インフレ(インフレーション)とは?をわかりやすく解説!基礎知識と投資に役立てる方法も紹介

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「最近やたらとインフレという言葉を聞くようになり、不安になってきた」
「学校で習った記憶はあるけれど、詳しいことは忘れてしまった」

経済ニュースなどで盛んに聞く「インフレ(インフレーション)」という言葉に対して、不安に思う方も多いでしょう。

インフレに関する基礎知識

  • インフレとは貨幣の価値が相対的に下がっている状態のこと
  • デフレとは物価が低くなり、相対的に貨幣の価値が高くなっている状態のこと
  • インフレ時に現金のまま資産を持っていると実質的な価値が目減りするので注意が必要
  • インフレに強い貴金属や不動産といった実物資産を保有するか、FXや株式投資で対策するのがおすすめ

この記事では、「インフレーション」という基礎知識をわかりやすく解説。インフレを乗り切る・投資に役立てる方法についても解説しています。昨今の経済ニュースを見て漠然とした不安を抱えている人は、この機会にインフレの基礎知識を押さえておきましょう。

目次

インフレとは?今さら聞けない意味と仕組み

インフレとは、「インフレーション」の略語です。一般的にインフレと聞くと「物価が高くなる現象」と理解されていますが、貨幣の価値が相対的に下がっている状態ともいえます。

世の中のモノやサービスの価格(物価)が全体的に継続して上昇すること。

英語表記「Inflation」の日本語読みで、一般的には「インフレ」と略されて呼ばれることのほうが多いです。一般的には、好況でモノやサービスに対する需要が増加し、供給を上回ることで発生し、企業利益の上昇から賃金が増加し、消費が進むので、緩やかなインフレは望ましいといえます。一方で、同じ金額で買えるものが少なくなるので、お金の価値は下がることになります。

引用元:インフレーション-大和証券

モノの価格と貨幣の価値はシーソーのような関係で、片方が重く(高く)なれば、もう片方は軽く(安く)なる仕組みになっています。

インフレーション

リンゴを1個100円で買えていたのが通常の状態だとします。インフレが進行して貨幣の価値が半分になると、これまで100円だったリンゴを買うために200円が必要になります。

単純にリンゴの価格が上昇した可能性もありますが、リンゴ以外のあらゆるモノの価格が上昇しているのであれば、それはインフレが主な原因です。

日本は長らくデフレ(デフレーションの略。詳しくは下で解説します)が続いていたので、モノの価格が下がって貨幣の価値が高くなっていました。

デフレ時代を象徴していたのが、牛丼の価格です。デフレ当時の牛丼は最安値が280円でしたが、2022年11月現在では408円です。同じ牛丼チェーンの同じ並盛牛丼で120円以上も価格が上昇した原因には、インフレが深く関わっているといえるでしょう。

良いインフレと悪いインフレ

インフレという言葉には一般的に悪いイメージがあるかもしれませんが、実は「良いインフレ」と「悪いインフレ」があります。

「良いインフレ」というのは、景気が拡大してモノの需要が増し、価格が上昇していく状態です。景気が拡大すると事業が活発になり人手が不足するので人件費も上昇し、給料が高くなった人はより多くの消費をするため、さらに景気が拡大します。

逆に「悪いインフレ」は、景気が停滞しているのに戦争や経済危機などの事情で物価だけが上昇している状態です。2022年はロシアのウクライナ侵攻やコロナ禍からの経済再開など物価が高くなる要因がいくつも重なっているため、「悪いインフレ」が進行していることが問題視されています。

この「悪いインフレ」は先ほど解説したスタグフレーションに近い状態なので、収入が減る一方で物価だけが上昇するので生活が苦しくなる人が多くなってしまいます。

インフレと比較されるデフレーション・スタグフレーションとは?

インフレとセットでよく比較されるのが、デフレ(デフレーション)とスタグフレーションです。インフレとは異なる局面なので、1つずつ解説しましょう。

デフレは、インフレの真逆です。物価が低くなり、相対的に貨幣の価値が高くなります。

一般的に景気が悪いとデフレになりやすいと言われており、安くしてもモノが売れないのでさらに価格を安くする競争が激化。その結果として人件費も低く抑えられて給料が少なくなると消費が冷え込み、さらに安くてもモノが売れない状況に陥ります。

これをデフレスパイラルといい、日本経済は数十年間このデフレスパイラルに苦しめられてきました。

もうひとつのスタグフレーションは、インフレーションよりもっと深刻な状況です。景気が良くない状況で物価だけが高くなる現象のことで、景気停滞を意味する「スタグネーション」と「インフレーション」を組み合わせた造語です。

モノの需要が落ち込むと不景気になり、普通はデフレになるのですが、景気変動とは別の原因で「景気は落ち込んでいるのに物価だけが高くなる」のが、スタグフレーションです。

2022年の日本で進行しているインフレは「悪いインフレ」といわれることが多いですが、それはスタグフレーションに近い状態であるからです。このことについては、次項で解説します。

インフレを投資に活かす方法とは?

ここまでの解説でインフレについての概要は理解できたのではないでしょうか。そして同時に「インフレが続くと資産が減ってしまうの?」「それを避ける方法はないの?」といった疑問を持った人も多いことでしょう。

投資に活かして資産増を目指すことを「攻め」と表現するなら、インフレによる悪影響を乗り切る方法は「守り」です。

投資によってこの「攻め」と「守り」の両方でインフレに対応することが可能なので、それぞれの方法について解説します。

  • 現金や預金などはインフレで価値が下がってしまうことに注意
  • インフレに強い資産を保有する
  • インフレでも利益を出せる投資を選ぶ

現金や預金などはインフレで価値が下がってしまうことに注意

まず最初に知っておきたいのは、インフレではモノに対して貨幣の価値が相対的に低くなるので、現金のまま資産を持っていると実質的な価値が目減りするということです。

例えば100万円の現金を持っていたとしても、インフレが進行するとこれまで100万円出せば買えていたモノが110万円、120万円になっていきます。これは実質的に100万円の資産が90万円、80万円に目減りしていることを意味します。

日本では投資が身近ではなく、「銀行預金がもっとも安全」といったイメージが根強く続いていました。しかし銀行預金ではほとんど資産を増やすことはできず、インフレが継続したときの「資産の目減り」というリスクから逃れることはできません。

これを避けたいのであれば、「目減りしない資産に換えておく」という方法が「守り」につながります。

インフレに強い資産を保有する

先ほど資産価値が目減りしない資産に換えておくことが「守り」になると述べましたが、どんな資産がインフレに強いのでしょうか。

代表的なものとしては、貴金属や不動産だと言われています。これらはいずれも実物資産と呼ばれる「モノ」なので、インフレになると相対的な価値が高くなります。

金(ゴールド)・銀・プラチナなどの貴金属や、土地・建物など不動産の現物を所有するのが最も確実ですが、これらの投資にはまとまった資金が必要が必要なので、多くの人にとって気軽にできるものではないという側面もあります。

そこで、これらの実物資産と同様の投資効果が得られる商品が考えられます。

金であれば金ETF、不動産であればREITなど証券化された商品にも、インフレ耐性があると言われています。これらは、現物よりも少額から投資できるというメリットがあります。

インフレでも利益を出せる投資を選ぶ

現金や預貯金から現物資産に資金をシフトすることは、インフレに対する「守り」です。それに対して「攻め」といえるのが、FXや株式投資です。

FXや株式投資はインフレやデフレに関係なく日々値動きをしているので、インフレが進行しても値動きさえしていれば利益を狙えるチャンスは変わりません。

インフレでは物価が上昇するので、企業の額面ベースでの売り上げは増えます。それは好業績と見なされるため、株価の上昇要因となります。一方、短期的には金融引き締めの懸念によって株価が下落する局面もあります。

株価が上がるか下がるかを予測するには長期的・短期的どちらの視点も必要ですが、長期的な視点で見れば株式投資はインフレにも強いと言われています。

一方FXは、相場の上昇時に買うという取引はもちろん、下落時には「売りから入る」という取引も普通に行うことができます。つまり相場が上昇局面でも下落局面でも、値動きさえしていれば利益を出せる可能性があります。

またFXで注目したいものとしては、スワップポイントというものもあります。

インフレの局面では貨幣の価値が低くなっているわけですが、それを是正するには市中で流通している貨幣の量を減らすのが有効です。貨幣の希少性が高まれば価値の低下を防ぎ、逆に高くすることができるからです。

そこで各国政府は金融引き締め政策をとります。具体的には金利を引き上げて市中のお金を預金などに向かわせることで流通量を抑制しようとします。

ここで2つの国の間に金利差が発生すると、FXではその差額を「スワップポイント」として日々受け取ることができるのです。例えば2022年現在でいえば、日本円を売って米ドルを買うポジションを持つと、スワップポイントを受け取ることができます。

2022年のアメリカは、相次ぐ政策金利の引き上げによってドル円の買いポジションに対するスワップポイントは上昇しました。金利引き上げ(スワップポイント上昇)があるとその通貨は買われやすくなるため上昇圧力がかかりますし、スワップポイント狙いの投資もしやすくなります。

投資には元本割れリスクが伴うことも把握しておく

基本的に、投資には元本割れのリスクが伴います。貴金属や不動産でも、購入時よりも価格が下がってしまえば元本割れになりますし、FXや株式投資でも同様です。元本割れのリスクは、投資をする以上は受け入れるしかない現実といっていいでしょう。

絶対に元本割れをしたくない場合は「預金」という方法を選ぶしかありませんが、預金ではほとんど資産は増えませんし、インフレが進行した場合に目減りするリスクがあるというのはすでに解説したとおりです。

どちらのリスクを取るのかは人それぞれですが、もしも「インフレに備えたい」「さしあたって使う予定のない預金が目減りするリスクを減らしたい」というのであれば、預金以外の選択肢を考える意義は大きいといえるでしょう。

そして投資をする場合、元本割れのリスクがある以上は「余剰資金で行う」のが鉄則です。生活資金や、将来必ず使う予定のある資金を投資に回してはいけません。

インフレのまとめ

  • インフレとは、貨幣の価値が相対的に下がり物価が上がっている状態
  • 良いインフレと悪いインフレがあるが、現在の日本では悪いインフレが懸念されている
  • インフレが進行すると、現金や預金は資産が目減りする
  • インフレのリスクに備えるなら、投資を考えるのもおすすめ

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講師は大手証券会社の支店長も務めたこの道32年のプロフェッショナルです。
日本証券アナリスト協会認定のシニア・プライベートバンカー※ 資格も持つ、まさに金融エキスパートです。
※「シニア・プライベートバンカー」は富裕層の総合的な資産運用・管理に関する知識やサービスを体系化した PB教育プログラムの最上位の資格です。

エンジニアやWeb制作などIT系の職種を経験した後にFXと出会う。初心者として少額取引を実践しながらファンダメンタルやテクニカル分析を学び、現在は自動売買を中心に運用中。FXだけでなく日米のETFや現物株、商品などの投資に進出し、長期的な視野に立った資産運用のノウハウを伝える記事制作に取り組む。初心者向けの資産運用アドバイスにも注力し、安心の老後を迎えるために必要なマネーリテラシー向上の必要性を発信中。

鹿内武蔵

FX雑誌『外国為替』編集長・株式会社tcl代表取締役

鹿内武蔵

2022年創刊のFX雑誌『外国為替』編集長。

FX編集者歴は長く、2008年より『FX攻略.com』元副編集長として、取材・編集・執筆に携わる。多くの勝ち組トレーダーや証券会社を取材してきた経験を活かし、FXが国民的投資になることを目標に、FX、投資ライターとして活動中。

株式会社tcl代表として各種メディアで執筆しているほか、自身もトレーダーとしてFXの運用も行っている。好きなテクニカル分析はボリンジャーバンド。

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記事の編集責任者

齋藤直人

FINANCIAL JOURNAL編集長

齋藤直人

編集者歴20年以上。主に紙媒体で編集経験を積み、趣味系雑誌4誌の編集長を歴任。

雑誌の特集記事だけでなく、企業とのタイアップ企画、地域活性化事業への参画など、コンテンツ制作力を活かして幅広いフィールドで活躍。国会議員、企業の重役、スポーツ選手、芸能人などジャンルを問わず幅広いインタビュー経験を持つ。

FXトレーダー歴も5年以上あり、好きなトレードスタイルはスイングトレード。これまでの最大勝ち幅は1500pips

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