FXのMT5とは?MT4との違いやメリットデメリットを徹底解説

FXのMT5とは? MT4との違いやメリデメを解説

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FXでチャート分析や取引をするプラットフォームはいろいろありますが、世界的に有名なのが、ロシアのメタクオーツ社が開発したMT4(Meta Trader4)です。

現在では後継ソフトとして「MT5(Meta Trader5)」もリリースされているので、どちらがいいのか気になっている人も多いのではないでしょうか。

この記事では、実際の画面を使ってMT4とMT5の違いやメリットデメリットを解説しています。どちらを選んだらいいのか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。

MT5はMT4と何が違う?どちらががおすすめ?

  • MT5はMT4よりもチャート分析が高機能で動作も速いのがメリット
  • カスタムインジケーターやEA(自動売買プログラム)の数を求めていない人、これから始めたいという人はMT5がおすすめ

この記事でわかること

  • MT5とは、MT4の後継としてリリースされたプラットフォーム
  • チャート分析能力や速さではMT5の方が優れており、将来的にはMT5が主流になっていくことが考えられる
  • ただ現状ではカスタムインジケーター、EAの数ではMT4の方が多い
  • 上記の状況を考えて、自分に合っている方を選ぶ

目次

MT5とは、誰でも無料で使える高機能な取引プラットフォーム

MT5はMT4の後継としてリリースされた、FXや商品先物などの取引を行える取引プラットフォーム。

対応しているFX会社で保有した口座と繋げれば、指値注文や成行注文、OCO注文などのさまざまな注文を使って取引が可能です。

大きな特徴は、高機能なチャート分析能力を有していること。

複数のチャートを表示でき、搭載している38種類のテクニカル指標と44種類の描画機能をチャート上に自由に表示できます。インストールもできるので、さらにオリジナルのテクニカル指標を使うこともできます。

ファンダメンタルズ分析の機能も有しており、ニュースや経済指標カレンダーも表示可能。MT5だけでテクニカルとファンダメンタルズの両方の分析を完結できるほどの高い分析機能が多くの投資家から注目を集めています。

また、EA(エキスパートアドバイザー)と呼ばれるプログラムを使えば自動売買も可能。メタエディター5を使えば、EAやインジケーターを作成することもできます。

さらに、これが多くの人に利用されている最大の理由かもしれません。これだけの高機能でありながら、MT5は無料で誰でも使うことができます

MT5とMT4はどう違うの?

MT5はMT4の後継で「より高性能になった」といっても、どこがどのように変わったのか具体的に知りたい人も多いことでしょう。

そこで、主にMT4から変わった部分を4つの観点から解説していきます。

①内蔵されたテクニカル分析機能の種類が多い

MT5は初期搭載されている分析機能がMT4よりも増えています。

インジケーターはMT4の30種類よりも多い38種類、時間足はMT4の9種類よりも大幅に増えた21種類、ラインや図形などのオブジェクトもMT4の31種類から44種類に増えています

その他にも、板情報が見えるようになったり、経済指標カレンダーをチャート上に表示できるなど、分析機能が大幅にパワーアップしています。

MT5とMT4のテクニカル分析機能の比較

MT5
MT4
インジケーター
38種類
30種類
時間足
21種類
9種類
オブジェクト
44種類
31種類

②MT5の方がbit数が多く速い

MT4は32bit、MT5は64bitで、MT5の方がbit数は大きくなっています。

bit数とは、情報を一度に処理できる大きさを表す数値です。32bitよりも64bitの方がより情報処理が速いということです。

つまり、MT4よりもMT5の方が情報処理面では優れており、動作が軽いというメリットがあります。

③MT4とMT5はプログラム言語が違う

MT4とMT5はプログラム言語が異なります。MT4はMQL4、MT5はMQL5というプログラム言語を用いています。

つまり、プログラム言語が違うのでMT4とMT5には互換性がありません

MT4で使用できるEAやカスタムインジケーターはMT5では使用できず、反対にMT5で使用できるEAやカスタムインジケーターはMT4では使用できません。

現時点ではEAやカスタムインジケーターはMT4の方が種類が多いため、この点はMT5の明確なデメリットです。

④MT5はMT4の後継として期待されている

MT4とMT5の開発元であるメタクオーツ社はMT4の後継機として、MT5の開発に注力しています。

メタクオーツ社のHP画像

実際に、メタクォーツ社のホームページの「ブローカーの為のMetaTrader 4」というページには、「MT4のライセンスが終了し、今後はMT5に注力する」と記載されています。

このことから、将来的にMT5がメインとなる可能性は高いと考えられます。

MT4から進化したMT5の機能とは

MT4にはない新機能がMT5では追加され、取引やチャート分析でより使いやすくなりました。

新機能はいくつかありますが、ここでは、特に便利になった機能や取引や分析に利用できそうな特徴をチョイスし、解説していきます。

気配値表示に「詳細」と「プライスボード」が追加

MT5では気配値表示パネルの情報が増えました。

MT4の気配値表示パネルの図

上の画像はMT4の気配値表示パネルですが、「通貨ペアリスト」と「ティックチャート」の2種類が表示できます。

MT5の気配値表示パネルの図

一方のMT5では、「通貨ペアリスト」と「ティックチャート」の他にも、「プライスボード」と「詳細」が追加されました。

詳細画面

「詳細」では通貨ペアの4本値などを確認できます。

プライスボードの画像

「プライスボード」では、「通貨ペアリスト」に表示している通貨ペアのレートの動きや、スプレッドや高値・安値も表示されます。

「プライスボード」から発注もできるので、使い勝手がよくなりました。

Ctrl+マウスホイールでチャートの拡大や縮小が可能に

MT5ではチャートの拡大や縮小をCtrl+マウスホイールで簡単にできるようになっています。

MT4ではチャートを拡大・縮小するためには、上部メニューの虫眼鏡のアイコンや右クリックで「ズームイン」「ズームアウト」を選択する必要がありましたが、MT5ではCtrl+マウスホイールで拡大や縮小ができます

実際に操作してみるとその違いがはっきりわかります。言葉では伝わりにくいかもしれませんが、チャートの操作スピードが格段に向上したため、分析時間を短縮できるでしょう。

もちろん、虫眼鏡のアイコンや右クリックで拡大や縮小も可能です。

チャート上にミニチャートを表示可能

チャート図

MT5ではチャート上にミニチャートを表示できます。

ミニチャートは複数表示が可能で、異なる時間足や通貨ペアごとの表示もできます。マルチタイムフレーム分析や比較分析の際に非常に役立ちます。

ミニチャートの図

ミニチャートの表示方法は、上部メニューの「挿入」から、「オブジェクト」→「グラフィック」→「チャート」を選択し、表示中のチャートをクリックするとミニチャートが表示されます。

ミニチャートの図

ミニチャートの設定を変更したい場合は、任意のミニチャートをダブルクリックし、左上に四角マークがついた状態で右クリック→「プロパティ」で変更できます。

ミニチャートの図

位置を変更したい場合は、四角マークをクリックしながらドラッグすると、移動可能です。

削除したい場合は、右クリック→「削除」で簡単に削除できます。

チャート上に経済指標の発表時間を表示できる

MT5ではチャート上に経済指標の発表時間を表示できます。

経済指標の発表時間を表示したチャート図

画像は経済指標の発表時間を表示したチャートです。チャート下部に発表予定時間が表示されています。

ツールボックスの画像

また、ツールボックスの「指標カレンダー」で経済指標の発表を確認できるようにもなりました

当日や翌日にどの経済指標が発表されるのかをMT5上で確認できるため、「エントリーした直後に重要指標の発表でサプライズが起き、急騰急落に巻き込まれて大きな含み損を抱えてしまった」というケースを防ぐのに役立ちます。

チャート図

チャートに経済指標の予定日時を表示させるには、ツールボックスの「指標カレンダー」の項目で、右クリックし、「チャートに表示」を選択すると表示されます。

チャート図

表示する経済指標を期間ごとや、国、通貨ごとに選別も可能です。「指標カレンダー」の項目で右クリックし、期間や優先順位、通貨、国を選択すると選別できます。
まずは自分が取引する通貨ペアに関連する情報だけに絞り込んでみましょう。

チャートを本体から分離できる

チャートをMT5本体から分離して独立表示することも可能になっています。

分離したチャート図

画像は分離したチャート。1枚だけでなく、複数のチャートを分離することもできます

分離したチャートは大きさを変更でき、モニターに全画面表示して見やすくしたり、マルチディスプレイに別々の通貨ペアのチャートを表示させたりもできます。

チャート図

分離方法は非常に簡単で、チャート上で右クリックして「ドッキング」をクリックするだけです。

チャート図

チャートのタブ名で右クリックして「ドッキング」をクリックしても分離可能です。

分離したチャートを元に戻したいときも簡単で、MT5に戻したいチャート上で右クリック→「ドッキング」を選択するだけです。

MT5を利用可能な国内FX会社4選

ここからは、MT5を利用して取引やチャート分析ができるFX会社を紹介していきます。

とは言うものの、MT5に対応しているFX会社はまだ少なく、MT5を使うなら以下で紹介する4社から選択することになります。

選択肢は狭いですが、各社とも取引スペック面は不満のない水準なので、安心して取引ができます。

また、「FXおすすめ口座比較ランキング!」では、MT5以外の条件でも比較検討ができますで、興味がある方は是非ご参照ください。

OANDA証券

OANDA証券の公式サイトのトップページ

OANDA証券は世界9か国に拠点を構え、世界各国で金融サービスを提供している外資系企業。日本の金融庁に登録を済ませているため、安心して取引できます。

FXにおいては、MT5のほかにMT4も使え、東京サーバーでは40通貨ペア、NYサーバーでは68通貨ペアと通貨ペア数も豊富。

そして、一番の魅力はマーケット情報の多さ

OANDAラボではさまざまな情報コンテンツを利用でき、OANDAで取引しているユーザーの指値注文とポジション状況が分かる「OANDAオーダーブック」をはじめとする数々のオリジナルの分析ツールは、相場分析の見方になってくれます。

FX以外には、株価指数CFDや商品CFDの取引も可能です。

■スプレッド

米ドル/円
ユーロ/円
ポンド/円
豪ドル/円
ユーロ/ドル

0.5銭

0.4銭~1.1銭

0.9銭~1.8銭

0.6銭~1銭

0.5pips~0.6pips

※2023年5月16日の数値
※スプレッドは時間帯によって広がる可能性があります

■スペック

取引手数料 無料
通貨ペア数 40種類
最小取引単位 1万通貨
公式サイト https://www.oanda.jp/

こんな人にオススメ!

  • 豊富なマーケット情報を活用して裁量トレードに挑戦したい
  • オーダーブックなどのインジケーターを活用したい

MT5のポイント

  • 最小取引単位は1万通貨
  • OANDAオリジナルのインジケーターを配布している
  • Macには対応をしていない

フィリップ証券

フィリップ証券は本拠地をシンガポールに置き、世界15か国に拠点を持つ総合金融会社フィリップキャピタルグループの一員。日本の金融商品取引業者の登録もしており、信頼性も問題ありません。

提供している通貨ペアは24種類。米ドル/円やユーロ/円のようなメジャー通貨ペアはもちろん、トルコリラ/円やメキシコペソ/円の高金利通貨ペア、ポンド/スイスフランやNZドル/米ドルのような珍しい通貨ペアも取引可能。

最小取引単位は1000通貨なので、初心者でも取引がしやすい点は大きなメリット。トラブルの際はお問い合せフォームと電話から問い合わせができるため、安心して取引ができる環境が整っています。

FX以外にもCFDと先物の取引ができ、対面注文では日本株投信と外国株の取引も可能です。

■スプレッド

米ドル/円
ユーロ/円
ポンド/円
豪ドル/円
ユーロ/ドル

0.4銭

1.3銭

1.8銭

1.2銭

0.2pips

※2023年5月16日の数値
※変動制
※スプレッドは時間帯によって広がる可能性があります

■スペック

取引手数料 無料
通貨ペア数 24種類
最小取引単位 1000通貨
公式サイト https://www.phillip.co.jp/

こんな人にオススメ!

  • サポートが充実しているFX会社で取引したい
  • FX以外にCFDや先物の取引もやりたい

MT5のポイント

  • 最小取引単位は1000通貨
  • 24通貨ペアを取引可能
  • スプレッドが変動制でやや広くなる時がある

外為ファイネスト

外為ファイネストは香港に本部を置く世界的な金融サービス企業であるハンテックホールディングスのグループ会社。もちろん、日本の金融庁への登録をしているので、安全性は保障されています。

MT5とMT4の両方を提供しており、好みに合わせて使い分けることもできます。

MT5で取引できる通貨ペアは25種類で、最小単位は1000通貨。少額取引が可能なので、MT5初心者でも取引しやすいFX会社です。

キャンペーンも豊富で、プレゼントキャンペーンやキャッシュバックキャンペーンも頻繁に行われています。また、スキャルピングが公認されており、MT4やMT5で短期売買をしたい人に向いているFX会社です。

■スプレッド

米ドル/円
ユーロ/円
ポンド/円
豪ドル/円
ユーロ/ドル

0.5銭

1.1銭

1.6銭

0.8銭

0.6pips

※2023年5月16日の数値
※変動制
※スプレッドは時間帯によって広がる可能性があります

■スペック

取引手数料 無料
通貨ペア数 25種類
最小取引単位 1000通貨
公式サイト https://www.gaitamefinest.com/

こんな人にオススメ!

  • 多くの種類の通貨ペアを取引したい
  • 豊富なキャンペーンを利用したい

MT5のポイント

  • スキャルピングが公認
  • 使用できるEAに制限なし
  • 取引可能な通貨ペアが少なめ

アヴァトレード・ジャパン

世界で18万以上の口座数を保有し、年間約5000億ドル以上の取引高を誇るAvaグループの一員であるアヴァトレード・ジャパン。もちろんここも日本の金融庁に登録しており、日本の法律に従って金融サービスを提供しています。

特徴は取引コースが3種類あること。

MT4を使えて、自動売買も可能な「エキスパートコース」、MT5が使えてスプレッドがエキスパートコースより0.6pips狭く、自動売買も可能な「プロフェッショナルコース」、自動売買はできませんが、MT5を使えてスプレッドがエキスパートコースより0.7pips狭くなる「プレミアムコース」から目的に合わせて選択可能。

さらに、自動売買サービス「AMMA」も魅力の一つです。

■スプレッド

米ドル/円
ユーロ/円
ポンド/円
豪ドル/円
ユーロ/ドル

0.3銭

0.4銭

1.1銭

0.8銭

0.4pips

※2023年5月16日の数値
※変動制
※スプレッドは時間帯によって広がる可能性があります

■スペック

取引手数料 無料
通貨ペア数 55種類
最小取引単位 1000通貨
公式サイト https://www.avatrade.co.jp/

こんな人にオススメ!

  • 自動売買で運用したい
  • 自動売買サービス「AMMA」を使いたい

MT5のポイント

  • 比較的スプレッドが狭め
  • 2種類の取引コースを選択できる
  • レポートやコラムなどのオリジナルコンテンツが少ない

MT5をFX取引に活かす方法

MT5にはトレードに役立つ機能が盛りだくさんで、初心者のうちはどの機能をどのように使っていいか悩むこともあるでしょう。

ここでは、MT5の機能の中から、特に取引に役立つものを紹介していきます。

テクニカルインジケーターをフル活用する

MT5に搭載されているインジケーターはMT4の30種類よりも多い38種類。豊富なテクニカル指標を使った、確度の高いチャート分析がMT5の魅力です。

チャート図

例えば、ポピュラーな方法の一つですが、移動平均線を3本表示させ、ゴールデンクロスの発生でエントリーというテクニカル分析も容易。

もちろん、移動平均線やボリンジャーバンド、RSIなどのメジャーな指標だけでなく、アリゲーターやオーサムオシレーターといった指標も搭載しています。

さらに、カスタムインジケーターを使えるのが最大のポイント。MT5に標準搭載していないテクニカル指標でも、インストールすると使えるようになります。

カスタムインジケーターには売買シグナルを自動で表示してくれるものや、将来の値動きを表示してくれるものなど、数千種類あると言われています。

標準搭載されているインジケーターでも十分ですが、「こんなインジケーターがあったらいいのに」という願望を叶えたいなら、MT5でカスタムインジケーターを探してみましょう。

カスタムインジケーターとは

個人が作成したオリジナルのインジケーターです。例えば、ゴールデンクロス・デッドクロスが発生したポイントにシグナルを発生させるようなインジケーターを作成し、それをMT5にインストールすると使用できます。

カスタムインジケーターはMQL5コミュニティの「マーケット」や販売サイト、個人ブログなどで無料で入手、もしくは購入できます

豊富な描画ツールでチャート分析を極める

MT5はテクニカル指標だけでなく、描画機能も豊富です。

チャート図

水平線やトレンドラインはもちろん、チャネルラインやギャン、フィボナッチなど、さまざまなラインを駆使して、チャート分析が可能です。

チャート図

また、図形も描画可能。長方形、三角形、楕円形をチャートに表示できます。

さらに、矢印やテキストをチャート上に表示もできます。買いや売りのポイントに矢印でマークや、分析中に思いついたことをコメントで残すことが可能です。

これらのさまざまなラインや図形をチャート上に自由に描画できるため、より高度なチャート分析を可能にしています。

チャート図

描画機能は、上部メニューの「挿入」→「オブジェクト」から可能です。

自動売買の運用が可能

MT5では裁量取引だけでなく、自動売買が可能です。

EAと呼ばれる自動売買プログラムをインストールすると、自動売買が可能になります。

自動売買は、自身でチャート分析や注文を出さずとも、機械的に24時間自動取引してくれるので、忙しくてチャートに向き合えない会社員や、チャート分析がおぼつかない初心者には特に便利です。

EA(自動売買ソフト)の入手方法

EAもカスタムインジケーターと同様に、販売サイトや個人ブログで購入もしくは無料で入手できます。説明などは全て英語ですが、MQL5コミュニティの「マーケット」でも購入可能です。

一方で、EAには詐欺の事例も報告されています。「1年後に利益が100倍」だとか「勝率100%」といった過激な謳い文句を鵜呑みにするのはやめましょう。

MT5のメリット

MT4と比較し、MT5を使うメリットを解説していきます。

主なメリットとしては、以下の5点が挙げられます。

MT4より動作が軽い

すでに触れているとおりMT5は64bitで、MT4の32bitと比較すると情報処理が圧倒的に速くなっています

そのため、MT5はMT4のようにインジケーターを複数表示させたり、カスタムインジケーターを表示させる際に重くなる可能性が低いです。

ストレスなくチャート分析や取引ができる点はメリットです。

MT4より表示できる時間足が多い

MT5で表示できる時間足は21種類と、MT4の9種類よりも多くなっています。

より多くの時間足を表示できるため、売買ポイントの判断基準を増やせます。

MT5
1分足、2分足、3分足、4分足、5分足、6分足、10分足、12分足、15分足、20分足、30分足、1時間足、2時間足、3時間足、4時間足、6時間足、8時間足、12時間足、日足、週足、月足
MT4
1分足、5分足、15分、30分足、1時間足、4時間足、日足、週足、月足

複数のチャートを本体から分離できる

MT5ではチャートを本体から分離させて独立表示が可能です。チャートをMT5外に表示でき、さらに複数分離も可能なので、分析の幅が広がります。

チャート図

分離したチャートは大きさの変更もできます。画面全体に拡大できるので、分析しやすいように調整しましょう。

別々の時間足のチャートを複数表示させてマルチタイムフレーム分析や、通貨ペア別にチャートを表示させて比較分析の際に役立ちます。

独立させたチャート上で右クリックし、「ドッキング」をクリックすればMT5に戻ります。

MT4より自動売買の機能が充実

MT5でもMT4と変わらずEAを使って自動売買が可能です。24時間自動で売買してくれるので、取引チャンスを逃すことなく、利益を積み重ねるチャンスが増えます。

またMT4と比較するとMT5はバックテストの設定が増えており、複数通貨ペアを同時にバックテストが可能です。

MT5はEAの種類がMT4よりも少ないというデメリットがありますが、自動売買のバックテスト機能はより高機能になっています。

将来的にMT4から移行する可能性が高い

MT5の方が性能が良いと言っても、まだまだMT4の方が利用者も多いのは事実です。

現時点ではカスタムインジケーターやEAの種類もMT4の方が豊富であり、MT5に対応しているFX会社も少ない状況なので、使う機会は少ないかもしれません。

ただし、開発元のメタクォーツ社はMT5の開発に注力しており、各ブローカーにMT5への切り替えを推奨しています

これらのことを考えると、将来的にMT5に対応するFX会社も増え、カスタムインジケーターやEAの種類も多くなってくると予想されます。

今のうちにMT5に慣れておくと、いざMT5への移行が本格化した時にスムーズな運用ができるかもしれません。

MT5のデメリット

MT5のメリットだけでなく、デメリットも解説していきましょう。

主なデメリットとしては、以下の3点です。

MT4と互換性がない

これについてもすでに触れているとおりですが、MT5とMT4はソースコードが異なります。MT5はMQL5、MT4はMQL4というプログラミング言語を使ってカスタムインジケーターやEAを作成します。

このMQL5とMQL4は別々のプログラミング言語のため、互換性がありません。つまり、MT4のEAやカスタムインジケーターをMT5で使うことができないデメリットがあります。

MT4で良さそうなEAやチャート分析に使っているカスタムインジケーターは、MT5に切り替えると使用できなくなる点に注意しましょう。

使えるカスタムインジケータとEAの数が少ない

MT5で使えるEAとカスタムインジケーターはMT4よりも圧倒的に種類が少なく、MT4用のEAとカスタムインジケーターをMT5で使用できない点は、MT5の最大のデメリットと言えます。

将来的にMT5が普及しても、MT4が使える限り、開発者側は長年使い続けて慣れ親しんでいるMQL4での作成も続けられると考えられ、今後もMT4のEAやカスタムインジケーターの種類が増えていく可能性は高いといえるでしょう。

もちろん、MT5のEAやカスタムインジケーターも増えています。しかし、現時点でいろいろな種類のEAやカスタムインジケーターを使いたい人には、MT5は不満があるかもしれません。

MT5に対応している国内FX会社が少ない

MT5に対応している国内FX会社はこの記事で紹介する4社のみと非常に少なく、選択肢の幅は狭いと言えます。

例えば「A社はスプレッドが狭くて良さそうだ」とか「通貨ペアの多いB社で取引したい」などと思っても、そのFX会社がMT5に対応していなければMT5を使って取引できません

将来的にMT5に対応するFX会社も増えてくる可能性はありますが、現時点だと、数社の中から選ばなければいけない状況です。

MT5の使い方

ここからはMT5のインストールから取引までの流れを解説していきます。

といっても難しい操作は必要なく、MT5アプリをインストールしてログインするだけです。

【PC版MT5】取引までの流れ

1.ダウンロード
まずは、MT5のアプリをダウンロードします。アプリは各FX会社からダウンロードできます。

2.インストール
ダウンロードし終わったアプリをクリックしてインストールします。

ユーザーライセンスの同意書画面

「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」に「はい」、ユーザーライセンス同意書は「次へ」をクリックしてください。

インストールが終了したら、ブラウザでMQL5にユーザー登録のサイトが表示されます。登録しなくてもMT5は利用できるので、そのまま閉じても問題ありません。

3.口座にログイン

チャート図

MT5を起動し、右下のデータ送受信値のアイコンをクリックします。

チャート図

一覧の中から「ログイン」をクリックします。

ログイン画面

ログイン画面にIDとパスワード、サーバーを入力し、「OK」をクリックします。入力情報が間違っていなければ、ログイン完了です。

アカウント情報については、FX会社から届くMT5口座のアカウント情報を参照してください。

チャート図

ログインは、「ファイル」→「取引口座にログイン」でも可能です。

4.注文方法

チャート図

注文したい場合は、上部のメニューにある「新規注文」から可能です。

チャート図

チャート上で右クリックし、「プライスボード」→「新規注文」でも可能です。

チャート図

「ツール」からも「新規注文」を選択可能です。

オーダーパネルの図

「新規注文」をクリックしたら、上のようなオーダーパネルが表示されます。銘柄や注文の種類、数量などを設定しましょう。

設定が終わったら、売りなら「Sell」、買いなら「Buy」をクリックすると発注完了です。

オーダーパネルの図

指値注文の場合は、「Buy Limit」や「Sell Limit」などを選択可能です。

【スマホアプリ版MT5】取引までの流れ

1.ダウンロード
まずは、スマホにインストールします。AndroidならGoogle Playから、iPhone(iOS)ならApp Storeからインストールできます。

2.口座にログイン

取引までの流れの画像

インストールしたら、スマホのMT5アイコンをタップしましょう。

取引までの流れの画像

「デモ口座を開く」の画面が表示されたら、右上の×をタップしてください。

取引までの流れの画像

次に、「証券会社を検索」欄にログインしたいFX会社名を入力します。

取引までの流れの画像

FX会社から送られてきたMT5口座のアカウント情報を入力し、指定されたサーバーを選択します。入力し終わったらログインをタップしてください。

アカウント情報が正しければ、ログイン完了です。

4.注文方法

注文までの流れの図

「気配値」画面の中から、取引したい通貨ペアをタップします。

注文までの流れの図

表示される項目の中から、「新規注文」をタップします。

注文までの流れの図

注文設定画面が表示されるので、注文の種類や数量などを設定します。注文の種類は「成行注文」の部分をタップすると、切り替え可能です。

設定が終わったら、「SELL」もしくは「BUY」をタップして発注完了です。

注文までの流れの図

指値注文の場合は、価格や有効期限も指定可能です。設定が終わったら「発注」をタップで、発注完了です。

注文までの流れの図

チャート画面で注文したい場合は、右上の「+」をタップすると注文設定画面が表示されます。

MT5でEA(自動売買)を使う方法

MT5ではEAを使った自動売買も可能です。24時間自動で取引してくれるので、忙しい人でも利益を獲得するチャンスがあります。

ここからは、MT5での自動売買のやり方を解説していきます。

EA(自動売買)の始め方

1.EAを入手する
まずは、EAを入手しましょう。EAは販売サイトでの購入や、無料配布されているものをダウンロードする方法が一般的です。

ただし、MT4用のEAはMT5では使えないので間違って購入しないように注意しましょう。

2.EAファイルをインストール
EAを手に入れたら、MT5にインストールしましょう。

EAファイルをインストールする手順の図

インストール方法は、上部のメニューの「ファイル」→「データファイルを開く」を選択します。

EAファイルをインストールする手順の図

フォルダ内から「MQL5」を選択します。

EAファイルをインストールする手順の図
EAファイルをインストールする手順の図

「MQL5」の中にある「Experts」フォルダの中にEAファイルを入れ、MT5を再起動させます。

EAファイルをインストールする手順の図

インストールが成功すると、右側の「ナビゲータ」にインストールしたEAの名前が表示されます。

「ナビゲータ」ウィンドウが表示されていない場合は、上のメニューの「表示」から「ナビゲータ」を選択してください。

3.自動売買ボタンをオンにする

チャート図

メニューにある「アルゴリズム取引」をクリックして緑色にします。緑色なら稼働中で、赤色は停止中です。クリックすると、切り替えができます。

4.ナビゲーターからEAをチャートにドラッグ&ドロップ

チャート図

「ナビゲーター」から動かしたいEAを選択し、チャートにドラッグ&ドロップをします。

5.パラメーターの設定して稼働

チャート図

設定画面が表示されます。「共有」タブの「アルゴリズム取引を許可」にチェックをいれないと、動かないのでチェックをいれましょう。

また、「インプット」タブでlot数などのパラメーターが表示されます。問題なければ「OK」をクリックしてください。

チャート図

EAが稼働していれば、右上のマークが点灯します。EAが稼働していないとマークが消灯します。

EAはPCをシャットダウンすると停止する

EAの稼働には、MT5が起動している必要があります。途中でMT5を閉じてしまうと、EAも稼働を停止します。つまり、EA運用を1年間するためには、PCを24時間365日起動させ続けなければいけません。

しかしPCを起動させ続けるのは現実的ではありません。そこで、出番になるのがVPSです。

VPSとは「仮想専用サーバー」のことで、VPSを利用すると自宅のPCを起動させなくても、EAを24時間動かし続けることが可能に。VPSの使用にはお金はかかりますが、本格的な自動売買をする人には欠かせないサービスです。

自動売買を停止させる方法

EAの停止方法はとても簡単。始められた人ならまったく問題ないレベルです。

チャート図

EAを停止させるには、上部のメニューにある「アルゴリズム取引」をクリックしてください。

チャート図

クリックすると赤色の四角(オフ)の状態になり、EAが停止します。チャート右上のマークが消灯していれば、EAが停止中です。

複数のEAを稼働させていて、特定のEAだけ停止させたい場合は、チャート上で右クリックして、「エキスパートリスト」を選択します。

チャート図

一覧から停止させたいEAを選択し、「プロパティ」をクリックします。

チャート図

「共有」タブの「アルゴリズム取引を許可」のチェックを外して、そのEAの運用が停止します。

チャート図

ちなみに、チャート右上のマークをダブルクリックしてもEAの設定タブが表示されます。

バックテストのやり方

EAのバックテストはストラテジーテスターで行えます。

バックテストの手順の図

まずは、上部のメニューから「表示」→「ストラテジーテスター」を選択します。

バックテストの手順の図

MT5の下部にストラテジーテスターが表示されるので、テストする内容を選択します。初心者は、「単一」を選択しましょう。

バックテストの手順の図

次にバックテストの設定をします。「エキスパート」でバックテストをしたいEAを選び、バックテストを行う期間や通貨ペア、金額などを設定します。設定し終わったら「スタート」をクリックすると、バックテストが開始されます。

バックテストの手順の図

緑色のバーが右まで達すると、バックテスト完了です。デフォルトだと終了音がなります。

バックテストの手順の図

バックテストの結果は、「バックテスト」タブで確認できます。バックテスト期間中の損益やドローダウン、取引数、勝率などの数字が項目ごとに記載されています。

下にスクロールすると、棒グラフもあります。

バックテストの手順の図

「グラフ」タブでは、バックテスト期間中に口座残高と有効証拠金がどのように推移したのかをグラフで確認できます。基本的に、右肩上がりだと、バックテストで利益を出したEAだと判断できます。

MT5とMT4はどちらがおすすめ?初心者はいらない?

MT4とMT5には一長一短の部分があり、どちらを選べば良いか悩んでいる人も多いかもしれません。

ここでは、そんな悩みを解決できるように、MT4に向いている人、MT5に向いている人を解説していきます。

カスタムインジケーターやEAの種類が豊富なのはMT4

カスタムインジケーターやEAの数はMT4の方が圧倒的に多いです。

MT4は2005年にリリースされ、2023年で18年が経過します。その間に作成されたカスタムインジケーターやEAは数えきれないほど。

MT5への移行が遅い理由には、MT4のEAやカスタムインジケーターが多すぎて、使えなくなると困る人が多いからという面もあります。

実際に、販売サイトでもMT4用のEAやカスタムインジケーターの出品が続いており、今後もMT4用のEAやカスタムインジケーターを開発する人は多いと考えられます。

さまざまなカスタムインジケーターを使ってチャート分析をしたい人や、EAを使って自動売買をしたい人は、MT4の方が向いています。

これからMT4やMT5を使いたい人はMT5がおすすめ

これからMT4かMT5を使ってみたいと考えていて、カスタムインジケーターやEAを使う予定のない人はMT5の方がおすすめです。

MT5は動作が速さ、切り替えられる時間足の多さ、初期搭載されているテクニカル指標、板注文が可能と、多くの機能面でNT4を上回っています。

開発元のメタクォーツ社もMT5に注力しているため、将来的にMT5が主流になってくる可能性は高く、MT5用のカスタムインジケーターやEAも増えてくると思われます。

今後のことを考えても、今のうちからMT5に慣れておくというメリットもあるため、MT5を選ぶ方が良いでしょう。

MT5についてよくある質問

海外業者のMT5は使わない方がいいですか?

そもそも、海外業者で取引すること自体おすすめできません。

海外業者は出金拒否や口座凍結などのトラブルに遭うリスクがあり、日本の金融庁に登録をしていないため、追及が難しく、泣き寝入りすることになる可能性が高いです

リスクを減らすためにも、金融庁に登録しているFX会社のMT5を利用する方が良いでしょう。

MT5にもデモ口座はあるのでしょうか?

この記事で紹介している外為ファイネストOANDA証券フィリップ証券アヴァトレード・ジャパンの4社でMT5のデモトレードが用意されています。

カスタムインジケーターやEAの入手方法を教えてください

EAやカスタムインジケーターはインターネットサイトで購入したり、無料配布されているものをダウンロードすることで入手できます

MT5の「ナビゲーター」の「マーケット」やMQL5コミュニティのマーケットでも販売しています。もしくは、自作する方法もあります。

MT4のEAやインジケーターをMT5で使う方法はありますか?

MT4とMT5はプログラム言語が異なっているため、MT4用のEAやインジケーターをMT5でそのまま使うことはできません。

今後はMT5を使える国内のFX会社は増えていくのでしょうか?

MT5の開発元であるメタクォーツ社はMT5に力を入れています。MT4では数多くのカスタムインジケーターやEAが出ているため、すぐにMT5に切り替わるとは言えませんが、将来的にMT5が普及する可能性はあります。

MT5のまとめ

  • MT5は、MT4の後継としてリリースされている取引プラットフォーム
  • 後継なので基本的なスペックは向上しており、より複雑な分析が可能
  • ただし現時点では、カスタムインジケーターやEAの数ではMT4の方が多い
  • MT5を使えるFX会社はまだ少ないのも事実

大学卒業後、業界新聞社2社を経験。業界紙記者の過酷さ、ライティングや取材の楽しさ、そして斜陽産業の先行きの暗さを学ぶ。

その後、投資関係のコンテンツに携わって投資スキルを高めようと決意し、FXの専門誌「FX攻略.com」の編集者としてFX業界に潜り込む。

FX攻略.com』の休刊後、勤め人からフリーライターに転身。

現在はFX系の雑誌『外国為替』を中心に、投資関連の記事・執筆に従事中。

鹿内武蔵

FX雑誌『外国為替』編集長・株式会社tcl代表取締役

鹿内武蔵

2022年創刊のFX雑誌『外国為替』編集長。

FX編集者歴は長く、2008年より『FX攻略.com』元副編集長として、取材・編集・執筆に携わる。多くの勝ち組トレーダーや証券会社を取材してきた経験を活かし、FXが国民的投資になることを目標に、FX、投資ライターとして活動中。

株式会社tcl代表として各種メディアで執筆しているほか、自身もトレーダーとしてFXの運用も行っている。好きなテクニカル分析はボリンジャーバンド。

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記事の編集責任者

齋藤直人

FINANCIAL JOURNAL編集長

齋藤直人

編集者歴20年以上。主に紙媒体で編集経験を積み、趣味系雑誌4誌の編集長を歴任。

雑誌の特集記事だけでなく、企業とのタイアップ企画、地域活性化事業への参画など、コンテンツ制作力を活かして幅広いフィールドで活躍。国会議員、企業の重役、スポーツ選手、芸能人などジャンルを問わず幅広いインタビュー経験を持つ。

FXトレーダー歴も5年以上あり、好きなトレードスタイルはスイングトレード。これまでの最大勝ち幅は1500pips

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