FXにおける失敗とは?初心者の誤解と失敗パターンの例と対策を解説
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「失敗したときが怖くてFX取引をなかなか始められない…」
「FX取引で失敗したくないから、対策が知りたい!」
FXに対して、失敗したら借金地獄になるようなイメージを持つ人もいることでしょう。
しかし、FXには一定の損失で強制的に決済となる「強制ロスカット」の仕組みがあるので、よほど急な相場の変動でない限り自己資金よりマイナスになることはほとんどありません。
とはいえ、含み損を増やさないことはもちろん重要です。
- 売買ルールを作ってそれに従って取引をする。
- こまめに損切りをする。
- トータルで収益がプラスになることを目指す。
以上3点については後ほど解説しますが、上記を実践することでリスクをできる限り抑え、トレードを長く続けられる可能性が上がります。
この記事では、FX取引での失敗パターンと失敗しないための対策について紹介していきます。
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目次
FXにおける最大の失敗
FX取引を含め、投資では失敗する人の方が多いといわれています。しかし、そもそもFXにおける失敗とは何を指すのでしょうか。まずは「失敗」の定義を考えてみましょう。
トレードを続けられなくなることがFXにおける失敗
FXでの最大の失敗は、「相場からの退場」だといえます。
相場からの退場とは、投資資金が底をついてしまい、トレードができなくなる状態を指します。こうなると挽回しようがありません。
しかし、小さな負けトレードであれば、まだリカバリーの可能性があります。負けトレードをすること自体は何ら失敗ではなく、どんなに成功しているトレーダーも、実は勝ったり負けたりの繰り返しなのです。FXを始めるうえで、損失を小さく抑えて利益をしっかりとる「損小利大」という考え方をもつことが非常に大切です。
できるだけ退場しないようにFXを続ける工夫は、初心者にも実践可能です。簡単なルールを徹底することで、大きな損失による一発退場のようなケースを避ける可能性を上げることができるでしょう。
経験の蓄積、技術の向上により、続けるほど成功確率は高まる
何事においても、短期間で成功することは極めてまれです。FXでもそれは同じで、ある程度続けていかないと成功するのは難しく、途中で諦めずにコツコツとトレードを続けることが大切です。
長く取り組むことでさまざまな相場の状況を経験することに伴ってわかったり見えてきたりする部分もあります。例えばコロナ相場のような非常事態は、実際に体験してみないとわからないものです。
続ければ続けるほど経験や知識は蓄積されていき、トレード技術も向上していくので、成功する確率は高まります。もちろん、継続的にトレード方法を探求し続ける姿勢をもち続けることも重要です。
まずFXにおけるリスクを整理
FXに伴うリスクは、おもに為替変動リスクと金利変動リスクの2つです。まずはこれらのリスクをきちんと理解しておきましょう。
為替の値動きによる損失
FXは2国間の通貨を売買した際に発生する為替差益を狙う商品ですが、投資である以上、確実に利益を得られるとは限りません。
為替レートは常に上下に動いており、自分の思惑とは反対の方向に変動すると、為替差損が発生するリスクがあります。
例えば、米ドル円を1ドル140円のときに1万通貨買ったとします。その後、レートが変動して1ドル139円まで下落したときに売った場合の為替差損は1万円になります。
為替差損の例
1ドル140円のときに1万通貨買って139円まで下落した場合
1万通貨×(140円-139円)=1万円の損失
スワップポイントの支払いによる損失
FX取引では2カ国間の金利差を調整した「スワップポイント」という仕組みがあり、ポジションをもったまま日をまたぐと損益が発生します。
高金利通貨を買って低金利通貨を売った場合:スワップポイントの受け取り
高金利通貨を売って低金利通貨を買った場合:スワップポイントの支払い
スワップポイントの水準は各通貨の金利に連動しますが、金利は各国の金融政策や景気などにより日々変動します。
場合によっては受け取りと支払いの方向が逆転したり、買いも売りもどちらも支払いになったり、支払いのポイントが大きく増加したりするリスクがあります。
基本的には、借金(証拠金以上の損失)は発生しない仕組み
FXは基本的には口座に預け入れた証拠金以上の損失は発生しない仕組みが備わっています。
FX会社には投資家の資産を守るための強制ロスカットという制度があり、含み損が一定の水準に達したときに証拠金が残る状態でポジションが強制的に決済されるからです。
ただし、非常にレアなケースとして、為替相場を大混乱に陥らせるような急変動が起きた場合はロスカットが間に合わず、証拠金以上のマイナスになる可能性もありますので、レバレッジを活用した大口取引を実施している場合には注意が必要です。
万が一証拠金以上のマイナスが発生した場合に備え、常日頃から損失額のイメージを持っておくのが良いでしょう。損失額はそのときに取引していたロット(Lot)数によって異なってきます。
例えば10円幅という大きな変動による損失を被っても、1,000通貨の取引なら1万円の損失、1万通貨の取引でも10万円、10万通貨の取引では100万円の損失となります。
FX会社選びも失敗を防ぐ重要なポイント
日本の金融庁に登録されたFX会社には信託保全という投資家を守る制度が導入されており、万が一FX会社が破産・倒産しても、口座に預け入れた証拠金は投資家に返還される仕組みとなっています。
ただ、これは国内のFX会社に限った話で、海外のFX会社には信託保全が義務づけられておらず、破産・倒産してもお金が戻ってこない危険性があります。失敗したくなければ、海外FXには手を出さない方がよいでしょう。
FX初心者が相場から退場するよくあるパターンと対策
FXで相場から退場せざるをえなくなったトレーダーには共通点がいくつかあります。ここでは、 よくある退場パターンとその対策方法を紹介します。
含み損を「塩漬け」にして最終的に巨額の損切り
これはポジションを塩漬けにしてしまい、最終的に損失が大きく膨らんだ状態で損切りするパターンです。
塩漬けとは、含み損を抱えながらポジションをもち続けることですが、これには大きなリスクがあるため好ましくありません。
いつか相場が戻ると思ってポジションをもち続けた結果、ズルズルとマイナス方向に進み、強制ロスカットに…なんてケースも少なくありません。
対策方法
参考:みんなのFX「FX取引の損切りの仕方と注意点|適切なタイミングはいつ?」より
塩漬けによる巨額の損切りを防ぐには、計画的でこまめな損切りを実行することが大切です。
負けを受け入れるのはつらく、損切りしたくてもなかなか踏ん切りがつかないものですが、小さな負けを受け入れることは非常に重要です。傷口が広がる前に負けを受け入れることにより、大きな損失を未然に防ぐことができます。
ハイレバレッジのトレードで大負けする
一度にドカンと大きく負けてしまう、初心者に多く見られるパターンです。
レバレッジは有効に使えばより大きな利益を追求できますが、その反面、いたずらに高く設定(大きなロット数でトレード)すると、それだけリスクが高まります。
大きなリターンを期待して、ついつい大きめのロット数でトレードしてしまいがちですが、無理にハイレバレッジでFX取引を行うと一発退場となる可能性が高くなるので注意が必要です。
対策方法
例えば、1回の損失を総資金の3%に抑えるようにすれば、30連敗しても理論上、証拠金はゼロになりません※。また、気軽にハイレバレッジでの取引が可能な海外FXには手を出さないことも大切ですし、そもそも取引に慣れるまではレバレッジはなしか低めに抑えておきましょう。
※自己資金が10万円のとき3%にあたる3000円のリスクをとり、30連敗しても損失は9万円利小損大のトレードを繰り返して資金が減り続ける
利小損大とは、勝ちトレードの利益は小さく、負けトレードの損失が大きいトレードを意味します。
つまり、コツコツと積み上げた利益が一度の損失でドカンと消えるような状態。FXトレーダーはこれを「コツコツドカン」などと呼びます。
利小損大のトレードを繰り返し続けていると、よほど高い勝率でなければ資産は目減りしていき、いずれ相場から退場することになってしまいます。
対策方法
損失を小さく抑えて利益を大きく取る損小利大のトレードに切り替えることです。
例えば、毎回のトレードの利益確定を+20pips、損切りを-10pipsに設定すれば、必ず損小利大の状態となり、仮に勝率が5割でもトータルの収益はプラスになります。
負けトレードで心が折れたり、損を取り戻そうと熱くなる
負けが続いたり、一度の取引で多くの損失を出したりすると、心が折れてFXを途中で諦めてしまう人も少なくありません。
また、負けた分を取り戻そうとして熱くなったり、無理にロット数を増やしたりしてさらにハイペースで資金を減らしてしまうのもよくあるパターン。
相場で生き残るにはメンタルの安定も必要です。
対策方法
取引ロットを小さくすることで対策を取りましょう。ロットが小さければ、たとえ負けてもメンタルへの影響は限定されます。
まずは小ロットで取引を開始し、メンタルを鍛えつつ、少しずつロットを増額し、自分自身の居心地の良いロットを模索しましょう。
少額から取引をしたい方は『FXはいくらから始められる?少額から取引できる口座5社比較』もご覧ください。
また、負けを引きずらないことも大切で、負けが続いたときや大負けしたときは一度相場から離れて気分転換することが有効です。
FX取引で失敗しないために少額から取引を始めよう!
SBI FXトレードは、最小1通貨(約4円*)から取引ができるので、少額取引をしたい人に向いています。
*1ドル100円、レバレッジ25倍の場合
- FX取引でのコストとなるスプレッドが業界最狭水準
- 口座開設キャンペーンで最大5万円キャッシュバック(応募締め切り:12月10日16時まで)
- 最大1,000万通貨の取引が可能なため、少額取引でFXに慣れたあと、同じ口座で大口取引への挑戦も可能
売買ルールと損切りは生き残りに必須
相場で生き残るには、売買ルールの構築と損切りが欠かせません。ここでは、すべてのトレーダーに共通する「FXの基本的なルール」について解説します。
勘に頼った行き当たりばったりのトレードは長続きしない!
FXはギャンブルではなく、れっきとした投資です。何の根拠もなく、勘に頼った行き当たりばったりのトレードではまず長続きしません。
最初はまぐれで勝てたとしても、そのうち勝てなくなり、損失が膨らんでしまうでしょう。
FXを長く続けていくうえで大切なのは、自分のスタイルにあったルールをつくることです。
勝率が高いトレーダーの大半が明確なトレードルールを構築しているのに対し、勝率が低いトレーダーは明確なトレードルールをもたないまま取引しているケースが多いです。
最低でもエントリー、損切り、利益確定に関するルールはしっかりと定めておく必要があるといえます。
損切りができないと生き残れない!
プロトレーダーでも経済学者でも、相場を完璧に予測することはできません。相場をコントロールすることもできません。
しかし、FXのトレードには唯一、自分の意志でコントロールできる要素があります。それが「損切り」です。「ここまで逆行したら損切りする」という位置は、自分の意志によって設定できます。
FXでは大切な資産をいかに守るかが重要で、そのためには損切りが必須です。
損切りは損失の拡大防止だけでなく、新しいトレードの機会を得られるというメリットもあります。
損切りをせずに含み損を抱えているのは、ただ結果を先送りしているだけに過ぎず、トレードの機会を喪失している状態ともいえるからです。
そのようなポジションには早めに見切りをつけて損切りすれば、また新たなトレードをすることが可能です。
日々の勝ち負けは気にせず、年間損益プラスを目指す
FXでは長い期間の総合損益が大事なので、毎回のトレードの勝ち負けはそれほど気にしすぎる必要はありません。
たとえ連敗が続く悪い時期があっても、それは一時的なものであると捉えると気が楽になります。年間トータルくらいの長いスパンで見るようにしましょう。
毎回のトレードに『スポーツ大会のトーナメント戦』のようなメンタルで臨んでしまうと、負けたくないという気持ちが強く出すぎてしまい、その結果として浅い利食いや損切りの遅れを招く可能性があります。
プロトレーダーですら勝ったり負けたりの連続なのですから、負けるときもあるのは当たり前だということをきちんと理解したうえで淡々とトレードを繰り返すことが大切です。
勝率を重視しすぎるのは危険
トレードを始めたばかりの方は勝率を追い求めてしまいがちですが、FXのトレード成績は常に勝率と「リスクリワードレシオ」をセットで判断する必要があります。
リスクリワードレシオとは
平均利益額÷平均損失額。
利益が出た勝ちトレードの平均利益額と、損失が出た負けトレードの平均損失額の比率のことを指します。
勝ちトレードの平均利益額と負けトレードの平均損失額が等しければリスクリワードレシオは1となり、その数値が大きいほど勝ちトレードの利益が大きい状態を、小さいほど負けトレードの損失が大きい状態を示します。
FXの損益は、このリスクリワードレシオと勝率で決まり、勝率が少々低くてもリスクリワードレシオが高ければ利益を上げることが可能です。
反対に、勝率が高くてもリスクリワードレシオが低すぎると利益を上げることができません。
例えば、勝率が33%でもリスクリワードレシオが3あれば利益が出ますが、勝率が77%と高くてもリスクリワードレシオが0.3を下回れば損失が出ることになります。
リスクリワードレシオと勝率は相反する関係にあり、勝率を上げようとするとリスクリワードレシオは下がり、リスクリワードレシオを上げようとすると勝率は下がります。
勝率を重視しすぎると、リスクリワードレシオがおろそかになるので注意が必要です。
極端な話ですが、100回のトレード中、99回で1万円ずつ勝ったとしても、残りの1回で100万円の損失を出してしまうと、勝率99%でもトータルでは損失となります。
勝率を高めるのは良いことですが、それと同じくらいリスクリワードレシオも重要です。
たとえ勝率が低くても、それをカバーできるリスクリワードレシオを実現できていれば問題はありません。両者のバランスを意識したトレードを心がけましょう。
この記事のまとめ
- FXでの失敗は「相場からの退場」のみ
- FXにおけるリスクは為替変動リスクと金利変動リスクの2つ
- 基本的に証拠金以上の損失は発生しないものの、リスク回避のためには小ロットで取引をすることや国内のFX会社を選ぶなど工夫が必要
- 生き残るには売買に関するトレードルールを定め、損切りをする勇気を持つことが必須
- 長期取引のトータルでの勝利を目指すのがFXの基本
- 勝率とリスクリワードレシオのバランスを考えたトレードを意識することが重要
記事の編集責任者
FINANCIAL JOURNAL編集長
齋藤直人
編集者歴20年以上。主に紙媒体で編集経験を積み、趣味系雑誌4誌の編集長を歴任。
雑誌の特集記事だけでなく、企業とのタイアップ企画、地域活性化事業への参画など、コンテンツ制作力を活かして幅広いフィールドで活躍。国会議員、企業の重役、スポーツ選手、芸能人などジャンルを問わず幅広いインタビュー経験を持つ。
FXトレーダー歴も5年以上あり、好きなトレードスタイルはスイングトレード。これまでの最大勝ち幅は1500pips
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