株を少額で取引したい!資金別のおすすめ銘柄や、少額投資のポイントを徹底解説

株少額のアイキャッチ

「株式投資に興味があるけど、いきなり大金を投じるのは不安」
「少額から始めてみたいけど、それでも意味はあるのだろうか?」

投資初心者には、そんな疑問がつきものです。結論から言えば、少額でも株式投資は可能だし、経験を積めるというメリットもあります。

この記事では、さまざまな「少額」の目安に応じておすすめの銘柄を紹介するとともに、少額投資の心構えまで徹底解説しています。

株を始めてみたいという人は、ぜひ最後まで読んでみてください。

具体的にいくらぐらいから株を買える?

銘柄によっては10万円以下で買えるものもあり、証券会社によっては単元未満株を取り扱っているので、ワンコイン(500円)でも株から購入することも可能

この記事でわかること

  • 10万円以下で100株を買える銘柄もたくさんある
  • 少額投資は、損失額を少なく抑えつつ投資経験を積めるのがメリット
  • 少額投資におすすめの証券会社は、SBI証券、楽天証券など

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目次

株式投資は少額からでも始めやすい

一般的に「株式投資をするためには最低でも数百万円の資金が必要」などと思っている人は少なくありません。

しかし実際はイメージとは裏腹に、50万円ほどの資金があれば大企業の株主になれます。中には10万円以下で購入できる銘柄もあり、少額でも始めやすいのが株式投資の本当の姿です

特に、昨今は日本政府の投資を促すという方針により、個人投資家が売買しやすい環境になりつつあります。

この記事では、少額投資について解説していきます。

どんな銘柄が購入できるのか、少額投資にはどんなメリット・デメリットがあるのか、どこの証券会社が少額投資に向いているのかを解説していくので、これから投資を始めてみようと考えている人はぜひ参考にしてみてください。

株の始め方、買い方については「日本株の買い方を初心者向けに解説!コツやおすすめの銘柄も紹介」に詳しくあるので、そちらの記事もあわせてご覧ください。

少額で購入できる主な銘柄

ここからは金額別に、どんな銘柄を購入できるのかを紹介していきます。

10万円未満でも購入可能な銘柄から、50万円くらいの資金がないと購入できない銘柄まで、さまざまです。

なお、この項目の株価は2023年11月21日時点の株価です。将来的に株価が変動し、ここで記載している価格帯では購入できなくなる可能性がある点に留意してください。反対に、下落してより少ない資金で購入できるようになる可能性もあります。

※以下で紹介している銘柄はSBI証券とマネックス証券のスクリーニング機能を使って選定しています。

10万円未満で購入可能な主な銘柄一覧

楽天グループ(4755)

株価 562.0円
自己資本比率 4.00%
PER -2.54倍
PBR 1.09倍
配当利回り 0.76%
最低購入金額 5万6200円

※2023年11月20日時点の数値
※投資指標は2022/12期の実績

ネット通販「楽天市場」を中心に、Eコマース、金融、通信、フィンテック、旅行業など幅広い事業を展開しています。

プロ野球球団「楽天ゴールデンイーグルス」の親会社でもあります。昨今では楽天モバイルの苦戦が大きな話題となっています。

2013年からの楽天グループの株価

2013年からの楽天グループの株価。2021年から下落基調に入っており、過去10年間で最安値水準で推移しています。

楽天モバイルの苦戦が影響しているようですが、楽天モバイルが黒字化すれば大きく反発する可能性はあります。

サイバーエージェント(4751)

株価 819.7円
自己資本比率 30.20%
PER 76.54倍
PBR 1.76倍
配当利回り 1.83%
最低購入金額 8万1970円

※2023年11月20日時点の数値
※投資指標は2023/9期の実績

インターネット広告代理業が中核のIT企業です。動画ストリーミングプラットフォームの「ABEMA」や、ゲーム事業などに力を入れています。

メディアミックスコンテンツの「ウマ娘 プリティーダービー」が大きな人気を集めています。なお、CEOの藤田晋氏は馬主としても活躍しています。

2013年からのサイバーエージェントの株価

2020年からは大きく上昇していますが、2022年1月に大きく下落して以降は、下落基調が続いています。

直近の2023年9月期の決算で、営業利益と経常利益のマイナスが影響していると考えられ、黒字化すれば反転上昇していく可能性はあります。

日本電信電話(NTT)(9432)

株価 173.5
自己資本比率 33.80%
PER 11.83倍
PBR 1.53倍
配当利回り 2.87%
最低購入金額 1万7350円

※2023年11月20日時点の数値
※投資指標は2023/3期の実績

誰もが知っているであろう日本最大の通信事業者です。NTTグループの中核企業であり、NTTグループは不動産、金融、建築・電力などさまざまな事業を行っています。

2023年6月30日に1対25の株式分割を行ったことで、個人投資家が投資しやすくなりました。

2013年からの日本電信電話(NTT)の株価

2013年からずっと右肩上がりに上昇しており、2023年も上昇傾向が続いています。もともと配当に積極的で、2023年度の年間配当で13期連続の増配を予定しているようです。

上昇による値上がり益を狙うもよし、下落して配当利回りが上がったところを狙うもよしの優良銘柄と言えるのではないでしょうか。

その他に10万円未満で購入可能な銘柄

グリー(3632)、王子HLDG(3861)、ココナラ(4176)、コロプラ(3668)、大幸薬品(4574)、綜合警備保障(2331)、GameWith(6552)、ツインバード(6897)、東レ(3402)など、1000銘柄を購入可能

※2023年11月20日時点の株価を基に計算

10万円~20万円で購入可能な主な銘柄一覧

ゆうちょ銀行(7182)

株価 1472円
自己資本比率 4.10%
PER 12.29倍
PBR 0.41倍
配当利回り 4.59%
最低購入金額 14万7200円

※2023年11月20日時点の数値
※投資指標は2023/3期の実績

2007年10月に誕生した銀行で、日本郵政グループの一員です。預金だけでなく、投資信託やNISAの申し込みができ、スマホ決済アプリ「ゆうちょPay」などのキャッシュレスサービスにも力を入れています。

2013年からのゆうちょ銀行の株価

ゆうちょ銀行が上場したのは2015年11月なので、上場日から約7年間のチャートです。2021年までは下落していましたが、それ以降は上昇傾向になっています。

三菱地所(8802)

株価 1942円
自己資本比率 31.40%
PER 12.63倍
PBR 0.88倍
配当利回り 2.38%
最低購入金額 19万4200円

※2023年11月20日時点の数値
※投資指標は2023/3期の実績

三菱グループの一員である日本屈指の総合デベロッパーです。事業内容はオフィスビルや商業施設等の開発・賃貸・管理、収益用不動産の開発・資産運用など。

「大丸有」と呼ばれるエリアがホームグラウンドで、丸の内の大家と呼ばれています。

2013年からの三菱地所の株価

2013年からの株価推移です。2020年のコロナショックで一時的に1300円台まで下落したものの、2023年11月20日現在は1942円まで上昇しています。

2021年からは2000円〜2100円を上限にしたレンジ相場で推移。

アステラス製薬(4503)

株価 1808.5円
自己資本比率 61.40%
PER 34.52倍
PBR 2.26倍
配当利回り 3.21%
最低購入金額 18万0850円

※2023年11月20日時点の数値
※投資指標は2023/3期の実績

医薬品の製造、販売を行なっている大手の医薬品メーカーで、医薬品の輸出入も行なっています。前立腺がん治療剤、尿路上皮がん治療剤、急性骨髄性白血病治療剤などが主要製品です。

2013年からのアステラス製薬の株価

直近は大幅に下落しています。理由として、2024年3月期の連結業績予想で、当期利益が大幅な減少予想になったからだと言われています。この当期利益はあくまでも会社予想ですが、今後の業績に注目しておく必要がありそうです。

その他に10万円以上20万円未満で購入可能な銘柄

キヤノン電子(7739)、三菱鉛筆(7976)、象印マホービン(7965)、西武HLDG(9024)、東急(9005)、テレビ朝日HLDG(9409)、安藤・間(1719)、ハードオフコーポレーション(2674)など1000銘柄

※2023年11月20日時点の株価を基に計算

20万円~30万円で購入可能な主な銘柄一覧

トヨタ自動車(7203)

株価 2780円
自己資本比率 38.10%
PER 12.51倍
PBR 1.05倍
配当利回り 2.66%
最低購入金額 27万8000円

※2023年11月20日時点の数値
※投資指標は2023/3期の実績

知らない人はいないほど有名な日本を代表する自動車メーカー。日本を代表する大型株として多くの投資家から注目されている存在です。

2021年9月に1対5の株式分割を行っており、それによって個人投資家が購入しやすくなりました。

2013年からのトヨタ自動車の株価

2021年から上昇基調が続いています。目下の注目ポイントは、節目の3000円を試すかどうか。米ドル/円の円安傾向が続いて追い風になれば、3000円を上抜く可能性はありそうです。

キリンHLDG(2503)

株価 2167円
自己資本比率 38.50%
PER 16.56倍
PBR 1.47倍
配当利回り 3.07%
最低購入金額 21万6700円

※2023年11月20日時点の数値
※投資指標は2022/12期の実績

酒類の製造、営業、販売を行うキリンビールや清涼飲料の製造および販売を行うキリンビバレッジなどで構成されているグループ会社です。また、三菱グループの一員でもあります。

2013年からのキリンHLDGの株価

2018年5月までは上昇を続けていましたが、2018年6月以降は2021年まで下落を続けていました。

現在は方向性のないレンジ状態で、直近の注目は2200円を上抜くかです。2200円を明確に上抜いた場合、2400円が次のターゲットになりそうです。

良品計画(7453)

株価 2084円
自己資本比率 58.10%
PER 23.92倍
PBR 1.97倍
配当利回り 2.09%
最低購入金額 20万8400円

※2023年11月20日時点の数値
※投資指標は2023/8期の実績

ブランド「無印良品」を展開している企業です。

もともとは1980年に西友ストアー(現西友)のプライベートブランド「無印良品」として誕生し、1989年に株式会社良品計画として設立されました。衣服から食品、生活雑貨などさまざまなジャンルを展開しています。

2013年からの良品計画の株価

2020年のコロナショック時に1000円を下回ったものの、そこからは反発し、2023年11月20日現在は2084円まで上昇しています。目先は、2200円を明確に上抜けるかに注目したいところです。

その他に20万円以上30万円未満で購入可能な銘柄

ガンホー・オンライン(3765)、小野薬品工業(4528)、積水化学工業(4204)、セガサミーHLDG(6460)、SUBARU(7270)、すかいらーくHLDG(3197)、IHI(7013)、村田製作所(6981)、デンソー(6902)など約600銘柄

※2023年11月20日時点の株価を基に計算

30万円~40万円で購入可能な主な銘柄一覧

吉野家HLDG(9861)

株価 3392円
自己資本比率 50.90%
PER 21.09倍
PBR 2.74倍
配当利回り 0.42%
最低購入金額 33万9200円

※2023年11月20日時点の数値
※投資指標は2023/2期の実績

1899年に東京都中央区日本橋で創業した歴史ある老舗企業。牛丼チェーン店「吉野家」の運営が主な事業で、その他にはうどんのチェーン店「はなまるうどん」を展開するはなまるが子会社です。

また、海外展開にも力を入れており、米国、東南アジア、中国などで展開しています。

2013年からの吉野家HLDGの株価

チャートを見ると、2013年から2020年まで順調に推移していましたが、2020年は1700円台まで大きく下落しています。

飲食事業のため、新型コロナウイルスの影響が大きかったと考えられます。一方で、2021年からは堅調に推移しており、2023年11月20日現在は3000円を上抜き、3392円まで上昇しています。

住友商事(8053)

株価 3199円
自己資本比率 37.40%
PER 5.18倍
PBR 0.74倍
配当利回り 4.88%
最低購入金額 31万9900円

※2023年11月20日時点の数値
※投資指標は2023/3期の実績

三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、丸紅と並ぶ5大総合商社の1社で、住友グループに属しています。事業内容は金属、輸送機、インフラ、メディア・デジタル、資源・化学品など、さまざまな事業を行っています。

2013年からの住友商事の株価

2021年からは右肩上がりの上昇を続けています。2021年には1200円台だった株価は、2023年11月20日現在は3199円と、約2.5倍になっています。

三井不動産(8801)

株価 3459円
自己資本比率 32.80%
PER 11.96倍
PBR 0.78倍
配当利回り 2.48%
最低購入金額 34万5900円

※2023年11月20日時点の数値
※投資指標は2023/3期の実績

三菱地所、住友不動産と並ぶ総合不動産会社。その名の通り、三井グループに属しています。不動産業界の売上高ランキングでは1位で、日本の不動産業界を代表する企業です。三井不動産の起源である「三井合名会社」が設立された日本橋がお膝元です。

2013年からの三井不動産の株価

直近は上昇を続け、2023年11月20日現在の株価は3459円です。2020年のコロナショック時に1600円を下回ったものの、その後は順調に回復しています。目先は、2014年〜2015年の高値である3800円を目指していけるかに注目。

その他に30万円以上40万円未満で購入可能な銘柄

ヤクルト本社(2267)、メルカリ(4385)、野村不動産HLDG(3231)、小松製作所(6301)、キヤノン(7751)、バンダイナムコHLDG(7832)、第一生命HLDG(8750)、双日(2768)、電通グループ(4324)など約300銘柄

※2023年11月20日時点の株価を基に計算

40万円~50万円で購入可能な主な銘柄一覧

KDDI(9433)

株価 4616円
自己資本比率 43.00%
PER 13.91倍
PBR 1.66倍
配当利回り 3.11%
最低購入金額 46万1600円

※2023年11月20日時点の数値
※投資指標は2023/3期の実績

NTTと並ぶ大手総合通信会社です。携帯・光回線を展開しており、「au」ブランドが有名です。

また、金融サービスにも注力しており、キャッシュレス決済の「au PAY」、クレジットカードの「au PAY カード」などの金融サービスを展開。その他には、DX事業も行っています。

2013年からのKDDIの株価

2021年から右肩上がりの上昇を続けており、2023年11月20日現在の株価は4616円です。KDDIも株主還元に力を入れており、2022年度は21期連続の増配を実現しています。NTTよりも投資に必要な資金は大きいですが、KDDIも優良企業といえるでしょう。

武田薬品工業(4502)

株価 4190円
自己資本比率 45.50%
PER 21.71倍
PBR 1.08倍
配当利回り 4.08%
最低購入金額 41万9000円

※2023年11月20日時点の数値
※投資指標は2023/3期の実績

日本を代表する大手製薬会社。1781年に創業した非常に歴史のある企業です。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)などの主要な疾患領域に重点的に取り組んでいるとのことです。

2013年からの武田薬品工業の株価

2022年からは上昇基調になっています。2023年11月20日現在の株価は4190円ですが、ここ10年における最高値は2015年と2018年につけた6600円台で、それを踏まえると、上昇余地はまだありそうです。

テルモ(4543)

株価 4772円
自己資本比率 69.30%
PER 29.92倍
PBR 2.41倍
配当利回り 1.12%
最低購入金額 47万7200円

※2023年11月20日時点の数値
※投資指標は2023/3期の実績

渋谷に本拠を置く日本の大手医療機器メーカーで、世界160以上の国と地域で事業を展開。カテーテルなど心臓血管分野に強みを持っています。株主還元にも積極的で、配当性向30%を目指すことを目標としているようです。

2013年からのテルモの株価

2013年から2021年9月までは右肩上がりに上昇していましたが、2021年10月からは下落が続き、現在はレンジで推移しています。過去10年における最高値は2021年9月につけた5500円台。そこを目指していくことに期待したいです。

その他に40万円以上50万円未満で購入可能な銘柄

日本ハム(2282)、伊藤園(2593)、日清オイリオグループ(2602)、三菱総合研究所(3636)、野村総合研究所(4307)、中外製薬(4519)、東芝(6502)、大日本印刷(7912)、住友不動産(8830)など約160銘柄

※2023年11月20日時点の株価を基に計算

少額投資の主なメリット3つ

少額投資をする、少額で個別株を購入する主なメリットとして、以下の3点が挙げられます。

  1. 投資経験を積める
  2. 損失が少ない
  3. 少額でも配当金や株主優待は受け取れる

少額投資は株価が下落しても損失が少ない一方で、配当金や株主優待を受け取れることが大きなメリットと言えます。

①投資経験を積める

少額でも株式投資をしておけば、銘柄選定やチャート分析、相場ニュースの見方などの投資経験を積めます。

株式投資をはじめどんな金融商品にも言えることですが、投資は「初心者がいきなり利益を出せて、資産を大きく増やせる」ような世界ではありません。

成功と失敗を繰り返しながら経験を積み、ようやく利益を出せるようになります。投資を始めて大きな利益を稼ぎ続けられる人もいますが、それができるのはほんの一握りだけです。

少額で投資をしながら経験を積み、積み上げた経験を生かして利益を狙っていけるメリットが少額投資にはあります。

損失が少ない

少額投資は投資に使う資金自体が少ないため、損失も相対的に小さくなります。そのため、少額投資は損失が出ても大きなダメージになりにくいメリットがあります。

例えば、株価が100円の銘柄を100株購入した場合、100×100=10000で、投資資金は1万円です。

もし、株価が100円から90円に下落した場合、100×90=9000となり、1000円の損失です。

一方で、1000株購入していた場合は100×10000=100000で、投資金額は10万円です。同じように株価が90円に下落した場合、1000×90=90000で、損失は1万円となり、100株購入した時よりも損失額が大きくなります。

投資に使う金額が多いほどリターンも大きくなりますが、その分、損失も大きくなります

株式投資はずっと株価が上がり続けられるわけではありません。時には株価が下がり、損失になることもあります。もし、大きな資金をかけていた場合、損失が大きくなりすぎて、投資を続けられなくなるケースもあります。

特に、投資初心者はリスクを減らしながら経験を積むためにも、始めは少額投資の方が良いと思います。

③少額でも配当金や株主優待は受け取れる

少額で投資している人でも株主であることに変わりないため、配当金や株主優待を受け取ることができます。

ただし、株主優待は対象枚数を保有していないと貰えません。

例えば、300株以上の保有が条件であるのに100株しか保有していなかったら株主優待は受け取れません。また「〇年以上保有していること」といった条件がある場合もあるので、優待の条件はしっかりと確認しましょう。

また、昨今は株主優待自体を廃止している企業もあり、将来的に株主優待が廃止になる可能性もある点にも注意が必要です。

なお、配当や株主優待は権利確定日までに株式を保有していないともらえないので、権利確定日はしっかりと把握しておきましょう。

少額投資の主なデメリット2つ

少額投資のメリットについて解説してきましたが、反対にデメリットもあります。

  1. 利益が少ない
  2. 選択できる銘柄の幅が狭まる

メリットだけでなく、デメリットもしっかりと把握しておきましょう。

①利益が少ない

投資資金が少ないと、当然ながら利益も少なくなります。そのため、大きな利益を獲得しにくいというデメリットがあります。

例えば、株価1000円の銘柄を100株購入した場合の投資資金は10万円です。もし、株価が2倍に上昇して2000円になったとしても、2000×100=200000となり、10万円の利益です。

仮に1000株購入していた場合だと、投資資金は100万円と大きくなりますが、利益も2000×1000=2000000で、200万円の利益になります。

投資は基本的に資金が多いほど利益も大きくなるため、少額投資だといきなり大きな利益を獲得するのは困難です。

株式を100株購入していた場合の利益(売却益)は以下のとおりです。目安として覚えておきましょう。

  • 株価が100円上昇したら約1万円の利益
  • 株価が1000円上昇したら約10万円の利益

②選択できる銘柄の幅が狭まる

少額取引の場合、購入が難しい銘柄もあります。

例えば、ソニーグループの2023年11月20日の株価は1万2950円です。最低単位数の100株購入するのにだいたい130万円の資金が必要になります。

また、キーエンスは2023年11月20日時点の株価は6万2250円なので、100株購入するのに約630万円必要です。

基本的に優良な企業ほど株価は高いため、投資金額が少ないと購入できる銘柄も絞られます。

ただし、10万円以下で購入可能な銘柄も1000銘柄以上あるので「少額だと選択肢が極端に狭まる」というわけでもありません

最近は株式分割によって購入金額を下げる例もあります。有名な企業でも、任天堂が2022年10月に株式分割を行い、最低購入金額が大きく下がりました。

個人投資家が株式投資をしやすい環境が整いつつあるため、今後も株式分割が行われる可能性はあります。

少額で株を購入する4つのテクニック

少額で株式投資をしたい場合の選択肢は、個別株だけではありません。単元未満株や積立投資などの方法もあります。

ここからは、少額投資をする場合の選択肢について解説していきます。

①「単元未満株」なら1株単位で投資ができる

「資金が少ないけど個別株を買いたい」という場合は、単元未満株を購入する方法があります。

単元未満株とは、1単元以下の株式のこと。

一般的に株式は100株単位で購入します。この100株単位を1単元といい、100株単位で購入しなければならないため、大きな購入資金が必要です。

例えば、株価が200円の銘柄を購入したい場合、200円では購入できません。最低でも100株を購入する必要があるため、実際の投資金額は2万円になります。

しかし単元未満株であれば1株や10株の購入も可能なので、少ない資金でも買うことができるというわけです

ただし、通常の株式売買よりも手数料が高くなりやすく、株主優待を受け取ることはできません。

また、全ての証券会社で単元未満株の売買ができるわけではなく、単元未満株を売買できるサービスを提供している証券会社でないと取引できません。

②積立投資をする方法もある

個別株にこだわらないのであれば、投資信託の積立投資も選択肢の一つです。

例えば、毎月1万円で投資信託をコツコツと購入していく方法もあります。地味かもしれませんが、もし投資信託が値上がりすれば大きな利益を獲得できる可能性があります。

投資信託自体、少額投資が可能で、日経平均株価やS&P500のような株価指数に連動する投資信託もあります。少ない資金で投資を始めたいのであれば一度調べてみましょう。

投資信託については「投資信託のおすすめ銘柄は?選び方から運用方法まで解説」の記事で詳しく解説しています。

③米国株なら1株から購入可能

日本株は基本的に100株単位での購入になりますが、米国株は1株から売買可能なので、少額投資に向いていると言えます。

例えば、2023年11月20日現在のアップルの株価は189.69ドルです。米国株は米ドルで購入するため、米ドル/円が150円の場合だと、189.69×150=28453.5で、日本円換算で2万8454円がアップルの1株あたりの購入金額です。

アマゾンだと、2023年11月20日現在の株価は145.18ドルなので、145.18×150=21777となり、日本円換算だと2万1777円が1株あたりの購入金額です(※米国株投資は手数料が発生するため、実際のアップル株やアマゾン株の購入金額はここの数値よりも大きくなります)

GAFAMは成長を続ける大企業であるため株価も100ドルを超えていますが、米国株の中には50ドル以下の銘柄もあり、日本円換算だと1株あたり1万円以下で購入可能です。

投資金額が少ないのであれば、米国株への投資を検討してみるのもいいのではないでしょうか。

CFDで個別株を取引する

CFDで個別株取引をする方法もあります。

CFDとは差金決済取引のことで、現物の受け渡しを行わず、売買差額だけのやり取りを前提にした取引です

CFDのメリットは、FXのようにレバレッジをかけて取引ができることです。例えば、個別株であれば5倍までのレバレッジをかけられるため、資金が少なくても大きな取引ができます。

例えば、手持ちの運用資金が20万円であれば、最大100万円までの取引が可能です。

ただし、CFDの個別株投資ができる証券会社はIG証券、GMOクリック証券、サクソバンク証券などと少ないため、新たな証券会社を選ぶ必要が出てくるかもしれません。

なお、資金以上の取引をするということは、それだけリスクも大きくなることに注意しましょう。許容以上のレバレッジをかけて取引してしまうと、最悪のケースだと追証が発生し、相場から退場してしまうことになります。

投資は絶対に利益を出せるわけではありません。損失を出しても耐えられるようにリスク管理はしっかりとしておきましょう。

CFDについては「FXとCFDの違いとは?投資初心者にはどちらが向いているか解説」の記事で詳しく解説しています。

少額取引をするならNISAを使うのもあり

すでに述べた4つの選択肢とは別の少額取引ということで考えるなら、NISA制度を利用する手もあります。

NISAとは、一定金額の範囲内で投資して得た利益が非課税になる制度です。

■現行NISA
一般NISA つみたてNISA
購入商品 個別株・投資信託など 投資信託
購入金額 年間120万円 年間40万円
非課税保有期間 5年間 20年間

また、2024年から新NISAが開始されます。新NISAは現行NISAよりも非課税になる範囲が拡充されているので、これから少額から投資を始めようと考えている人はNISAを一度チェックしておくと良いでしょう

ただし、NISAは基本的に長期保有が前提です。頻繁に売買を繰り返すような取引には向いていません。

少額投資におすすめの証券会社5選

ここまでは少額投資にはどのようなメリット・デメリットがあるのか、個別株以外にも少額投資をするための手段を解説してきました。

ここからは少額投資に向いている証券会社を紹介していきます。

SBI証券

SBI証券公式サイト
取り扱い金融商品 日本株、外国株(米国株、中国株、ASEAN株、韓国株、ロシア株)、投資信託、債券、FX、先物、CFD、金・銀・プラチナ現物など
取引手数料 スタンダードプラン:5万円まで55円、10万円まで99円、20万円まで115円、50万円まで275円、100万円まで535円、150万円まで640円、3000万円まで1013円、3000万円以上1070円

アクティブプラン:100万円まで0円、200万円まで1238円、300万円まで1691円、300万円以降は100万円増加ごとに+295円

※条件を満たせば取引手数料が0円になる
単元未満株 S株(単元未満株)
米国株の取り扱い あり
CFDの取り扱い 株価指数CFD、商品CFD(個別株CFDはなし)
投資信託の積立 あり

ネット証券の代表的な存在の一社で、多くの個人投資家から支持を集めている証券会社です。取り扱っている金融商品が豊富で、日本株以外にも外国株や債券、CFDなどの取引が可能。

取引コストも安く、条件を満たせば国内株式売買手数料が無料になる「ゼロ革命」を実施中です。

SBI証券のここがおすすめ!

  • 取り扱っている金融商品が日本株以外も豊富
  • 手数料が安い
  • 単元未満株も売買もできる

楽天証券

楽天証券
取り扱い金融商品 日本株、外国株(米国株、中国株、ASEAN株)、債券、FX、CFD、投資信託、金・銀・プラチナ現物、先物、バイナリーオプションなど
取引手数料 ゼロコース:0円(条件あり)

超割コース(大口優遇):0円

超割コース:5万円まで55円、10万円まで99円、20万円まで115円、50万円まで275円、100万円まで535円、150万円まで640円、3000万円まで1013円、3000万円以上で1070円
単元未満株 かぶミニ®(単元未満株取引)
かぶツミ™(国内株式積立)
米国株の取り扱い あり
CFDの取り扱い 株価指数CFD、商品CFD、バラエティCFD(個別株CFDはなし)
投資信託の積立 あり

SBI証券と同じく、ネット証券の代表的な存在の楽天グループに属している証券会社です。取り扱っている金融商品が多く、投資初心者から上級者まで幅広い層に支持されています。

大きな特徴は取引に応じて楽天ポイントが貰えること。貯まった楽天ポイントを使って投資も可能なので、楽天グループのサービスを使っている人におすすめです。

楽天証券のここがおすすめ!

  • 取引ツールが高機能
  • 手数料が安い
  • 取引に応じて楽天ポイントがもらえる

松井証券

松井証券
取り扱い金融商品 日本株、外国株(米国株)、投資信託、FX、先物など
取引手数料 26歳以上は50万円まで0円、100万円まで1000円(税込1100円)、200万円まで2000円(税込2200円)、※100万円増えるごとに1100円(税込)が加算。1億円超は10万円円(税込11万円)(上限)

25歳以下(未成年含む)は0円
単元未満株 あり
米国株の取り扱い あり
CFDの取り扱い なし
投資信託の積立 あり

松井証券は1918年に創業し、100年以上証券業界で活躍している歴史ある証券会社です。26歳以上は1日の約定代金合計金額が50万円以下だと手数料が無料と、少額投資をする人にはうってつけとも言えます。

また、投資情報が豊富で、マネーサテライトの投資情報動画を無料で見ることができます。サポート体制も整っています。

松井証券のここがおすすめ!

  • 一定の範囲内なら手数料が無料
  • マーケット情報が豊富で、初心者向けの動画コンテンツもある
  • サポート体制が整っている

auカブコム証券

auカブコム証券
取り扱い金融商品 日本株、外国株(米国株)、投資信託、FX、先物、取引所CFDなど
取引手数料 ワンショット手数料コース:0円超~5万円以下は55円、5万円超~10万円以下は99円、10万円超~20万円以下は115円、20万円超~50万円以下は275円、50万円超~100万円以下は535円、100万円以上は約定金額×0.099%(税込)+99円【上限:4,059円】

1日定額手数料コース:0円~100万円以下は無料、100万円超~200万円以下は2200円、200万円超~300万円以下は3300円、300万円超~400万円以下は4400円、400万円超~500万円以下は5500円、500万円以上は100万円毎に1100円加算
単元未満株 プチ株®(単元未満株)
米国株の取り扱い あり
CFDの取り扱い 株価指数CFD、商品CFD(個別株CFDはなし)
投資信託の積立 あり

旧カブドットコム証券が名称を変更したのがauカブコム証券。取り扱っている金融商品が豊富で、米国株も取引可能です。また、手数料を2つのコースから自身の取引に合わせて選択できます。

特徴の一つとして、Pontaポイントを使って投資信託の購入ができ、投資信託を積み立てるとPontaポイントがもらえる点があります。

auカブコム証券のここがおすすめ!

  • 手数料を2つのコースから選択できる
  • Pontaポイントを使える
  • 単元未満株の「プチ株®」は1株から取引可能

PayPay証券

PayPay証券
取り扱い金融商品 日本株、外国株(米国株)、投資信託、CFDなど
取引手数料 東京証券取引所の立会時間内:「基準価格」に0.5%を乗じた価格

立会時間以外の時間帯:「基準価格」に1.0%を乗じた価格
単元未満株 1000円から購入可能
米国株の取り扱い あり
CFDの取り扱い 日本株CFD(個別株の取引可能)
投資信託の積立 あり

PayPay株式会社やソフトバンク株式会社、みずほ証券株式会社などが株主のネット証券会社。日本株CFDは個別株CFDが取引できる証券会社です。

また、「PayPay資産運用」でPayPayマネー、PayPayポイントを使って資産運用ができる珍しいサービスもあります。

PayPay証券のここがおすすめ!

  • 1000円単位で購入可能
  • スマホアプリが操作しやすい
  • PayPayポイント、PayPayマネーを使える

少額投資でよくある質問

ここからは少額投資でよくある疑問点を一問一答形式で記載していきます。

少額投資はあまり意味がないと聞きますが?

確かに少額投資は大きな利益を挙げることができないので、意味がないと考えている人もいるでしょう。しかし、少額でも投資をしておけば、投資経験を積めます。

大きな資金ができて、いざ投資を始めようとして大きな失敗をするよりも、少ない資金で投資スキルを高めておくと失敗しにくくなります。

少額だとあまり儲けられないのでしょうか

基本的に投資する資金が大きいほどリターンも大きくなる傾向があるため、少額投資では大きく利益を出すことは難しいです。

ただし、少額である分、損失も小さくなる点はメリットでもあります。

少額投資のメリットを教えてください

主なメリットは、投資経験を積める、損失が少ない、配当金や株主優待を受け取れることが挙げられます。

10万円未満で購入できる銘柄はありますか

10万円以下で購入できる銘柄は1000以上あります。有名な企業としては楽天グループ、綜合警備保障、出前館、東レ、グリー、サイバーエージェントなどの株式は10万円以下で購入可能です(2023年11月20時点)。

ただし、今は10万円以下で購入できても、株価が上がれば購入できなくなることに留意しましょう。

まとめ

  • 少額で取引できる株の銘柄は膨大にある
  • 少額取引は、損失額を抑えつつ経験を積めるのがメリット
  • 少額で投資をしたいのなら、個別株以外にも投資信託など選択肢はいろいろある

この記事のまとめ

  • 初心者はルールを決めて投資する
  • 少額取引をする初心者におすすめの証券会社は楽天証券

記事の編集責任者

齋藤直人

FINANCIAL JOURNAL編集長

齋藤直人

編集者歴20年以上。主に紙媒体で編集経験を積み、趣味系雑誌4誌の編集長を歴任。

雑誌の特集記事だけでなく、企業とのタイアップ企画、地域活性化事業への参画など、コンテンツ制作力を活かして幅広いフィールドで活躍。国会議員、企業の重役、スポーツ選手、芸能人などジャンルを問わず幅広いインタビュー経験を持つ。

FXトレーダー歴も5年以上あり、好きなトレードスタイルはスイングトレード。これまでの最大勝ち幅は1500pips

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