引プラットフォームとして広く普及しており、高いカスタマイズ性と豊富なテクニカルインジケーターなどが魅力です。

同じテクニカルインジケーターであってもMT4やMT5のほうが高機能であるなどメリットは多く、口座を開設するFX会社選びにおいて1つの判断材料になります

当記事で紹介している国内FX会社のなかでは、外為ファイネストとPlus500JP証券が対応しています。

利益相反への考え方

NDD方式のFX会社に関心がある人の本音を端的に表現すると、DD方式に対する「得体の知れない不信感」ではないでしょうか。

すでに解説してきたようにNDD方式が万能であるわけではなく、DD方式にもメリットはあります。しかし、「DD方式にはどこか恣意的な力が働いているのではないか」と考えてしまう人がいるのも事実です。

DD方式だからといって投資家に不利な取引システムを運用しているわけではなく、相対取引における利益相反への考え方をしっかり表明しているFX会社もあります。

例えばSBI FXトレード(DD方式)は、「顧客中心主義に基づく業務運営方針」のなかに「利益相反の適切な管理」という項目を設け、相対取引であることを明記した上で利益相反が極力発生しないようにする取り組みが記載されています。

このように自社の取引システムを明記して利益相反にならないための声明を発していることも、信頼に足るFX会社を選ぶ一助になるでしょう。

DD方式とNDD方式は善悪のようなものではなく、あくまでも取引システムの分類であると考えるべきでしょう。

以上の選び方を理解した上で、FX口座を比較して口座開設を検討したい人は、トレーダー3,000人の独自アンケートをしたFXおすすめ口座を徹底比較の記事を参考にしてみましょう。

結局、NDD方式とDD方式のどちらを選ぶべきか?

DD方式とNDD方式それぞれの仕組みやメリットを知った上で、「結局、どちらを選ぶべきか」という疑問に行きつく人も多いことでしょう。

両者のメリットや特性を極限までシンプル化すると、以下のようになります。

  • NDD方式は取引の透明性と自由度がメリット
  • DD方式はスプレッドの狭さとスワップポイントの高さがメリット

このどちらを重視するかで、自ずと答えは出るでしょう。

もちろん、FXはどちらか一方だけにしか口座開設ができないわけではありません。両方の口座を持っておいて必要に応じて使い分けるのが最も現実的です。

裁量トレードやスワップ狙いの長期トレードであればDD方式、自動売買やスキャルピングをメインにする口座はNDD方式といったように使い分けると、両者の「いいところ取り」ができます。

FXのNDD方式についてよくある質問

FXのNDD方式について、よくある質問とその答えをまとめました。DD方式との比較に関する部分も含めて解説します。

NDD方式がほとんどなのに海外FX業者が非推奨なのはなぜですか?

本文中でも述べているように、海外FX会社は日本国内に実体がなく、万が一経営破綻をしてしまったり、FX会社の戦略で日本人向けサービスを終了した場合にお金が戻ってこない恐れがあります。

日本語でサービスを提供し、日本国内で知名度の高い海外FX会社もありますが、金融庁が注意喚起している海外業者のリストを見ると本拠地がバヌアツやバージン諸島、バハマなどのタックスヘイブン(租税回避地)になっているところも散見されます。

こういった所在地にはペーパーカンパニーしか存在しないとか、日本国内はおろか海外にも明確な営業拠点がないといったこともあり得ます。

こういった海外のFX会社に大切なお金を預けるのはリスクが高すぎるので、やはりFXをやるなら国内業者を選ぶのが基本。これは当記事だけでなく、FX業界全体の常識といっていいでしょう。

なぜスキャルピングをしたい場合はNDD方式がいいのですか?

スキャルピングではわずかなレート差を利益に結びつけていくので、戦略どおり正確に約定する必要があります。

スリッページが多いと利益どころか損失になってしまう恐れがありますし、約定拒否が頻発するとスキャルピングトレード自体が成立しません。

NDD方式はFX会社のシステム的負担が少なく、注文が流動性の高い市場に流されるため約定力が高く、狙ったとおりのレートで約定させることでスキャルピングの精度を高くできます。

また、NDD方式のFX会社はスキャルピングを禁止していないところが多いのも、理由の1つです。

国内FX会社はなぜDD方式が多いのですか?

さまざまな説がありますが、よく言われているのは日本人投資家のニーズです。

日本のFX投資家はスプレッドの狭さやスワップポイントの高さでFX会社を選ぶ傾向が強く、そのニーズに応えるためにはDD方式のほうが適しています。

一方で海外(特に欧米)の投資家はサービスの充実よりも取引の公平性や透明性を重視する傾向が強く、NDD方式が多いと言われています。

リクオートとは何ですか?

注文したレートで約定せず、別のレートを提示されることを「リクオート」といいます。

意図したレートで約定しないという意味ではスリッページと似ていますが、スリッページは許容範囲内であれば異なるレートでも約定しますが、リクオートは新たにレートが提示されるだけで約定はしません。

リクオートが多いと約定力が低くなってしまい、スキャルピングなどの短期売買で不利になる恐れがあります。取引スピードの観点からNDD方式のFX会社はリクオートが発生しにくいと言われています。

長期投資をする場合はDD方式とNDD方式のどちらが適していますか?

長期投資には、スイングトレードやスワップポイントの蓄積を狙ったトレードなどが含まれます。

NDD方式は約定力にメリットがある一方で、スワップポイントはDD方式のFX会社と比べると少ない傾向があります。

頻繁に売買をしないのであれば約定力を重視する必要もないため、それよりもスワップポイントの受取額が大きいDD方式の口座のほうが適しています。

まとめ

  • NDD方式を採用しているFX会社は、外為ファイネスト、Plus500JP証券、ThinkMarketsなど
  • NDD方式は取引の透明性やスキャルピング向きなところがメリット
  • DD方式にはスプレッドの狭さ、スワップポイントの高さというメリットもある
  • 両者は優劣や善悪の関係ではないので、用途や重視したいポイントによって使い分けるのがおすすめ

エンジニアやWeb制作などIT系の職種を経験した後にFXと出会う。初心者として少額取引を実践しながらファンダメンタルやテクニカル分析を学び、現在は自動売買を中心に運用中。FXだけでなく日米のETFや現物株、商品などの投資に進出し、長期的な視野に立った資産運用のノウハウを伝える記事制作に取り組む。初心者向けの資産運用アドバイスにも注力し、安心の老後を迎えるために必要なマネーリテラシー向上の必要性を発信中。

鹿内武蔵

FX雑誌『外国為替』編集長・株式会社tcl代表取締役

鹿内武蔵

2022年創刊のFX雑誌『外国為替』編集長。

FX編集者歴は長く、2008年より『FX攻略.com』元副編集長として、取材・編集・執筆に携わる。多くの勝ち組トレーダーや証券会社を取材してきた経験を活かし、FXが国民的投資になることを目標に、FX、投資ライターとして活動中。

株式会社tcl代表として各種メディアで執筆しているほか、自身もトレーダーとしてFXの運用も行っている。好きなテクニカル分析はボリンジャーバンド。

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記事の編集責任者

齋藤直人

FINANCIAL JOURNAL編集長

齋藤直人

編集者歴20年以上。主に紙媒体で編集経験を積み、趣味系雑誌4誌の編集長を歴任。

雑誌の特集記事だけでなく、企業とのタイアップ企画、地域活性化事業への参画など、コンテンツ制作力を活かして幅広いフィールドで活躍。国会議員、企業の重役、スポーツ選手、芸能人などジャンルを問わず幅広いインタビュー経験を持つ。

FXトレーダー歴も5年以上あり、好きなトレードスタイルはスイングトレード。これまでの最大勝ち幅は1500pips

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