FXや株の相場の「押し目」とは?トレードする際のコツや注意点を解説
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FXや株のトレード手法として有名なものに「押し目買い」というものがあります。
トレード手法としては基本中の基本ともいえるものですが、初心者は「そもそも押し目って何?」というところからわからないはず。
この記事では、「押し目」とは何か、押し目買いとは具体的にどんな手法なのか、コツや注意点なども含めて解説します。
目次
押し目とは?基礎知識を解説
押し目とは、「上昇トレンド中に一時的に価格が下落したタイミング」のこと(下で詳しく解説します)。
この一時的に価格が下落したタイミングを狙って、買いエントリーするのが押し目買いです。押し目買いはFXだけなく、株式投資でもポピュラーな手法として使われています。
また、売りでのエントリーが一般的なFXでは、押し目と逆の状況として「戻り」があります。
これは、下降トレンド中に一時的に価格が上昇したタイミングのこと。この一時的に価格が上昇したタイミングを狙って、売りでエントリーすることを戻り売りといいます。
相場のトレンドをフォローする(トレンドに乗って取引する)場合には、この押し目買いや戻り売りが有効と言われており、多くのFXトレーダーが使っている手法の一つなので、覚えておいて損はありません。
ここからは、具体的な押し目と戻り、そして、どのようなタイミングで押し目買い、戻り売りを行うのかを解説していきます。
押し目とは「上昇トレンド時に一時的に値段が下がった」状態
さっそく、図を使って「押し目とはどんな状態なのか」を見ていきましょう。
下の図は上昇トレンドを表しています。上昇トレンドは基本的に、一本調子でずっと価格が上がっていくわけではなく、相場参加者の利益確定などで一時的に価格が下がる調整局面があります。その一時的に下がったところが「押し目」になります。
トレンドはしばらく続く傾向があるため、価格がさらに上昇することを期待し、この押し目のタイミングで買いでエントリーするのが押し目買いです。
押し目買いをして思惑通りに上昇していくと、普通に買いエントリーをするよりも値幅を取れるので、上昇トレンド時の取引手法として多くのトレーダーが使っています。
戻りとは「下降トレンド時に一時的に値段が上がった」状態
次にFXではポピュラーな「戻り」を見ていきます。図は下降トレンドです。
下降トレンドも上昇トレンドと同じように、一本調子でずっと価格が下がるわけではありません。一時的に価格が上がる調整局面があり、その上がったところが「戻り」になります。
この一時的に価格が上がったタイミングで売りエントリーするのが戻り売りです。
戻り売りは株式ではあまり使われませんが(株の場合は買いから入るのが一般的なため)、売りからでもエントリーできるFXではよく使われている手法の一つです。
戻りのタイミングでエントリーし、その後も下降トレンドが続くと、値幅を大きく取れるメリットがあります。押し目買いと同じく、下降トレンド時の取引手法として覚えておきましょう。
押し目買いと戻り売りの基本をチャートで理解
ここからは実際のチャートを使って、押し目と戻りを見ていきます。
まずは、押し目買いや戻り売りをするために重要なポイントである、トレンドについて解説します。
押し目買いと戻り売りは相場のトレンドを見極めるのが重要
相場は上昇トレンド、下降トレンド、レンジの3種類の状態に分けられます。
トレンドとは相場の方向性です。上昇トレンドなら相場は上昇傾向にあり、下降トレンドなら相場は下落傾向にあるといえます。
画像は上昇トレンド時のチャート。ローソク足が右肩上がりに動いており、この相場だと買い目線が有効です。
こちらの画像は下降トレンド時のチャート。ローソク足が右肩下がりに動いており、この相場だと売り目線が有効になります。
相場の格言に「トレンドイズフレンド」というものがあります。これは、トレンドが発生した時はトレンドに逆らわずに、トレンドの方向に乗っていくトレンドフォローが利益を取りやすいという意味です。
一方のレンジ相場とは「一定の値幅の中で、上昇と下落を繰り返している相場」のことです。
画像はレンジ相場のチャート。2本の水平線の間でローソク足が上昇と下落を繰り返しています。相場の方向性がない状態であることがわかるでしょう。
レンジ相場では、レンジの上限に価格が近づいたら売り、下限に価格が近づいたら買いといった逆張りが有効です。
ただし、価格がレンジの上限もしくは下限を抜けたらトレンドが発生する可能性があるので注意しましょう。
上昇トレンドの見極め方
上昇トレンドの見極め方について解説していきます。主な上昇トレンドの判断方法としては、以下があります。
・高値と高値、安値と安値が切り上がっている
上昇トレンドの特徴として、高値と高値、安値と安値が切り上がっていきます。ざっくりと説明するなら、高値と安値が上昇している状態なので、ぱっと見ただけでも上昇トレンドと判断できるのではないでしょうか。
・トレンドラインを引く
トレンドラインを引くとトレンドの方向がより分かりやすくなります。トレンドラインとはチャート上に引くラインで、高値同士、安値同士を結びます。上昇トレンドの場合は安値と安値を結びます。
上昇トレンドだと、画像のようにラインが右肩上がりになるので、視覚的に判断しやすいです。
・移動平均線の傾きを見る
移動平均線の傾きでトレンドが分かります。移動平均線が上向きなら上昇トレンドと判断可能です。
画像では3本の短期、中期、長期の移動平均線を表示させていますが、3本全ての移動平均線が上向きなら非常に強い上昇トレンドになります。
1本の移動平均線でもトレンドを判断できますが、複数の移動平均線を表示させると、より判断がしやすくなります。
移動平均線の傾きが横向きなら相場に方向性がなく、レンジ相場と判断できます。
下降トレンドの見極め方
上昇トレンドの次は、下降トレンドの見極め方を解説します。こちらの見極め方も上昇トレンドとほぼ同じですが、見方は反対になります。
・高値と高値、安値と安値が切り下がっている
上昇トレンドとは反対に、高値と高値、安値と安値が切り下がっている状態が下降トレンドの特徴です。高値と安値が下落している状態なので、ぱっと見でローソク足が右肩下がりになっていると、下降トレンドと判断できます。
・トレンドラインを引く
下降トレンドだと画像のようにラインが右肩下がりになります。下降トレンドの場合は、高値と高値を結びます。
・移動平均線の傾きを見る
下降トレンドの場合、移動平均線は下向きになります。画像は下降トレンドに短期、中期、長期の3本の移動平均線を表示させていますが、全て下向きになっていることが分かります。
こちらも3本全ての移動平均線が下向きなら非常に強い下降トレンドと判断します。
FXや株で押し目でエントリーするタイミング
トレンド相場について基本的な部分を解説しましたが、トレンド相場だけ分かっても取引できなければ意味がありません。
ここからは「どのタイミングでエントリーするのか」を見ていきましょう。
FXで押し目と判断するタイミング
基本的な押し目を狙う方法としては、「日足や週足などの上位足でトレンドの方向性を確認し、下位足でタイミングを狙う」というものです。
これは米ドル/円の日足チャートです。2022年3月から2022年10月中旬まで上昇トレンドが発生していましたが、2022年7月15日から2022年8月1日にかけて一時的に下落しています。
2022年7月15日から2022年8月1日における米ドル/円の1時間足チャートです。日足と比較すると、下降トレンドに入っています。
この場合、まず日足を確認し、上昇トレンドは今後も続くと考えると、下落は一時的と判断します。
次に1時間足を見ると下降トレンドに入っている部分で、トレンドラインを引きます。そして、価格がトレンドラインを上抜けたところでトレンドが転換して上昇していくと判断し、買いエントリーをするという方法があります。
ただし、上昇トレンド時の下落が必ず押し目になるとは限りませんし、トレンドラインを抜けたら必ずトレンド転換するわけではありません。下落していくケース(いわゆるダマシ)もあるので、思惑通りにならない時は素直に損切りしましょう。
FXで戻り売りと判断するタイミング
次に戻り売りのタイミングの一例を紹介します。
米ドル/円の日足チャートです。2022年の米ドル/円は上昇基調でしたが、2022年11月から2023年1月中旬は下降トレンドになっています。
この下降トレンド中の2022年11月11日から2022年11月24日にかけて、一時的に上昇しています。
これは2022年11月11日から2022年11月24日の1時間足チャートです。2022年11月11日からはレンジ相場が続いていましたが、2022年11月21日にはレンジの高値圏だった140円台を上抜き、142円台まで上昇しています。
142円台からもレンジとなりましたが、2022年11月23日にレンジの安値圏を下抜いています。ここのレンジの安値圏を明確に下抜いたタイミングが下降トレンドへの転換と判断して、売りのエントリーをする方法があります。
実際に上位足の日足チャートを見ると、2022年11月23日からさらに下落しています。
ただし、こちらも必ず下落するわけではないので、損切りは常に頭に入れておきましょう。
株で押し目と判断するタイミング
押し目は株式投資でも使えるので、株式投資における押し目買いの一例を紹介します。
画像は三菱商事の日足チャートで、2021年12月3日から上昇トレンドになっています。
カコミの部分は2022年1月18日〜2022年1月27日の範囲ですが、ここでいったん下落し、再度上昇しているので押し目になっています。
次に丸の部分は2月24日ですが、ここで前回の押し目となった2022年1月18日〜2022年1月27日の安値にローソク足が到達しているので、価格の反発を狙って買いエントリーのタイミングと考えられます。
もちろん、反発しなかった場合も考えてエントリーと同時に損切りを設定しておくと良いでしょう。
押し目の判断に使えるインジケーターや描画機能
押し目や戻りを判断するには、テクニカル指標やラインなどの描画機能を使うと視覚的に分かりやすいでしょう。
具体的に、どのようなテクニカル指標やラインで判断するのか一例を紹介していきます。
トレンドライン・チャネルラインを描いてトレンドを判断
トレンドを判断するには、トレンドラインを引くのが効果的です。
トレンドラインはトレンドに沿って引きます。
画像のように上昇トレンドなら安値と安値を結びます。ローソク足の下にラインが引かれるイメージです。
下降トレンドなら高値と高値を結びます。ローソク足の上にラインが引かれるイメージです。
トレンドラインはサポートライン、レジスタンスラインとして機能することも覚えておきましょう。
サポートラインとは下値支持線とも呼ばれ、価格がサポートラインまで下落すると、反発して上昇しやすい傾向があります。基本的に、ローソク足の下に引かれたトレンドラインがサポートラインとなります。
一方のレジスタンスラインは上値抵抗線とも呼ばれ、価格がレジスタンスラインまで上昇すると、反発して下落しやすくなります。基本的に、ローソク足の上に引かれたトレンドラインがレジスタンスラインとなります。
価格がサポートラインを下抜いたり、レジスタンスラインを上抜いたりした場合はトレンド終了、トレンド転換のサインになるので、注意しましょう。
画像はサポートラインを引いたチャートです。ローソク足がサポートラインを下抜いた後に大きく下落しています。
トレンドライン以外にも、チャネルラインを引くのも良いでしょう。
チャネルラインとは、ローソク足の上下にトレンドラインを平行に引いたラインです。
上昇トレンドを例に挙げると、画像のように高値と高値、安値と安値にトレンドラインを平行に引きます。2本のラインが上向きになります。
下降トレンドの場合も上昇トレンドと同じように、高値と高値、安値と安値にトレンドラインを平行に引きます。こちらは2本のラインが下向きになります。
機能的にはトレンドラインと同じで、上に引いたトレンドラインはレジスタンスライン、下に引いたトレンドラインはサポートラインとして機能するため、価格はチャネルラインの中を上下しながら推移しやすいです。
そして、価格がチャネルラインを上抜く、もしくは下抜くとトレンド終了、トレンド転換のサインとなります。
ただし、ダマシとなる場合もあります。「価格がいったんサポートラインを下抜いたけどすぐに上昇した」、「価格がレジスタンスラインを上抜いた後にすぐ下落した」というケースもあるので注意しましょう。
なお、ここで紹介しているトレンドラインの引き方はあくまでも一例で、特に決まりはありません。相場参加者の数だけ引き方があります。
移動平均線を見て判断する
移動平均線を使うと押し目や戻りを判断しやすくなります。
移動平均線はサポートラインやレジスタンスラインとして機能する場合があり、そのタイミングを狙って押し目買いや戻り売りを狙えます。
画像は25日移動平均線(青)と75日移動平均線(緑)を表示させた米ドル/円のチャートです。
上昇トレンド時に、一時的にローソク足が75日移動平均線に触れるまで下落して、再度上昇しています。
つまり、75日移動平均線がサポートラインとして機能していることが分かります。
また、下降トレンド時を見ると、下落しているローソク足が25日移動平均線まで上昇してから再度下落しています。
これは25日移動平均線がレジスタンスラインとして機能しているといえます。
このように移動平均線に触れる、もしくは移動平均線をいったん抜けてから、再度トレンドの方向に動いていくパターンがあるので、価格が移動平均線に触れたところが押し目や戻りと判断してもよいでしょう。
ただし、価格が移動平均線を抜けた場合はゴールデンクロス、デッドクロスのトレンド転換のサインでもあります。
移動平均線を使って押し目買いや戻り売りをする場合は、逆指値注文で損切りをあらかじめ設定しておくなどのリスク管理をしておいた方が無難です。
チャートを長期で分析する
長期足で判断する方法もあります。
この画像は2022年12月6日から2022年12月14日における米ドル/円の30分足チャートです。
このチャートを見る限り、高値が137円台、安値が135円台で推移しているレンジ相場に思われます。
一方、この画像は2022年12月6日から2022年12月14日における米ドル/円の日足チャートです。
この2枚のチャートを比較してみると「30分足だとレンジだが、日足だと下降トレンド中の戻り」であることがわかります。
このように、短期足のチャートだとレンジ状態であっても、長期足のチャートだとトレンドが続いている中の押し目や戻りの部分であるケースがあります。
長期足のチャートを見ると、トレンドが続いているかを判断しやすいので、長期足でトレンドの状況を見つつ、短期足で押し目や戻りのタイミングを探していくと良いでしょう。
フィボナッチリトレースメントで押し目の反転ポイントを探る
「フィボナッチリトレースメント」という描画ツールを使って、押し目や戻りを判断する方法もあります。
画像はフィボナッチリトレースメントを使ったチャートの一例です。
上昇トレンドが発生した始点の130.339円と、トレンドの高値となる135.041円を結んだフィボナッチリトレースメントを引いています。この描画ツールは、フィボナッチ比率と呼ばれる比率を使い「0%、23.6%、38.2%、50.0%、61.8%、76.4%、100.0%」のラインを引くのが一般的です。
これを見ると、フィボナッチリトレースメントの0.236のラインである133.952円にローソク足が達したところで再び上昇し、135円まで戻っています。
フィボナッチリトレースメントのそれぞれのラインはレジスタンスラインやサポートラインとなりやすいので、各ラインに到達したら押し目、戻りになるだろうと予測してエントリーする方法があります。
ただし、ラインに到達したから必ず反転するとは限らないので、注意しましょう。
押し目買いはFXの取引手法として使えるのか
ここまで押し目の見つけ方やエントリーのポイントなどについて解説してきました。
ここからは、「なぜ押し目を狙った方が良いのか」「押し目は本当に使えるの?」といった疑問点点について説明していきます。
押し目を狙わない場合、高値つかみによる含み損のリスクがある
「トレンド・イズ・フレンド」という相場格言があるように、トレンドと同じ方向にエントリーする、いわゆる順張りトレードは大きな値幅を狙える確率が高いといわれており、人気があります。
しかし、トレンド相場を確認できた後に、何も考えずに飛び乗りでエントリーしてしまうと、「高値掴み」となる可能性があります。
高値掴みとは、そのトレンドの高値(天井)付近で買いエントリーをしたという意味です。
高値掴みをしてしまうと上昇トレンドがあまり伸びずに値幅が少なくなったり、その後の下降トレンドへの反転に巻き込まれて損失を出してしまったりするリスクがあります。
もちろん、トレンドの方向に飛び乗りでエントリーするのは絶対にだめだというわけではないのですが、押し目を狙った方が値幅を大きく取れる可能性が上がります。
下降トレンドも同じで、できるだけ戻りを狙って売りエントリーをしかけた方が、値幅を大きく取りやすいです。
FX経験者の語る「押し目買い」
(編集部スタッフKの場合)
私は、上昇トレンド中の押し目は積極的に狙っていきます。特に狙っているポイントとしては、前回の押し目の安値まで下がったタイミングでの買いエントリーです。
実際のチャートで説明すると、丸カコミのタイミングですね。四角のカコミが前回の安値ですが、ここの価格帯に達すると、その後に反発すると判断して買いを狙います。要するに、前回の押し目の安値がサポートラインになると考えます。
もちろん、必ず反発する可能性は少ないので、損切りの逆指値は必ず設定します。私は日足で長めのトレードをするので、100pips〜120pipsほど逆行したら損切りします。
なお、後からチャートは見ているので押し目買いのように見えますが、リアルタイムだと押し目狙いのトレードではなく、平行線を使ったライントレード的な取引になります。
前回の押し目の安値まで価格が達するケースは少ないので、達したタイミングは逃さずにエントリーし、できるだけ値幅を伸ばすようにしています。
押し目買いを狙う際の注意点
押し目買いや戻り売りに限らず、トレードに使うすべての手法は「絶対に勝てる」わけではありません。
「この手法を使えば勝てる」などと思って軽率な取引をしてしまうと、手痛い損失を負ってしまう場合があります。
ここからは、押し目買いで取引する場合の主な注意点を解説していきます。
逆張りでのエントリーになる可能性
押し目買いは「価格が上昇を続けているときに、一時的に価格が下落したところ」を狙います。つまり、逆張り的な取引になります。
逆張りは相場の流れに逆らうということ。「ここから上がるだろう」と思って買いエントリーしたら、さらに下落したので損切りとなるケースや、そもそも押し目だと思ったらそのままトレンドが反転して、大きな損失を出してしまったというケースはありがちです。
また、戻り売りでも同じです。下降トレンド中に、一時的に価格が上昇したから売りでエントリーしたら、さらに価格が上昇してあっという間に含み損が膨らんでいったというケースもあります。
上昇トレンドで押し目が発生したからすぐに買う、下降トレンドで戻りが発生したからすぐに売るのではなく、押し目から再上昇したタイミング、戻りから再下落したタイミングでエントリーした方がリスクを減らせるでしょう。
相場格言に「頭と尻尾はくれてやれ」というものがあります。
これは「天井や底で取引しようと狙っても失敗することが多いのでやめた方がいい」といった意味。格言通り「頭と尻尾」はくれてやるつもりで、できるかぎり利益を取りたいという欲望をちょっと抑えてみるところからはじめてみてはいかがでしょうか。
押し目待ちの押し目なし
押し目買いを表す相場格言に「押し目待ちの押し目なし」があります。
相場が上昇中に一時的に価格が下がったところで買おうと考えるものの、望みどおりには下がらずにエントリーチャンスを逃してしまったり、結局は高値で買ってしまうことを指したものです。
例えば、上の画像は押し目買いのタイミングの例です。
後から見たら絶好の押し目買いのチャンスがいくつもありますが、実際の相場だと「もっと下がるのではないか」「相場が反転するのではないか」といった心理が働いてエントリーできず、あとになって「待たずにエントリーしておけば良かった」と後悔する。
そんな失敗談は初心者の方なら誰もが経験してることでしょう。
また、押し目と思ったところからそのまま相場が反転し、下降トレンドになる場合もあります。
この格言は株式を題材にしたものなので「買い」について語られていますが、FXにおいては「売り」にも当てはまります。後から見たら絶好の戻り売りのチャンスでも、実際は売れないケースがありますし、下降トレンドで戻りが必ず発生するわけでもないので、注意しましょう。
相場に「絶対」はない
相場は望み通りに動いてくれません。どんな手法でも「ダマシ」が発生し、自身の思惑とは逆の方向に動いて損失となる場合もあります。
例えば、上昇トレンド中の一時的な価格の下落に「押し目買いのチャンス」と思って買いエントリーしたところ、そのまま下落して損切りになるケースが多々あります。
必ず勝てるという手法はないので、注意しましょう。
押し目に関するQ&A
押し目は必ずあるものですか?
「どんなトレンドでも必ず押し目や戻りが発生する」と断言はできませんが、基本的には一本調子でひたすら上げていく、または一本調子でひたすら下げていくような相場は非常に珍しく、どこかで調整として一時的な上昇や下落が起こる可能性は高いと考えられます。
例えば、この画像は2022年から2023年にかけての米ドル/円のチャートです。2022年は強い円安傾向が大きな話題となり、実際のチャートも右肩上がりとなっています。
2022年年初の116円台が2022年10月には150円台まで上昇していますが、このような強い上昇トレンドでも、一時的に価格が下落しているポイントがあります。
また、戻り売りも同じです。画像は下降トレンドの米ドル/円のチャートですが、124円から96円まで落ちています。これほどの強烈な下降トレンドでも、一時的に上昇している局面があることが分かります。
押し目買いを狙いやすい通貨ペアはありますか?
急変動が少なく、適度なボラティリティがある通貨ペアが押し目買いを狙いやすいと思われます。
基本的に流動性が高い通貨ペアは値動きが安定しているので、米ドル/円やユーロ/円、ユーロ/米ドルのようなメジャー通貨ペアがおすすめです。
トルコリラ/円やメキシコペソ/円のようなマイナー通貨ペアは大きく上がったかと思えばすぐに下降するといった急変動が起こりやすい傾向があります。
押し目と思って買いエントリーしたらそのまま下落していった、戻りと思って売りエントリーしたらそのまま上昇していったという動きになりやすいので、市場参加者に人気のあるメジャー通貨ペアで取引した方が無難です。
ただし、メジャー通貨でもポンド絡みの通貨ペアは値動きが激しいので、取引する際は注意が必要です。
押し目についてのまとめ
- 押し目とは、上昇トレンド中の一時的な下落
- 高値掴みを防ぐためにも、押し目買いは有効
- ただし必ず押し目があるわけではなく、逆張りになる可能性もある
- インジケーターや描画ツールを使うことで、トレードの根拠を増やすことができる
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記事の編集責任者
FINANCIAL JOURNAL編集長
齋藤直人
編集者歴20年以上。主に紙媒体で編集経験を積み、趣味系雑誌4誌の編集長を歴任。
雑誌の特集記事だけでなく、企業とのタイアップ企画、地域活性化事業への参画など、コンテンツ制作力を活かして幅広いフィールドで活躍。国会議員、企業の重役、スポーツ選手、芸能人などジャンルを問わず幅広いインタビュー経験を持つ。
FXトレーダー歴も5年以上あり、好きなトレードスタイルはスイングトレード。これまでの最大勝ち幅は1500pips
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