FXの少額取引におすすめの口座はある?初心者が最低3万円から始めるべき理由も解説

「FXの少額取引っていくらから始められるの?」
「FXの少額取引はそもそも儲かるの?」

特にFX初心者の場合は、このような不安が頭に浮かぶのではないでしょうか。

まずはFXを少額から始めたい人に知ってほしい情報をこちらです。

少額からFXを始める前に知ってほしいポイント

  • FXは最低約6円から始められる(1ドル140円×レバレッジ25倍の場合)
  • 1通貨(約6円〜)から取引できる会社はSBI FXMATSUI FXの2社のみ
  • FX初心者は最低3万円~用意するのがおすすめ
  • 1通貨からの取引にこだわりがないのであれば最小取引単位が「1,000通貨以下」の会社を選ぶ
  • それでもどの口座にするか迷ったら、GMOクリック証券(FXネオ)を選ぶ

「最低約6円ってどういうこと...?」

このような中途半端な金額になっているのは「レバレッジ」をかけた場合の最低取引金額となっているためです。

文章だけだと、わかりづらいかもしれないので図でわかりやすく説明します。

レバレッジした場合の最小取引金額

ここでは「1ドル140円」の想定で最低取引金額の目安を算出しているため、値動きすれば最低取引金額は変動します

あくまで「最低金額」のため、取引はできるもののリターンがあまり期待できないのが正直なところです...。

「1通貨でもいいからFXに慣れるためにまずは始めたい!」という方は1通貨から取引できるFX口座を選ぶと良いでしょう。

少額取引におすすめのFX会社
口座数 少額対応 スプレッド
(米ドル/円)
口座開設

300,000

1通貨〜

0.18銭〜(*2)
公式サイト

125,733

1通貨〜

0.2~1.6銭
公式サイト

349,810

100通貨〜

0.0銭(*3)
公式サイト

1,000,000

1,000通貨〜

0.2銭
公式サイト

449,858※4

1,000通貨〜

0.2銭
公式サイト

572,961

1,000通貨〜

0.2銭
公式サイト

400,000

1,000通貨〜

0.2銭
公式サイト

※スプレッドは原則固定(例外あり)

当サイトでは広告プログラムにより収益を得ています。なお、記事内で紹介された商品への申込みがあった場合には、売上の一部が当サイトに還元されることがあります。

目次

FXの少額取引は最低いくらから始められる?

FXはいくらから取引できる? FXは少額から始められることがなんとなくわかっているものの、「本当に少額で取引できるのか」「仕組みはどうなっているのか」と気になる方も多いはず。ここでは、FXがなぜ最低約6円から始められるのかについて解説していきます。

FXは最低約6円(1ドル140円の場合)から取引を始めることができる

  • もっとも少額から取引できる会社の場合、最低資金は約6円(1ドル140円の場合)
  • ほとんどの会社は最小取引単位が1,000通貨なので、5,600円から取引が可能
  • ただし現実的に考えた場合、最低でも数万円は用意したい

なぜ、FXは少額から取引ができるのか?その答えは、レバレッジにあります。

レバレッジはFXが持つ大きなメリットのひとつで、このレバレッジの利用により少額での投資が可能になります

例えば円相場が1ドル=140円のとき、普通に考えると1,000通貨(つまり1,000ドル)を取引するためには14万円が必要です。しかし、レバレッジを効かせることによって、これよりも少ない資金で取引ができるのです。

米ドル/円を1,000通貨取引するとき、資金とレバレッジの関係(1ドル140円の場合)

  • 資金14万円:レバレッジなし(1倍)
  • 資金7万円:レバレッジ2倍
  • 資金3万円:レバレッジ4.7倍
  • 資金1万円:レバレッジ14倍
  • 資金6,000円:レバレッジ23.3倍

日本ではレバレッジ25倍までの取引が可能なので、6,000円の資金があれば1,000ドル分の取引ができることがわかるでしょう。

レバレッジの仕組み

ただしレバレッジがあまりに高すぎると、相場が思惑と逆の方向に進んだときにすぐ強制ロスカットされてしまいます。そのため、初心者はレバレッジを5倍程度に抑えておくのがおすすめ

そう考えると、1,000通貨を取引するための現実的な資金の目安は約3万円ほどということがわかります。

少額でFXを始めたい人におすすめなFX口座の選び方

少額取引ができるFX会社の選び方

少額でのFX取引をしたいのであれば、FX口座もそれに合わせて選ぶ必要があります。具体的には以下のポイントを重視して選ぶとよいでしょう。

  • 最低取引単位が1,000通貨以下か
  • スプレッドは狭いか
  • キャッシュバックが気になるなら、達成条件もチェック

ポイント(1) 最小取引単位が1,000通貨以下か

少額でFX取引をしたいなら、「最小取引単位が1,000通貨以下」を目安にするといいでしょう。現在のFX業界ではほとんどの会社が1,000通貨以下ではありますが、まだ一部には1万通貨の会社(DMM FXなど)があります。

最小取引単位が1万通貨の場合、レバレッジを25倍かけたとしても最低資金が5万6,000円必要になります(※為替相場が1ドル140円の場合)。「約6万円で済むのなら少額といえるのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、レバレッジが高ければ資金に対して損益比率が大きくなり、リスクを伴います。初心者にとって現実的な目安となると30万円ほどになるため、やはり「最小取引単位をするなら1,000通貨以下」と考えた方がいいでしょう。

1通貨や100通貨から取引できるFX会社もある

上で触れたとおり、現在のFX業界では「最小取引単位:1,000通貨」が主流です。1,000通貨の場合、3万円程度の資金があればレバレッジを抑えた取引ができますが「3万円でもまだ大きすぎる。もっと少額でやりたい」という人も少なくないでしょう。

そんなときは、最小取引単位が1通貨の会社(SBI FXトレードやMATSU FX)、あるいは100通貨の会社(マネーパートナーズ)がおすすめです。1,000通貨の会社に比べると選択肢は狭まりますが、これらの会社であればより少額の取引が可能です。

ポイント(2)スプレッドは狭いか

少額取引のときだけではないですが、スプレッドの狭さは口座選びで大事なポイントの1つです。

スプレッドは取引のたびにかかる手数料のようなものなので、少額取引だとエントリーのハードルも低いので、スプレッドの影響を受ける回数が増える可能性があります。

あまりエントリー回数が多くない方であればそこまで打撃はないですが、スプレッドが狭くて困ることはないので、なるべく狭いところを選ぶとよいでしょう。

ポイント(3)キャッシュバックが気になるなら、達成条件もチェック

「できるだけ少額で取引をしたい」という人の中には、各FX会社が展開しているキャッシュバックキャンペーンが気になっている人も多いのではないでしょうか。

公式サイトに書かれている「最大〇〇万円」といった文字は非常に魅力的ですが、取引量に応じたキャッシュバックであることがほとんど。大概の場合、最大額を手にするためにはプロトレーダー並みの取引が必要だったりするので、まずは達成条件の確認をしましょう。

ちなみに1,000通貨以下の少額取引だと、キャッシュバックの最低条件に到達するのも厳しい、といった場合もあります。いずれにせよ「最大〇〇万円」といった額面だけを見て判断しないことが大切です。

キャッシュバックは「利益を得ている」わけではない?


FXには「スプレッド」という、売りと買いの価格差があります。トレーダーにとってはこれが実質的な取引手数料で、取引回数が多ければ多いほど、多くのコストを支払っていることにもなります。

そのため、取引量に応じたキャッシュバックというのはつまり「取引コストの一部回収」だというのが事実。決して「儲かった、利益が出た」というわけではありません。

ましてや「キャッシュバック条件を達成するために雑なトレードを繰り返す」ことになってしまったら、トレードによる損失も出てしまうでしょう。キャッシュバックは魅力ではありますが、あくまでトレードをサポートする副次的なものだという認識が必要です。

少額取引ができるおすすめFX口座5選

少額取引におすすめのFX会社

少額での取引が可能なFX会社はたくさんありますが、代表的な4社をピックアップしてご紹介します。

1通貨単位で取引可能な『SBI FXトレード』

国内最大手の証券会社、SBI証券のFX専用部門です。SBI FXトレードは、最小取引単位が業界最小の「1通貨」なので、とにかく少額から取引できる会社を選びたいという場合はまず考えるべき1社といっていいでしょう。

SBI FXトレードのメリット

  • 1通貨から取引できる(1ドル140円の場合、140円の資金でレバレッジ1倍の取引が可能。レバレッジ25倍なら約6円で取引できる)
  • 定期的に外貨を購入する「積立FX」というサービスも提供している

SBI FXトレードのデメリット

  • デモトレードがない(ただし1通貨から取引可能なので、実質的にはほぼデモ感覚でリアルトレードが可能)

SBI FXトレードの基本情報

SBI FXトレードの基本情報詳細
通貨ペア数 34通貨ペア
取引単位 1通貨
スプレッド(ドル/円) 0.18銭〜*
口座開設の最短日数 即日
サポート 平日9:00~17:00
デモトレード ×
スプレッドは変動制

SBI FXトレードのアプリ

サービスの特徴

    • 2022年5月のアップデートでアプリが大幅バージョンアップ
    • チャート発注に加えレードレポートや、外国為替以外のマーケット情報を表示できるように。
    • 資産状況の推移をグラフで可視化
引用:SBI FXトレード公式サイト- スマートフォン版取引アプリ 引用:SBI FXトレード公式サイト-スマートフォン版取引アプリ
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こちらも1通貨取引に対応『MATSUI FX(松井証券)』

松井FXなら100円から取引できる

証券会社として歴史ある松井証券。そのFXサービスが「MATSUI FX」です。大手証券会社でありながら、最小取引単位は業界最小の「1通貨」で、SBI FXトレードと同様に超少額からの取引が可能です。

MATSUI FX(松井証券)のメリット

  • 1通貨から取引できる(日本のFX会社で1通貨から取引できる会社は貴重で、実質的にSBI FXトレードとMATSUI FXの二択の状態)
  • レバレッジを「1倍・5倍・10倍・25倍」の4つのコースから選ぶことができる

MATSUI FX(松井証券)のデメリット

  • デモトレードがない(ただし1通貨から取引可能なので、実質的にはほぼデモ感覚でリアルトレードが可能)

MATSUI FX(松井証券)の基本情報

MATSUI FX(松井証券)の基本情報詳細
通貨ペア数 20通貨ペア
取引単位 1通貨
スプレッド(ドル/円) 0.2~1.6銭*
口座開設の最短日数 即日
サポート 原則24時間
デモトレード △*
スプレッドは原則固定、例外あり
*他社に比べて機能制限あり

MATSUI FX(松井証券)のアプリ

サービスの特徴

    • テクニカル指標が充実しておりPC並みの分析が可能
    • スピード注文や、見やすい為替ボードで取引をよりスムーズに
松井証券アプリ1引用:松井証券公式サイト- 松井証券 FXアプリ松井証券アプリ2引用:松井証券公式サイト-松井証券 FXアプリ
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スワップポイント狙いの運用におすすめ『みんなのFX』

みんなのFXのテーマ画像

「みんなのFX」は、トレイダーズ証券が提供するFXサービスです。

最小取引単位は1000通貨となっており、この記事で紹介している他の会社と比べると高く見えるかもしれませんが、現在のFX業界の標準約6,000円から米ドル/円が取引可能で、低レバレッジの運用も3万円程度あれば可能です。

スワップポイントが高水準なので、ポジションを長期保有しスワップポイントを積み重ねる運用をしたい人にはおすすめのFX会社です。

みんなのFXのメリット

  • スワップポイントが高水準で、受け取りと支払いが基本的に同額
  • 高機能チャート「TradingView」や、独自の分析ツールなどが使える
  • 自動売買やバイナリーオプションのサービスも提供している

みんなのFXのデメリット

  • 自社で提供しているアプリのテクニカル指標がやや少ない(ただTradingViewを使えばカバーできる)

みんなのFXの基本情報

みんなのFXの基本情報詳細
通貨ペア数 34通貨ペア
取引単位 1,000通貨
スプレッド(ドル/円) 0.2銭
口座開設の最短日数 即日(最短1営業日)
サポート 平日10:00~17:00
デモトレード
スプレッドは原則固定、例外あり

みんなのFXのアプリ

サービスの特徴

    • 自社アプリのほか、高機能チャート「TradingView」も使える
    • 「通貨強弱」「ヒートマップ」など独自の分析ツールを提供している

(↑みんなのFXアプリ内で利用できるTradingViewの画面)

(チャート分析をわかりやすく可視化したツール、通貨強弱)

どちらも複雑なチャート分析をわかりやすく可視化したもので、初心者が相場観をつかむために役立つことでしょう。

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100通貨から取引できスプレッドも狭い『マネーパートナーズ』

マネーパートナーズは「パートナーズFX(PFX)」と、「パートナーズFX nano」という2つのサービスを展開しています。PFXの方は最小取引単位が1万通貨ですが、nanoであれば「100通貨」から取引が可能。

また近年のマネーパートナーズは、次々と低スプレッド戦略を打ち出してきており、米ドル/円は5万通貨まで(5月29日~7月31日)、ユーロ/円、豪ドル/円は1万通貨まで0.0銭。ポンド/円も5,000通貨までなら0.0銭です。取引コストが気になるという人にもおすすめです。

マネーパートナーズ(パートナーズFX nano)のメリット

  • 100通貨から取引可能(1ドル140円の場合、14,000円の資金でレバレッジ1倍の取引が可能。レバレッジ25倍の場合、最低資金は560円)
  • 主要通貨ペアの0.0銭をはじめとして、多くの通貨ペアのスプレッドが業界最狭

マネーパートナーズ(パートナーズFX nano)のデメリット

  • スワップポイントの魅力が劣る(受け取りは少なく、支払いはかなり大きい)

マネーパートナーズ(パートナーズFX nano)の基本情報

マネーパートナーズの基本情報詳細
通貨ペア数 21通貨ペア
取引単位 100通貨
スプレッド(ドル/円) 0.0銭*
米ドル/円は5万通貨まで(5月29日~7月31日)
口座開設の最短日数 翌日
サポート 平日9:00~17:00
デモトレード ×
スプレッドは原則固定、例外あり

マネーパートナーズ(パートナーズFX nano)のアプリ

サービスの特徴

  • 100通貨から取引可能(1ドル140円の場合、14,000円の資金でレバレッジ1倍の取引が可能。レバレッジ25倍の場合、最低資金は560円)
  • 主要通貨ペアの0.0銭をはじめとして、多くの通貨ペアのスプレッドが業界最狭
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情報量豊富!FXの知識をつけるなら『外為どっとコム』

外為どっとコム

外為どっとコムは、業界の中でも老舗のFX会社です。

長らく外国為替についての研究にも取り組んでおり、その研究成果を口座開設者だけでなく学術の分野にも提供しているというユニークな一面を持ちます。

独自のコンテンツやセミナーなどを通じてFX初心者に知識を提供することにも力を入れているので、初心者が初めて利用するFX会社として有望な選択肢になると言えるでしょう。

FX会社としての実力も十分で、1,000通貨単位からの取引が可能であることはもちろん、注文方法が豊富な点も見逃せません。

外為どっとコムのメリット

外為どっとコムのデメリット

  • 支払いのスワップポイントがやや大きい

外為どっとコムの基本情報

外為どっとコムの基本情報詳細
通貨ペア数 30通貨ペア
取引単位 1,000通貨
スプレッド(ドル/円) 0.2銭*
口座開設の最短日数 即日
サポート 平日24時間
デモトレード
スプレッドは原則固定、例外あり

外為どっとコムのアプリ

サービスの特徴

    • デモトレードアプリとリアル口座が一体化している
    • マーケット情報が豊富でアプリでも分析しやすい
外為どっとコムアプリ引用:外為どっとコム公式サイト-スマートフォン版アプリの特徴

※口座開設の手順についてはこちらの記事で紹介しています。
FXの口座開設はすぐできる?口座開設に必要な書類と初心者向けの注意点

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FX初心者は少額から!少額取引の4つのメリット

少額取引のメリット

FXの初心者には少額での取引でスタートすることをおすすめします。この少額取引には多くのメリットがあります。

どれもFX初心者の方にとっては重要なメリットです。

  • 高額取引と比較して損失の金額が少なくなる
  • 損益金額的に心理的な余裕を持ちやすい
  • FXの実践経験を積むことができる
  • 分散投資がやりやすい

メリット(1)高額取引と比較して損失の金額が少なくなる

FXに限らず、少額での投資は利益額が少なくなる一方で損失額も少なくなります。

以下の図のように100pips(※)の値動きにより損失が発生した状況で比べてみましょう。

※pipsとはFXの値動きの単位のことで、ドル円であれば100pipsは1円に相当します。

1万通貨でポジションを保有している場合、100pips相場が逆方向に進めば1万円の損失となりますが、1,000通貨であれば1,000円で済みます。単純に投資額が10分の1なので、損益がいずれも10分の1になるわけです。

初心者は、まず少額取引で、「この金額で、この程度の値動きが出れば、この位の損失を被る(または利益を獲得できる)」と言うことを体感することが大切。その後、経験を重ねた上で、徐々に金額を増やしていくといいでしょう。

100pips変動あたりの損失を比較

メリット(2)損益金額的に心理的な余裕を持ちやすい

プロスペクト理論をご存じでしょうか。これは人間心理の弱さを理論化したもので、投資経験者なら、大多数が経験したことのある感覚です。

簡単に言うと、わずかに利益が出ている段階で利益確定をしてしまったり、逆に含み損が出ている時は損失確定を嫌って塩漬けにしてしまうといった現象を説明したものです。

これらは、投資家の心の中にある「損をしたくない」という恐怖心がそうさせると言われています。FXで勝てない人の理由の一つには、このプロスペクト理論もあります。

高額取引をしているとこの恐怖心が大きくなり、あせって利食いをしたり塩漬けにしてしまったりという行動をしてしまいがちですが、少額取引であれば「負けても大したことではない」との余裕が生まれ、あらかじめ自分で想定していた利食い・損切りの取引がしやすくなります。

初心者は本格的な金額でFX取引をする前に、少額取引で、「利食いと損切りのラインを事前に設定し、到達したらためらわず実行する」という習慣をマスターしておくことはとても有意義です

FX プロスペクト理論

メリット(3)FXの実践経験を積むことができる

FXに限ったことではありませんが、投資は経験が重要です。勉強によって学べることもありますが、やはり経験に勝るものはありません。

たとえ少額であっても自分のお金を使って経験すると身に付くものがまるで違います。

経験の中でも特に大事なのが、失敗です。失敗から学び、同じ失敗をしないように勉強を積んでいくと、思わぬ大きな失敗(損失)を避けることが可能になります

これを大きな金額でやってしまうと、そのまま資金が底をついてFXからの退場を余儀なくされる恐れもあります。

FX会社の外為どっとコムも少額からの取引で経験を積むことをおすすめしています。

FXは適切な取引経験を多く積むことが上達の第一歩です。必要な習熟を重ねるためにも取引経験を積みやすい少額からの取引を始めましょう。

引用元:FX初心者は少額から始めるべき理由やよくある失敗と対策などを解説-外為どっとコム

メリット(4)分散投資がやりやすい

分散投資は、投資のリスク管理の基本。「卵は一つのかごに盛るな」という格言もあるほどです。

「卵は1つのかごに盛るな」という格言

1つのかごにすべての卵を盛ってしまうとそのかごを落としたときに全ての卵が割れてしまいますが、異なるかごに少しずつ盛っておけば1つのかごを落としてしまっても残りの卵は無事という教え。

FXでももちろん、リスク分散はとても重要です。

ドル円、ユーロ円、ポンド円の中から、好きな通貨に投資できたと仮定しましょう。かつて「ブレグジット」といってイギリスが住民投票でEUからの離脱を決めたことがありましたが、そのときにはイギリス経済の先行き不安からポンドが全面安となりました。

もしこの時にポンド円の買いポジションのみに集中投資をしていたら、多大な損失を被ったことでしょう。一方、こうしたリスクに備えて、ドル円やユーロ円にも分散して投資をしておけば、損失額はそれほど大きくならなかったわけです。

なお、分散投資にはいろいろな通貨への投資が必要となることから、相応の資金が必要になりますが、少額取引を活用すれば、資金が少なくてもしっかりと分散投資をすることが可能となります。

FX少額取引の2つのデメリット

少額取引のデメリット

メリットが4つもあるFXの少額取引ですが、その一方でデメリットもあります。

ここで知っておいていただきたいデメリットは、以下の2つです。

  • 損失が少ない反面、利益も少ない
  • レバレッジを高くするとロスカットされやすい

デメリット(1)損失が少ない反面、利益も少ない

先ほど少額投資は損失が少なくて済むという解説をしましたが、これは利益が出たときにも同じことがいえます。1,000通貨の取引で、100pips(1円幅)の勝ちトレードをしたとしても、利益は1,000円です。つまり「1,000通貨の取引で大きな利益を出すのは難しい」と言ってもいいでしょう。

しかし、投資は勝つことよりも、大きく負けないことがとても重要です。

特にFX初心者はまず、大きく負けないことが鉄則。その上で、トレードの精度を高めていくのが上達への近道です。その意味でも、最初は少額投資で、仮に負けてもそれほど大きなダメージにならない様にハンドリングすることが大切なのです。

デメリット(2)レバレッジを高くするとロスカットされやすい

少額投資のデメリットとして絶対に押さえておかなければならないのが、ロスカットとの関係です。

FXにはレバレッジがあるので、少ない証拠金で大きな金額を取引することができます。これによって投資効率を高められるのはメリットなのですが、相場が逆方向に進んだ時にはリスクも同様に高まります。

少ない資金でレバレッジを掛け、目いっぱいまでポジションを持ってしまうと、わずかな相場の逆行で証拠金が足らなくなり、ロスカット(強制損切り)となることも考えられます。

ロスカットの具体例

資金6万円で、1,000通貨、1万通貨の買いポジションを建てた場合を比較します(1ドル140円の場合)。

1,000通貨の場合 1万通貨の場合
証拠金維持率が100%になる為替レート 約83.33円 約139.58円

「証拠金維持率」とは強制ロスカットの判定基準に使われるもので、「純資産÷必要証拠金×100」で計算できます。

どこで強制ロスカットになるかの設定はFX会社によって異なりますが、仮に100%を切ったらロスカットという設定だとすると、1万通貨取引の場合はわずか40銭ほどの逆行で到達してしまうことがわかります。

一方、1,000通貨取引であればドル円の相場が83円に下落するまで耐えることができます。

資金が6万円あれば1万通貨の取引も可能ではありますが、資金に対して取引量が大きすぎる、つまりレバレッジが高すぎるというのがわかるのではないでしょうか。

少額取引も場合によってはリスクや危険がある?少額FXで失敗するパターン

少額取引での失敗例

たとえば資金10万円でのFX運用は、一般的には少額投資になります。

10万円で米ドル/円の1,000通貨取引をするなら、レバレッジは1.4倍(米ドル/円のレートが140円で計算)。

この状態なら滅多なことがなければ運用は破綻しない状態といえますが、同じ資金のまま取引ロットを10倍の1万通貨にすれば、レバレッジは14倍程度となります。

つまり、少額投資で始めても、最大レバレッジの範囲内であればいくらでも取引量を増やすことができるのです。最初は小さく安全に始めたはずなのに、損失を取り返すために取引量をどんどん増やしてしまい、いつの間にか安全な運用ではなくなることは、FX初心者によくあることです。

儲けだけにとらわれず、まずは低いレバレッジでコツコツ増やしていくことを目標に取引をやってみましょう。

レバレッジに関してはハイレバは避けた方がいい?FXのレバレッジを基礎から解説をご覧ください。

FX取引は少額でも確定申告が必要?

ここまで少額でFX取引を行うための解説をしてきましたが、「もしFX取引で利益を得た時の税金はどうなるの?」と疑問をもっている方もいるでしょう。

実際FXで確定申告をしなかった場合、脱税とみなされ罰則を受ける可能性もあるため注意が必要です。

FXの利益が50万円だった時の税額

FXの利益が20万円を超えた人のうち、給与所得2,000万円以下の会社員と年金収入400万円以下の年金生活者は確定申告が必要

・学生、主婦は利益が48万円を超えた場合に確定申告が必要

確定申告で不正をすると脱税にあたり、罰則の規定もある

以上の額を目安に注意をしていきましょう。

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少額取引・少額運用ではどのくらいの利益が出せる?モデルケースを試算

少額取引のデメリットの部分でも解説していますが、「少額取引で大きな利益を出す」というのは難しいといっていいでしょう。

取引量が1,000通貨なら、たとえ1円幅での勝ちトレードを成功させたとしても、利益は1,000円です。実際には、1日あたりの損益は200~300円といった規模感になるのではないでしょうか。

そんな小銭程度の規模感になってしまうのは事実ではありますが、1,000通貨の取引も決してバカにできたものでもありません。

例えば、1日あたりの利益をならして100円だとしましょう。1ヶ月の平日の日数は20日前後なので、1ヶ月あたりで考えると利益は2,000円ほどになります。

「たった2,000円か」と思うかもしれませんが、資金3万円程度でできる投資という事実を考えれば、けっこう魅力的といえるのではないでしょうか。もしこのペースを維持できれば5カ月後には1万円になるので、約33%増しです。

そしてこれは取引量が1,000通貨の場合であり、もう少し資金に余力のある人は2,000通貨、3,000通貨の取引も可能です。そうなれば1ヶ月あたりの利益も4,000円や6,000円といった規模感になってきます。

日常生活の「ちょっとした足し」に投資を始めたいと考える人は多くいます。FXなら、少額取引でも「ちょっとした足し」をかなえることはできるでしょう。

初心者向け!FXの始め方は4ステップ

ここまで少額からでもFX取引が可能ということについて説明をしてきました。

しかし少額取引ができることは分かっても、そもそもFXを始めるために何をしたらよいのか分からないという人もいるでしょう。

そんな人に向けて続いてはFXの始め方について解説をしていきたいと思います。

FXを始めるにはFX会社に口座開設をする必要があります。基本的な流れは以下の通りです。

  1. ネット上のFX会社の口座開設フォームで必要事項を入力、送信する
  2. 本人確認書類、マイナンバー確認書類を提出する
  3. 口座が開設されたらログイン、入金する
  4. FX取引を開始する

口座が開設できたらいよいよFX取引が可能になります。

様々な取引スタイルから自分に合うものを探し取り組んでみるとよいでしょう。

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実際にFXの少額トレードをやってみた

少額取引・実際のトレード例

それでは実際に、FXで少額トレードをしている様子をご覧いただきましょう。ドル円相場で1,000通貨の買いポジションを持ち、それを決済する様子をお見せします。

外為どっとコムのリアル口座を使用して、ドル円の成行買いと決済をやってみましょう。

(1)成行買い

取引ツールの買い注文画面で「USD/JPY」を選択し、「マーケット成行」のタブになっていることを確認して、Lot数には「1」を入力します。これで注文の設定は完了です。

この画面で、ドル円の1ロット(1,000通貨)のポジションを保有するために必要な証拠金が、「必要保証金:4,300円」として表示されていることを確認してください。

FX トレード画面

(2)ポジションの成立を確認

買い注文が約定すると、ポジション欄にこのように保有ポジションが表示されます。

FX トレード画面2

(3)ポジションの決済

それではこのポジションを決済してみましょう。対象となるポジションを選択し、決済注文ボタンをクリックします。

すると確認画面が表示され、ポジションが成行注文で決済されます。この取引が、履歴に表示されています。

FX トレード画面3

たった3円の利益ですが、FXではこのようにして利益を上げていくことがイメージできたのではないでしょうか。

FXの少額取引に関するQ&A

A

少額取引におすすめのFX会社は以下の3社です。

  • SBI FXトレード
  • MATSUI FX
  • 外為どっとコム

これらの会社は最小取引単位が業界で最小レベルを誇っており、少額取引をしたい方に特におすすめです。

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  • A

    どの取引についても少額取引で特別不利になることはありませんが、強いて言えばスイングトレードが最も少額取引を活かせる手法と言えるでしょう。

    スキャルピングやデイトレードはポジションを保有する時間が短く、小刻みに利益を取っていく手法なので、高額取引であってもあまり条件は変わりません。

    その一方でスイングトレードは数日から週単位でポジションを保有するため、ちょっとしたレートの上下で一喜一憂する可能性が低い少額取引の強みが出やすくなり、しっかりと利益目標までポジションを持ち続けることができます。

  • A

    FX会社が提供している自動売買サービスの最低取引数量が少額取引に対応しているのであれば、少額からでも可能です。

    相場全体に注文を設置するような自動売買を仕掛けている個人投資家は、1,000通貨単位で運用していることが多いので、少額取引でコツコツと利益を積み重ねていく手法がむしろ有効といえます。

  • A

    一般的に少額取引であっても高額取引であっても、手数料に違いはありません。

    自動売買のプログラムが有料であったり、運用するためのシステムや自動売買口座特有のスプレッドなど、自動売買であることに対する手数料は発生しますが、それが少額取引になったからといって手数料が変わることはありません。

記事の編集責任者

齋藤直人

FINANCIAL JOURNAL編集長

齋藤直人

編集者歴20年以上。主に紙媒体で編集経験を積み、趣味系雑誌4誌の編集長を歴任。

雑誌の特集記事だけでなく、企業とのタイアップ企画、地域活性化事業への参画など、コンテンツ制作力を活かして幅広いフィールドで活躍。国会議員、企業の重役、スポーツ選手、芸能人などジャンルを問わず幅広いインタビュー経験を持つ。

FXトレーダー歴も5年以上あり、好きなトレードスタイルはスイングトレード。これまでの最大勝ち幅は1500pips

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